23. 札幌で旭川を食す、買う

パラダイスファームの「ゴロンダ トマトジュース」

 

以前紹介した「フーズバラエティ すぎはら( → 札幌グルメバイブル・お土産ショッピングの頁を参照) を訪れた時に目に留まり、思わず購入したトマトジュース。ラベルの表示を見ると、「パラダイスファーム大井健太郎」と書かれてある。ネットで調べてみると、旭山動物園からほど近い東旭川にある農園らしい。“ゴロンダ”という珍しい名前は、この農家の知人が粘土質であるパラダイスファームの畑をトラクターで耕したとき、「ゴロンタゴロンタした土地だ」と口にしたことから名付けられたという。使用するトマトは大玉と中玉の2種。真っ赤に熟してから収穫し、その日のうちに搾って瓶詰めするという。完熟したトマトを使用するため、トマトに含まれるグルタミン酸の旨味がストレートに伝わってくる。コップに注ぐと、瓶やコップにくっつくくらいドロッとしている。色は鮮やかなトマトレッドで、口に含むと、まずは爽やかな甘さを感じ、続いてコクと旨味を感じる。それでいながらアフターがスッキリとしている。トマト特有の青臭さなど一切ない洗練されたトマトジュースだ。このトマトジュースを飲むと、トマトが野菜ではなくフルーツであることが実感できる。このトマトジュースは農薬や化学肥料を一切使用せず、塩も使っていない。塩を使わないことがトマト本来の美味しさや風味を際立たせており、トマトジュースに本当に塩は必要?といつも感じていた僕の疑問を見事に解決してくれた。価格は少し高めだが、飲んで納得の旨さである。まさに、太陽の恵みをギュッと凝縮したような美味しさで、北海道産トマトジュースのレベルの高さを体感できる。購入方法は、電話かファックス、またはメールで注文する通販システムとなっている。実売価格の3倍強の値段ではあるが、このジュースの特別バージョンが下記「贈る一休」のサイトから購入できる。さらに、下記サイトからは、このジュースができるまでの工程が見ることができる。(2012年12月追加) 

旭川市東旭川町東桜岡50-1  
電話・FAX:0166-36-5458 
電話受付時間:12時~17時 
定休日:不定休 
Eメールアドレス:mail@goronta.net

予算:1本1050円

中央区

き花

 「き花」は、昭和4年創業の旭川のお菓子メーカー「壷屋総本店」を代表するお菓子で、北国の厳寒が作り出すダイヤモンドダスト「霧華(きばな)」をイメージして作られたという。チョコクリームをアーモンドガレットでサンドしたお菓子で、何でも、27年連続モンドセレクション金賞を受賞しているらしい。類似の石屋製菓のラングドシャ「白い恋人」に比べると、クッキーの食感が独特。まるでカルメ焼きやメレンゲ菓子のように、空気を含んだサクッとした食感なのだ。
 「き花」には通常サイズと、一回り小さい「き花プティモ」の2サイズあるが、小さい「き花プティモ」の方が大きさが丁度良くお勧め。クーベルチュール・ホワイトチョコを挟んだ定番の「き花」の他、ビターなクーベルチュールチョコを挟んだ「ショコラ」と乾燥イチゴをチョコに練り込んだ「いちご」ラズベリー」の4種類がある。僕の一押しは、ずばりビターチョコを挟んだ「ショコラ」である。ちなみに、これらの製品は道内各地のお土産品店で購入できる。(2015年3月追加)
http://www.tsuboya.net/products/list58.html

予算:き花プティモ(6枚入り)700円
お勧めポイント:チョコを挟んだ独特の食感が美味しい

クーベルチュール・ホワイトチョコを挟んだ定番の「き花」

ビターなクーベルチュールチョコを挟んだ「ショコラ」

乾燥イチゴをチョコに練り込んだ「いちご」

定番の「き花」

「ショコラ」

「いちご」

もち処 一久 大福堂
(いちきゅう だいふくどう) 札幌円山店

 「もち処 一久 大福堂」は、旭川に本店を構える1924年創業の老舗餅店。実はこの店、旭川よりも札幌の店舗数の方が圧倒的に多いのである。札幌エリア第1号店の円山店の他、「札幌月寒中央店」、「札幌南郷8丁目店」、「札幌東区役所前店」、「札幌琴似店」、さらに「丸井今井札幌店」や「札幌三越」、「大丸札幌店」などの百貨店にも入っている。
 この店のこだわりは、小豆餡に美瑛産「しゅまり」という小豆を使用していること。「しゅまり」は小豆の中でも良質で知られる「えりも小豆」を改良した新品種で、小豆の赤のイメージから「しゅまり(朱鞠)」と名付けられたという。さらに、餅米も北海道産を使用し、つきたての柔らかさを長時間保つような処理は一切していない。時間が経つにつれて硬くなるが、逆に、餅本来の自然の美味しさが味わえるのだ。
 この店のお勧めは、何と言っても「苺大福」と「黒豆大福」である。「苺大福」は通常「つぶあん(赤色)」と「こしあん(白)」の2種類があるが、年明けから4月にかけて練乳餡の「練乳いちご大福」も登場する。「苺大福」は1粒丸ごとの苺を使用しており、苺は季節によって産地が変わる。一方、「黒豆大福」も「つぶあん」と「こしあん」の2種類があるが、僕的にはどちらの大福も粒餡の方がお勧めである。ちなみに、季節限定の「練乳いちご大福」や2番人気の「くるみ大福」は、イマイチなのでお勧めできない。(2015年3月追加)

札幌市中央区北1条西24丁目  
電話番号:011-614-1990
定休日:無休
営業時間:9時〜19時
予算:苺大福173円、黒豆大福130円
アクセス:地下鉄東西線・円山公園駅5番出口を出て左へ。すぐに、「大通西24丁目」の信号を左折し、北海道銀行の信号を右折するとすぐ右(東光ストア円山店の南向かい)。円山公園駅から徒歩3分
最寄りのランドマーク:北海道銀行・中央区鳥居前支店、東光ストア円山店
お勧めポイント:北海道産原料を使った良質な大福が味わえる

苺大福のつぶあん

苺大福のこしあん

練乳いちご大福

練乳いちご大福は白い練乳餡

黒豆大福

くるみ大福

The Sun蔵人の「生チョコサブレ 蔵生」

 丘の上の菓子工房「The Sun蔵人(ザ・さんくろうど)」は、旭川市の「株式会社 ロバ菓子司」が運営する菓子店。同会社はこの他に「ロテルド北倶楽部」などの別ブランド菓子店も運営している。
 美瑛軟石を使って作られた風情のある外観は、かつての酒蔵(旧・登鶴酒造)だった建物をリノベーションして作られたもの。旭川市内に計4店舗の直営店があるが、もしも訪れるなら広くて雰囲気の良い本店がお勧め。店舗の2階には、店内を見渡す事のできるセルフカフェ「ぷらたなす」があり、コーヒーやミネラルウォーターを無料で提供している。なので、購入した商品をそのまま店内で食べることもできる。
 この店のお勧めは「生チョコサブレ 蔵生(くらなま)」。北海道産小麦粉とビートグラニュー糖を100%使用して作るソフトクッキーで、現在のところ、「黒」と「白」の2種類が販売されている。見た目は丸くてとても薄く、触れるとフニャッとして柔らかい。噛むと、クッキーというより、まるで生チョコトリュフのような食感。しかも、水飴も入っているので、ネットリ・シットリとしている。さらに、ザラッとした砂糖の食感が残り、甘さも控えめでいい。「黒」はビターチョコクリームのような味で、「白」はホワイトチョコクリームというより、どちらかといえばバタークリームのような味。どちらかと言えば、「黒」の方が僕好みである。 
 ちなみに、新千歳空港の 「美瑛選果(→ 札幌グルメバイブル・新千歳空港の頁を参照)」 では、美瑛産ハスカップを使った蔵生の限定品「クラナマ プチ」が購入できる。(2015年2月追加)http://www.robakashitsukasa.co.jp

旭川市神楽岡8条1丁目(旭川ロマンチック街道入口)  
電話番号:0166-66-3961
定休日:無休
営業時間:8時〜19時
予算:蔵人(1枚)90円、(6枚入り)620円、(12枚入り)1190円
アクセス:JR旭川駅から神楽岡公園を目指し、神楽岡通沿いにある。JR旭川駅から2000m、JR富良野線・神楽岡駅から500m
最寄りのランドマーク:神楽岡公園
お勧めポイント:シットリと生トリュフのような食感のソフトクッキー

旭川ら〜めん むら山

 札幌では少ない本格的な旭川ラーメンを食べさせてくれる店。店内はカウンターの他、テーブル席が2つだけと狭い。この店のお勧めは、旭川ラーメンなのでもちろん「醤油ラーメン」。スープはそれ程ラードが浮いていないが、煮干などの魚介系の風味を感じる典型的な旭川ラーメンである。初めは違和感を感じるかもしれないが、飲むほどに次第に美味しく感じられるスープである。麺は中細縮れ麺でそれ程コシはない。チャーシューやメンマはごく普通である。ちなみに、11時〜14時までは小ライスが無料でサービスとなる。(2013年4月追加)

中央区南6条西17丁目2-3  
電話番号:011-552-8888
定休日:木曜 
営業時間:11時〜22時(当分の間20時まで) 
予算:醤油ラーメン700円 
アクセス:地下鉄東西線・西18丁目駅2番出口を出て右へ。次の信号(ピタットハウス、アパマンショップあり)を右折し、札幌医科大学附属病院、ファミリーマート、北星女子中学高等学校、渥美工業を過ぎたらすぐ右側にある。地下鉄東西線・西18丁目駅より徒歩10分
最寄りのランドマーク:札幌医科大学、北星学園女子中学・高校 
お勧めポイント:典型的な旭川ラーメンが食べられる店

西区

ななし

 琴似にある元祖旭川ラーメンの店。今年、僕は旭川の有名ラーメン店をほぼ全てまわったが、この店を超えるラーメン店はなかったた。それほどまでに、この店の醤油ラーメンの完成度は高いのである。スープは豚骨ベースに鶏ガラが加わり、魚介系が主張しない絶妙なバランスのWスープでなのである。飲むほどにまた飲みたくなり、ついつい最後の一滴まで飲み干してしまうほど美味しい。もちろん旭川ラーメンなので、麺は加藤製麺の中細ストレート麺。コシはないものの、滑らかで重層感のあるスープと良く絡んで美味しい。チャーシューもとろけるように美味しいので、200円を追加しても「醤油チャーシュー麺」を注文しよう。15時までは小ライスが無料になるサービスも嬉しい。ちなみに、開店当初より閉店時間が1時間早くなった。(2012年9月更新)

西区琴似1条1丁目 5588斜め向かい   
電話番号:011-611-8336
営業時間:11時半〜15時、17時〜21時(土 日は11時半〜21時)
定休日:水曜
予算:醤油ラーメン650円 (チャーシューは200円プラス) 
アクセス:JR琴似駅を出て、高架下に沿って左へ進む。「南光園」側へ信号を渡り右へ進む。2つ目の左角にある(南光園から150m、5588の斜め向かい)。JR琴似駅より徒歩2分。 
最寄りのランドマーク:南光園、5588 
お勧めポイント:旭川ラーメンナンバーワンの店

手稲区

元祖旭川 かとうらーめん 手稲本店

 手稲にある旭川ラーメンの店。この店は文字通り旭川の加藤ラーメン系のラーメン店である。実は、旭川の老舗製麺所「加藤ラーメン」の先代である2代目社長の長男が現在の「加藤ラーメン」の社長であり、次男が「味乃やまびこ」というラーメングループ店を率いているのである。「味乃やまびこ」系ラーメン店は、 「味乃やまびこ(→ その他北海道の旨い店・道北版を参照)」 と 「工房 加藤らーめん(→ その他北海道の旨い店・道北版を参照)」 という2つのブランド名を持つが、基本的な味はほぼ同じである。そして三男が経営するのが「元祖旭川 かとうらーめん」であり、旭川の本店と手稲本店、月寒店の3つがある。店内は広いL字型のカウンター席のみで、店主は釣りが趣味なのか?店内には魚の写真があったり、気まぐれメニューのご飯に「ブリのヅケ丼」などが出てきたりする。
 加藤ラーメン名物の「醤油らーめん」は、味噌ラーメンのように混濁した焦げ茶色のスープが特長。豚骨ベースでありながらトンコツ臭さは一切なく、魚介系素材のバランスも良い。加藤ラーメン系なので、もちろん麺は中細の自家製縮れ麺。小麦を感じてほしいという店主の思いから“かん水”を極限まで減らして作っているらしい。コシのない典型的な旭川ラーメンの麺ではあるはが、スープとの相性は良く、スープに上手く絡む。チャーシューはいたって普通で、トロッとしている加藤ラーメン系のチャーシューとしてはイマイチ。
 「生姜醤油らーめん」は、刻み生姜が浮かぶ醤油ラーメン。醤油味の“生姜ラーメン”と言えば、旭川の「みづの」が有名であるが、こちらの方がスープが濃厚なだけにむしろインパクトあり、バランスも良く僕の1番のお勧め。塩ラーメンは基本的に混濁してコクのある「とん塩らーめん」とサッパリと透明な「潮らーめん」の2種類があるが、「とん塩らーめん」の方がお勧め。「潮らーめん」は自体は物足りないので、「潮らーめん」にしたいのなら、高菜入りの「高菜潮らーめん」の方がアクセントがあっていい。味噌系ラーメンは「味噌らーめん」と少しトロミが加わった「じいちゃん」、そして辛みがアクセントになった「ちょび辛」、さらに「担坦麺」の4種類がある。オーソドックスなタイプの味噌スープはどれも美味しいものの、中細の自家製麺には全くマッチしていない。
 この店のもう一つの名物「いつもの奴」は、いわゆるスープを使った“おじや”のことで、麺を食べ終えたスープにご飯とネギ、刻みチャーシューを加え、卵でとじて作る。ラーメンを食べた後の締めには最高の一品であるが、塩スープよりも醤油スープで作る「いつもの奴」の方が美味しい。(2013年12月追加)

手稲区前田5条6丁目3-30  
電話番号:011-684-8308
定休日:水曜、第3火曜
営業時間:【平日】11時半〜15時、17時〜19時45分、【土日・祝日】11時半〜19時45分
予算:生姜醤油らーめん750円、いつもの奴200円
アクセス:札幌中心部から下手稲通を手稲方面へ進む。「札樽自動車道」、「ホクレンショップ」、「スーパースポーツゼビオ」、「札幌秀友会病院」を過ぎ、橋を下るとすぐ左側。JR稲積公園駅から約1㎞。
最寄りのランドマーク:下手稲通、札幌秀友会病院
お勧めポイント:札幌で味わえるオリジナリティのある旭川ラーメン