オルトORTO

 烏丸三条から西の路地に入ったところにある小さなイタリア料理店。「ORTO」とは、イタリア語で「菜園」という意味で、この店の料理には随所に旬の野菜が盛り込まれている。このため、この店にはベジタリアンやビーガンメニューもあるという。
 町家をリノベーションしたという店内は、1階は吹き抜けとなっていて白木のカウンター席がある。2階はテーブル席となっており、2名〜12名様までの個室区切りが可能。しかしながら、吹き抜けとなっている2階はどうしても1階の音が反響してしまうため、1階の客の話し声の大きさによっては接待などには向かないことも。ドリンクメニューを見ると、グラスワインは1200円からで、生ビールがあるのがいい。この日はランチに訪れたが、折角なのでディナーコースと同じコースで予約した。
 最初に、「サワークリームを挟んだ黒炭入りビスケット」が出てきた。オレオを模したビスケットは本物よりも硬めで、サワークリームは柚子七味風味。黒色のペーストは黒ニンニクによるもの。「シナモン風味のサツマイモの冷たいポタージュ」自体は、塩味が足りずぼやけた味だが、生イクラには塩味があるのでトータル的には丁度いい。焼き立ての「胡麻のパン」は、表面がカリッとしていて中がふっくらとしている。胡麻の香りは良いが、小麦の香りに欠ける。写真を撮り忘れた「鰻と青リンゴ(ブラムリー)」は、鰻が甘酸っぱいリンゴと合わないわけではないが、ベストマッチとは言えない。店名のオルト(菜園)をモチーフにした「秋分のサラダ」には、洋梨のピューレにローズマリーのジュレとスダチの皮が入っている。野菜そのものは美味しいが、このソースと合うかと言えば微妙だ。むしろ、こんな多くの野菜を混ぜて食べると、それぞれの野菜の美味しさが分からなくなってしまうので、温野菜のようにもっとシンプルでもよいのではないだろうか。「マナガツオのソテー・バターナッツと青ミカンソース」は、マナガツオの火の通り方がミディアムレアで最高だ。キリッと塩味の効いた青ミカンのソースも良かった。「冬瓜と子持ち鮎の自家製フェットチーネ」は、タイのグリーンカレーのような味付けで、これは美味しい!「焼きナスのジェラート・粒ヘシコとキノコのマリネ添えて」は、ジェラートの焼きナス以外は、ほぼ和食と言っても良いくらいの味で微妙だ。「京都で養殖された七谷鴨のフリットとロースト」は、モモがフリット、ロースがローストに調理されており、ピーナッツソースはまあまあ。締めの「鴨カレー」は、スパイシーな辛口のカレー。これはもはや、イタリア料理店のレベルと言うよりもカレー専門店のレベルだ。「台湾ウーロン茶のゼリーと梨」は、梨がシャーベット、すりおろし、角切りといろいろ混ざっていて、サッパリとして美味しい。「イチジクのコンポートとシナモンのジェラート」は、コーヒーで炊いた小豆がアクセントになっている。そして、エスプレッソと小菓子で終了となった。
 どの品も、どちらかというと、味よりも見た目やサプライズ重視の傾向があり、この店にも京都イタリアンやフレンチにありがちな問題が出てしまっている。それにしても、最近のモダンイタリアンやモダンフレンチの店では、コースメニューには素材しか書いておらず、パフォーマンスとして詳細な料理の説明してくれる店が多いが、素材の説明が並列的でダラダラと長すぎ、全く頭に入ってこない。味も含めて、もっと簡潔に料理のポイントを表現できないものかと、いつも思ってしまう。(2019年10月追加)
http://orto-kyoto.jp

中京区衣棚通三条下ル三条町337-2  
電話番号:050-5592-2088
定休日:月曜(不定休あり)
営業時間:12時〜13時、18時〜20時
予算:【ランチ】4500円、5000円、8500円、【ディナー】8500円
アクセス:地下鉄烏丸線、東西線・御池駅6番出口を出て右へ、烏丸通りを四条通方向へ進む。次の三条通り(スターバックス、みずほ銀行)を右折し、「三井ガーデンホテル京都三条」、「京都医健専門学校」を過ぎた交差点を左折すると右側にある。御池駅から徒歩3分
最寄りのランドマーク:三条通り、三井ガーデンホテル京都三条、京都医健専門学校
お勧めポイント:野菜にこだわったコスパの良いイタリアン

烏丸三条から西の路地に入ったところにある・・・ ココです! 2階はテーブル席となっており、2名〜12名様までの個室区切りが可能。しかしながら、吹き抜けとなっている2階はどうしても1階の音が反響してしまうため、1階の客の話し声の大きさによっては接待などには向かないことも 本日のメニューの素材 「秋分のサラダ」に使われる野菜とハーブの一覧 「サワークリームを挟んだ黒炭入りビスケット」 オレオを模したビスケットは硬めで、サワークリームは柚子七味風味。黒色のペーストは黒ニンニクによるもの 「シナモン風味のサツマイモの冷たいポタージュ」自体は、塩味が足りずぼやけた味 しかし、生イクラには塩味があるのでトータル的には丁度いい 焼き立ての「胡麻のパン」 表面がカリッとしていて中がふっくらとしている。胡麻の香りは良いが、小麦の香りに欠ける 「鰻と青リンゴ(ブラムリー)」は写真を撮り忘れ、続く店名のオルト(菜園)をモチーフにした「秋分のサラダ」には、洋梨のピューレにローズマリーのジュレとスダチの皮が入っている 野菜そのものは美味しいが、このソースと合うかと言えば微妙だ。むしろ、こんな多くの野菜を混ぜて食べると、それぞれの野菜の美味しさが分からなくなってしまうので、温野菜のようにもっとシンプルでもよいのではないだろうか 「マナガツオのソテー・バターナッツと青ミカンソース」 マナガツオの火の通り方がミディアムレアで最高だ。キリッと塩味の効いた青ミカンのソースも良かった 「冬瓜と子持ち鮎の自家製フェットチーネ」 タイのグリーンカレーのような味付けで、これは美味しい! 「焼きナスのジェラート・粒ヘシコとキノコのマリネ添えて」 ジェラートの焼きナス以外は、ほぼ和食と言っても良いくらいの味で微妙だ 「京都で養殖された七谷鴨のフリットとロースト」は、モモがフリット、ロースがローストに調理されており、ピーナッツソースはまあまあ 締めの「鴨カレー」 スパイシーな辛口のカレー。これは、もはやイタリア料理店のレベルと言うよりもカレー専門店のレベルだ 「台湾ウーロン茶のゼリーと梨」は、梨がシャーベット、すりおろし、角切りといろいろ混ざっていて、サッパリとして美味しい 「イチジクのコンポートとシナモンのジェラート」コーヒーで炊いた小豆がアクセントになっている エスプレッソと小菓子で終了となった小菓子