サボ SABOT

 

 マスコミへの露出が少なくあまり目立たない店だが、北海道を代表するイタリアンである。今年4月に旧店舗から500mほど離れた現在の店に移転し、リニューアルオープンした。以前の店に比べると、やや広くなって雰囲気も一段と良くなった。店内のガラスやドアなどは、古い家屋を収集しているコレクターから譲り受けたものだという。あたかも、古い家屋をリフォームしたような昭和テイストを感じさせるインテリアで、若い頃にデザイナーであった小池シェフのセンスが遺憾なく発揮されている。
 オーナーシェフである小池シェフの料理は、移転後も絶好調だ。素材、火の通し方、塩味、全てにおいてブレがない。特にフリットが素晴らしく、この日頂いた「フキノトウのフリット」は、中に豚肉とモッツアレラチーズが詰まっており、想像を超える美味しさであった。また、夏にだけ登場する「ヤマベのフリット」は、滅多に出会えない至高の品だ。さらに、「生ハムとルッコラのピザ」はオーブンで焼いたとは思えないクリスピーな美味しさで、他店では味わえない逸品。また、季節毎に変わる旬の食材を使ったスープや前菜の「豚肉と野菜の温かいサラダ・シュンギクソース」、「イタリア産白ウサギのインボルティーニ」なども、頼まずにはいられないオリジナリティ溢れる美味しさ。道外の方なら「ツブ(サザエのような貝)のトマトマリネ」や道内産ウニやカニを使ったパスタやリゾットなどもお勧め。さらに、「三元豚の田舎風パテ」や「トリッパと牛テールのトマト煮」、「旬の魚のカルパッチョ」なども外せない。そして、僕のお気に入りの「ズッキーニのスパゲッティ・トマトソース」も、晴れて裏メニューからレギュラーメニューへ昇格した。このパスタはシンプルなだけに、ストレートにトマトの美味しさが味わえ、小池シェフのスキルの高さを実感できる美味しさである。
 この店では、基本的にアラカルトメニューをシェアして食べるのがお勧めだが、どうしてもコースで注文したいという方には、料理5品とデザートのコースが1コースだけ用意されている。但し、5名以上でコースをいただく場合には、前日までの予約が必要となる。ちなみに、店内は禁煙であり、クレジットカードは使えないのでご注意を。(2015年4月更新)

中央区南5条西24丁目1−1 キネブチビル1階  
電話番号:011-796-6632
営業時間:18時〜21時
定休日:火曜、不定休あり
予算:豚肉と野菜の温かいサラダ・シュンギクソース1200円、コースは5000円(5名以上は前日までの予約が必要)
アクセス:地下鉄東西線・円山公園駅4番出口を出て右へ大通を進み、西25丁目の信号を右折して南へ向かう。愛育病院とエネオスGSの信号を左折するとすぐ右側の建物。地下鉄円山公園駅より徒歩10分
最寄りのランドマーク:愛育病院
お勧めポイント:小池シェフのセンスとスキルを体感できるイタリアン

昼の店の前

夜になるとこうなります

入って右奥にあるカウンター席

カウンター席から入口側のテーブル席を望む

奥のテーブル席

奥のテーブル席はパーティションで仕切られており、6〜8名で利用すると、半個室状態で良い

奥のテーブル席のガラス窓からは厨房が見える

オープンキッチンの前店の狭い厨房とは見違えるように広くなった(小池シェフ)

パスタメニュー

メインメニュー

デザートメニュー

この日のカルパッチョは「にしんのカルパッチョ・茄子とブロッコリーのタルタルソース」

貝(この日はホタテ、ホッキ貝)アボガド、ホワイトアスパラのタルタル

「フキノトウのフリット」は、中に豚肉とモッツアレラチーズが詰まっていて、小池シェフのセンスを感じさせる美味しさ

定番の「あじとキャベツのスパゲッティ」は、塩味でシンプルながら美味しい!

「イタリア産白ウサギのインボルティーニ」も、ウサギとは思えない美味しさ