いづう
“鯖寿司”は京都の伝統的料理として広く知られているが、実は2006年のグルメバイブル作成時に、いろいろな有名店で購入したり食べ歩いたことがある。その結果、有名店や専門店と言われる店であればあるほど、酢や塩味がしっかりとしており、まるで古典的な江戸前のコハダ寿司を食べているかのような感覚になる。これは江戸前の技術同様、いわゆる物流の悪かった頃の技術であり、現代ではちょっと締めすぎのような気もするが、これはこれで伝統的な京料理と考えれば納得できるのである。
しかしながら、締め方を抑えた日本料理店の鯖寿司の方がより美味しいというのが僕の結論であり、例えば、「祇園 にしかわ(→ 京都グルメバイブル・日本料理店の頁を参照)」 の鯖寿司などはその最たるものである。そうは言っても、日本料理店はあくまでも日本料理店であり、コースの一部の鯖寿司だけを食べに行くというわけにはいかない。なので、もしも伝統的な鯖寿司を食べたいと思ったらこの店がお勧めである。
店内に入ると、左側にテイクアウトや会計をする帳場があり、右側にテーブル席があるが、15名くらい入れば一杯というくらいの広さである。「いづう」の鯖寿司は伝統に裏打ちされたいわゆるクラシックタイプの鯖寿司であるが、これらの店の中では食べやすい方だ。しかも、酢飯も粒がしっかりとしていて美味しい。ガイドブックにでも載っているのか?最近は中国人客が多いようだ。メニューを見ると鯖寿司「鯖姿寿司」だけでなく、「小鯛の雀寿司」や「鱧姿寿司」、「京ちらし寿司」などいろいろある。しかし、やはりお勧めは「鯖姿寿司」。
出てきた鯖寿司は、かつて食べたものに比べると今回食べた鯖寿司の鯖は小振りで身が薄かったが、これは季節的な影響なのかも知れない。厚めの昆布が巻かれているのでまずは昆布を外し、鯖に塩味がついているので醤油をつけずに食するのが基本である。真丈の入った「お吸い物」を勧められるが、ハッキリ言ってこれはお勧めできない。
京都大丸にも支店があり、この店もテイクアウトはもちろん、その場で食せるイートインコーナーもある。また、「JR京都伊勢丹」や「京都タカシマヤ」などの地下食品売り場でも購入ができる。(2014年9月追加)
東山区八坂新地清本町367
電話番号:075-561-0751
定休日:火曜(祝日を除く)
営業時間:【月曜〜土曜】11時〜22時半、【日曜・祝日】11時〜21時半
予算:鯖姿寿司(1人前・6貫)2430円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。「京都四條南座」、大和大路通(縄手通)を過ぎ、次の角の小路を左折すると右側にある。阪急河原町駅より徒歩5分。
最寄りのランドマーク:京都四條南座、大和大路通(縄手通)
お勧めポイント:京都で最も有名な鯖寿司の店
店員が立っているのが帳場です
テーブル席はこんな感じで狭いです
鯖姿寿司(1人前・6貫)2430円
横断面
昆布を外します
外すとこうなります
お吸い物です