鮨 こいせ
薄野のビルの4階にある人気の寿司店。この店の店主・小伊勢さんは、「すし善」を皮切りに道内の寿司店で修行し、「すし てんちじん」を任されていた寿司職人。コロナ禍の2022年1月に独立し、この店を開いたという。
この店はおまかせコースのみで、17時半か20時からの一斉スタート。店内はL字型のカウンターが8席あり、この日は半数以上の客が韓国からのインバウンド客だった。調理は大将の小伊勢さんと女性の見習い職人が担当。つまみと握りが適宜交互に出される今時のスタイルである。
特筆すべきは熟成ネタの美味しさで、特に北海道産を中心としたネタにこだわっているようだ。例えば「煮ダコ」は、大ぶりのミズダコを使用しているだけでも珍しいのに、北海道らしいタコの頭も出てきたのには驚き。握りは小ぶりで、酢飯は塩味や酢がマイルドで食べやすい。しかしながら、大将こだわりの赤酢の酢飯は、芯を感じるくらい硬い食感なので、僕も含めてかなり好みが分かれると思う。また、高級店でありながら、日本酒のセレクトがイマイチなのもマイナスだ。もしも、酢飯の硬さと日本酒のレベルが改善されたなら、2つ星をつけてもいいと思う。なお、予約は電話以外に、DMやLINEでも可能(キャンセル料は前日でコース料金の50%、当日で100%発生するのでご注意を)。(2025年7月追加)
中央区南5条西3-1-4 第11グリーンビル4階
電話番号:011-522-7939
定休日:日曜、祝日(不定休あり)
営業時間:17時半〜、20時〜(時間にならなければ店に入れないのでご注意を)
予算:おまかせコース19800円(税込)
アクセス:地下鉄南北線・すすきの駅3番出口を出て、右の薄野交番側に向かわず、左の薄野交差点を左に曲がり、駅前通を南へ進む。「銀だこ」、「ドンキホーテ」を過ぎ、「ROUND1」の信号を左折すると、次の交差点手前の右側に見えるビル。地下鉄南北線・すすきの駅から徒歩3分
最寄りのランドマーク:ROUND1
お勧めポイント:北海道産素材にこだわった熟成ネタが美味しい寿司店
「ROUND1」の信号を左折すると、次の交差点手前の右側に見えるこのビル
4階でエレベーターを降り、10分前に店に到着。しかしながら、スタート時間にならなければ店に入れないようだ
スタート時間になって灯りがともった
店内はL字型のカウンターが8席。カウンター内にいるのが店主の小伊勢さん
ドリンクメニュー1。生ビールはサッポロクラッシック
ドリンクメニュー2
まず出てきたのは、紋別産のミズダコを使った「煮ダコ」。大ぶりのミズダコだけでも珍しいのに、足だけでなく北海道らしくタコの頭も一緒に出てきたのには驚き。ワサビと枝豆のペーストが添えられてきたが、タコの香りがいいので、そのまま食べた方が美味しかった
「赤酢のガリ」は、かなり美味しい
カラスミを擦っていかけているのは・・・
1週間塩締めした根室産の「ギンガレイの炙り カラスミ一味掛け」。高級寿司店では絶対使われないような素材だが、まるで脂の乗ったサワラのようで、カラスミが深みを増している
根室産「目抜きの昆布締めの握り」。弾力があり、脂はまあまあ
白老産の「時知らずの握り」。6月に取れたものを冷凍保存して使っているという。ネットリと脂がのっていて旨味もある
白老産の「生のホッキ貝の握り」。スダチがかけてある。ベストなホッキ貝ではないけど悪くはない
低温調理された釧路町の「昆布森の仙鳳趾牡蠣の握り」。トロッとした食感で生臭さがない。深い味わいのツメとも良く合い、意外にも美味しい
「ボウズギンポの(鯛の)酒盗焼き」。別名アブラギンポと呼ばれるらしく、脂がのっている。まるでギンダラのように美味しい
「あん肝」。ペースト状のあん肝と刻んだ奈良漬けのカリカリした食感、さらにカスベ(エイ)のほっぺの線維感、デラウェアジャムの甘味が加わってなかなかの出来栄え
「エゾアワビの蒸し鮑」。酒蒸したエゾアワビに肝ソースがかかっている。肝ソースは旨味があるが、アワビ自体の香りと柔らかさはまあまあ
「アユの蒸し寿司」。キュウリ、ナス、生姜、茗荷入りの山形の「ダシ」をのせてある
混ぜて食べると、酸味と塩味、蒸した鮎、温かい酢飯が一体となった美味しさとなる
羽幌産の「甘エビの昆布締めの握り」。これは本日一の美味しさ。甘味、深み、ネットリとした食感、全てが最高レベル
古平産の本鮪を、サーキュレーターで風を与えて冷蔵熟成しているので、外側がかなり黒くて熟成肉にも似ている。黒くなった部分は生臭くなるそうで、厚くカットして芯の部分を使っている
「本鮪の赤身の握り」。食感も含めて悪くないが、小ぶりなマグロのせいか、深みに欠ける
「本鮪の中トロの握り」。マグロの香りが感じられ、脂もそこそこある。素直に美味しいと思えるレベル
北海道オホーツク海で獲れた「ニシンの握り エシャロットと一味」。ニシンは脂の乗った真アジのようにネットリとして美味しかったが、らっきょうのようなエシャロットは香り強すぎて合わない。擦った青ネギの方が良かったのかも
「毛蟹とムラサキウニの軍艦」。2つの素材を合わせた相乗効果に乏しく、むしろ別々の方が美味しいのでは?と感じた
噴火湾の「煮穴子の握り」。身は大ぶりで味も大味
シソやゴマが入った締めの「トロタク」
締めのラーメンをイメージしたというお椀「魚麺」。鰹節と海老の香りに蒲鉾麺のような不思議な食感
「玉子焼き」で終了となった。山芋の食感に魚や海老の香りがして悪くない