食べログによると、「カモシヤ クスモト」という奇妙な店名は、「醸す酒(醸造酒)」と楠本シェフの料理をマリアージュさせるというコンセプトに由来するらしい。その名前の通り、お酒はワインや日本酒、ビールなど全て醸造酒によるラインナップだ。料理はフレンチベースの和風フレンチと言っているが、今回の料理は、言われなければほぼ日本料理と言い切っても良いくらいの料理だった。
地図を頼りに店を探すと、「サンクス」の裏に一軒家のそれらしい建物が・・・。看板は出ていないが、階段にワインの空き瓶があったので、階段を上がると壁に「カモシヤ クスモト」の文字が書いてある。2階の縦に長い大きな木の扉を開けると、開放感のあるカウンター席が広がる。ぱっと見、黒を基調としたカウンターバーのような雰囲気だ。カウンター席の他に、奥に4名までの半個室があり、これとは別に外の階段を上がった3階に6名までの完全個室がある。但し、こちらの方はサービスがほとんどできないため、料理は大皿で各自取り分け、ワインはボトルを自分たちでサーブするシステムとのこと。さらに、レストラン内の中2階にガラス張りの暗い部屋が見えたので、あそこは何かと聞くと、2000本のワインが保管されているワインセラーであるという。
カウンター内の入口側にはオープンキッチンがあり、楠本シェフが一人で料理を作っていた。サービスはマダムともう一人の若い女性が行っているのだが、実はこのマダム、「シャンパンはマグナムが一番美味しい」と信じて疑わない方なのである。 「そのフレーズどこかで聞いたことがあるな~あ、そうだ!弘屋(→ 大阪府・イタリアンの頁をを参照)だ!!」 と言うと、「弘屋のシェフはこの店の常連で、それは私が彼に教えたの・・・」という話だった(納得)。グラスワインは、通常のグラスワインの量と少ない量のテイスティンググラスの2サイズある。ビールは地元の有名クラフトビール「箕面ビール」で、料理によっては日本酒も勧められる。
料理は前述のように、ほぼ和食と言ってもいいくらいの和風フレンチで、どれも外れなく美味しい!!また、和食とワインはどうか?と思われる方もいるかもしれないが、マダムのワインのチョイスがとにかくいいのだ。また、彼女のサービスや会話も淀みなく素晴らしい。ホスピタリティを感じ、また来たいと思わせる素晴らしい店である。
ちなみに、この店にはいろいろなレギュレーションがあり、支払いは現金のみで、ワインを楽しむために喫煙はもちろんのこと、香水などの強い香りのする方もお断りなのである(これも納得)。(2015年7月追加)
大阪市福島区福島5-17-14
電話番号:06-6455-8827
定休日:月曜、第1日曜
営業時間:18時半~24時
予算:お任せコース8400円
アクセス:JR環状線・福島駅を出て右へ。駅前通(なにわ筋)を進み、次の「浄正橋」交差点を右折。JR東西線・新福島駅1番出口前を過ぎ、「牛角」、「大阪トヨタ」を過ぎると「サンクス」が見えるのでその裏の建物。JR福島駅から徒歩5分
最寄りのランドマーク:JR福島駅、浄正橋交差点、大阪トヨタ
お勧めポイント:2000本のワインをストックする隠れ家的プティレストラン
場所はこのサンクスの裏側

この建物です。まさに隠れ家

看板がありません

階段を上ると店名が壁に

あまりに長い扉なので縦にしてもフレームに収まらず

まるでバーカウンターのよう

奥から入口側を見たところ。天井に出っ張った部分がワインセラーです

奥の半個室。客がいなかったので、暗いダウンライトだけで分かりづらいですが・・・

カウンターには窓がついているので、外がだんだん暗くなっていくのが楽しめます

最初にいただいたグラスシャンパン


中にコーンのアイスとジュレが。上には鰹節に見立てたフォアグラの冷凍スライスが

外を湯葉のような何かに巻かれてカリッと揚がった太刀魚の揚げ物


2杯めのグラスはオーストリアの白ワインをテイスティングサイズで

これはだだ茶豆の何かだったような・・

皮目を揚げて皮ごと食べる甘鯛のグリル


毛ガニとカニ味噌の夏大根のすり流し


鯖のビネガー締め・イチジクとともに


3杯めのワインはクリネのセカンドワイン(テイスティングサイズ)

この店のスペシャリティ「アワビのリゾット」は肝のペーストとともに頂く



オーストラリア産トリュフと蕪のグリルだったかな?



4杯目のワインは、1978年のブルゴーニュ・コート・ド・ヴォーヌ・ヴィラージュ

徳島産・尾長鳥のグリル 宮古島産の雪塩とともに

皮目はカリッと、肉はしっとりと焼かれていて満点の出来!

締めの「だだ茶豆のパスタ」はまるで稲庭うどんのよう


デザートはソルベ


中にはアイスクリームが

最後に供される「ハーブ水」がとても爽やか

福島の飲み屋街にある小さな鰻店。店に近づくと、店の前に置かれた「関西焼」という看板が目に留まった。確かに、最近の大阪の現状は焼いて蒸す「江戸焼」が優勢なのである。
店内に入ると、1階は定食屋か居酒屋のような少しチープな雰囲気。1階にはカウンター席のみであるが、2階には座敷があり、また1階の入口近くには小さな焼き台がある。外のランチタイムメニューには「うなぎ丼1500円」と あったが、あまりにも写真の鰻が貧弱だったので、今回は「上うな重」を注文。
出てきた「上うな重」は身が厚く非常に脂がのっていた。なるほど、「関西焼」を名乗るだけあって、皮目がカリッとしていて身がプリッとした美味しい蒲焼 きだ。泥臭さもなく良質な鰻を使用している。タレはほんのりと甘いものの悪くはない。しかし、「肝吸い」はごく普通の美味しさ。(2016年2月追加)