トラットリア ナッカリーノ

 中標津の街の外れにあるトラットリア。店名はトラットリアであるが、実際はスパゲティー店といった方が正しいかも知れない。というのも、メニューを見ると、サラダがメインの前菜と、パスタ、ピザ、デザートぐらいしかないのである。店内はまるで牧場の納屋のようにガランとしたカントリーなインテリア。ランチタイムには家族連れが多いせいか、カウンター席やテーブル席の他、地方店らしく小上がりまである。ランチタイムにはセットメニュー(3種のスパゲティーから1品+飲み物+ミニデザートもしくはサラダ)があるため、かなり混み合う。また、ある日のディナータイムに子供がカウンターで勉強していたところを見ると、恐らく家族でやっているのであろう。
 メニューを見るとパスタの数が凄い。この日は日替わりが8種(ランチタイムは3種)とレギュラーメニューが15種類、計23種類あった。前菜の「上富良野産ポークのサラダ 鶏レバーのパテ添え」は、鶏レバーのブルスケッタと豚肉のグリルがのったサラダで、1人では食べきれないほどのボリューム。鶏レバーのブルスケッタはイマイチだったが、豚のグリルや野菜サラダは美味しかった。地元に勤務している田邊先生によると、この店はトマト系ソースが美味しいということで、「アマトリチャーナ」も注文。自家製ベーコン(パンチェッタではない)を使用しており、火の通し方もアルデンテでトマトソースも良かった。田邊先生のお勧めは、ニンニクやアンチョビの入ったトマトソースにツナとキノコが入った「ボスカイオーラ」。そして、田邊先生の奥さんのお勧めは、自家製スモークサーモンをクリームソースで和えた「スモークサーモンのトマトクリームソース」。クリーム系パスタはどちらかと言えば好みでない僕だが、確かにトマトの酸味がスモークサーモンと絶妙に合うのである。従って、「スモークサーモンのトマトクリームソース」は僕の一押しでもある。「粗挽き肉の自家製ミートソース ビアンコ 黒胡椒風味」は、塩味の挽肉にブラックペッパーがピリリと効いてこれも最高に美味しい。「鰯と長葱のスパゲティー」は、鰯と長葱の香りが一体となっており、これも素晴らしい逸品。どうやら、この店はトマトソースだけでなく、塩味のスパゲティーもかなり美味しいようだ。
 デザートの「杏仁豆腐」は食感がちょうど良く、爽やかなライチシロップとも良く合っていて美味しい。また、「ミルクジェラート」は、練乳風味のミルキーでサッパリとした味。含気量が少なく、まるでアイスミルクのようなザラッとした舌触り。プレーンの他、ベリーソースやカラメルソース、チョコソースをトッピングできる。一方、「紫芋のカタラーナ」はごく普通。
 トラットリアと考えれば多少物足りない感じもするが、スパゲティー店と考えれば間違いなく北海道トップクラスである。ランチタムは混み合い、出てくるのに時間がかかることも。ちなみに、この店の客は喫煙率が高いだけに禁煙でないのが唯一残念である。(2013年10月追加)

中標津町東中2-10   
電話番号:0153-73-5901
定休日:水曜、第3木曜
営業時間:11時〜13時半、17時〜19時半
予算:ボスカイオーラ1380円、スモークサーモンのトマトクリームソース1280円、ランチセット1350円
アクセス:中標津空港から車で6分。
最寄りのランドマーク:もりたセレモニーホール
お勧めポイント:スパゲッティーが美味しいトラットリア