バロン Bar ON

 京都の「カルバドール(→ 京都グルメバイブル・バーの頁を参照)」の店主・高山さんに教えていただいた店。バブル時期にできたビルなの?と思わせる外観の建物の1階にある。この店はハイランドを中心としたモルトウィスキーが600種類、コニャックを中心としたブランデーが300種類、50〜60年もののジンなどが揃う蒸留酒専門のバーである。店内にはピアノのメロディーが静かに流れ、なかなかの雰囲気である。開店して今年でおよそ20年を迎えるらしいが、未だに食べログで点数が付かないほど、知る人ぞ知るマニアックな店なのである。
 この店のウィスキーの凄いところは、ほとんどが加水調整されていないシングルモルトであるということ。さらに、ウィスキーにせよ、ブランデーにせよ、同じ銘柄の異なるヴィンテージを数種類以上取り揃えていること。しかもオールドヴィンテージであるため、かつての酒税法に則って、懐かしい「特級酒」のマークが張られているものが多い。時代と共にこの「特級酒」のラベルのデザインが微妙に異なっており、マスターの説明を聞きながら眺めるのもいい。また、瓶の横には値段の書かれたラベルが張られており、数字×100円の明朗会計なのである(40なら4000円ということ)。この店で最も古いブランデーは1818年もので、特に「A. E. DOR」のブランデーの品揃えは圧巻である。また、「Old Parr」はかつての宰相・吉田茂が愛したことでも知られるが、その頃のヴィンテージは確かにトロ〜リと甘く美味しい。銀座でオールドヴィンテージの蒸留酒と言えば、静岡市に本店がある 「ブルーラベル」 が有名であるが、「ブルーラベル」と比べてみてもこの店の方がコスパはいい。また、この店のワンショットは他店より多めなのでハーフサイズにしてもらい、チェイサーと共にストレートで色々と頂くのがお勧めである。
 この店は、マスターの趣味の店と言いきっても良いくらいの品揃えである。それゆえ、カウンター席の後には棚に入りきらないお酒が置かれているが、これでは折角の雰囲気が台無しである。これで荷物が置かれていなければ、3つ星店にしても良いくらい素晴らしい店だ。ちなみに、この店は店主が1人だけでやっているため、大人数には対応出来ない。しかしながら、マスターのうんちくを聞きながら旨い蒸留酒で一杯やるのは乙なもの。(2014年4月追加)

中央区銀座7-7-6 銀座アスタープラザビル1階  
電話番号:03-5568-0502
定休日:日曜・祝日
営業時間:18時〜24時(およその目安)
予算:シングルモルト1000円〜(オールドヴィンテージの中心はワンショット4000円前後)
アクセス:東京メトロ(銀座線、丸ノ内線、日比谷線)銀座駅A2番出口を出て直進し、2つめの「フェラガモ」ある交差点を右折。右側に「交詢ビルディング」を見ながらの2つめの交差点を左折するとすぐ左側。東京メトロ銀座駅(4丁目交差点)から徒歩3分。
最寄りのランドマーク:交詢ビルディング
お勧めポイント:オールドヴィンテージのモルトウィスキーが飲めるマニアックな店