ラーメン 木曜日

 昨今の全国的な“煮干しラーメン”ブームは、ついに札幌まで押し寄せてきた。しかし、どの店のラーメンも煮干し特有のエグ味が前面に出てしまい、バランスが悪く成功を収めていない。その中でも、この店は「らーめん 侘助」以来、久々に登場した超新星である。店内はL字型のカウンター席のみで、カウンターは通常のラーメン店よりもかなり高めだ。 
 この店のお勧めは「煮干し正油」。まず最初に感じるのは、「らーめん 侘助」を彷彿させるような麺の素晴らしさ。キレとコシのある自家製中細ストレート麺で、全粒粉なのか?麺の中にツブツブとした粒子が見える。希望すれば、麺は手もみの縮れ麺にも太麺にも変更してもらえるが、通常の中細のストレート麺の方が絶対にいい。スープは煮干しの風味が全体を支配しているものの、決して出すぎておらず、豚と鶏で丁寧にとられた動物系スープと絶妙なハーモニーをみせる。とても洗練されていてあまりにスープが美味しかったので、僕は小ライス(小でも多いので極小ライスで十分)を注文し、おじやの様にして完食してしまったほど。トッピングの味付け玉子も中がトロトロで、2枚入っているバラ肉のチャーシューもしっかりとした味付けされたシナチクも美味しい。トッピングのチャーシューは100円で3枚をバラとモモの2種類から選べるが、バラが圧倒的にいい。さらに、スープを吸い込んだ厚めの麩がこれまた美味しい。その上、価格は何と500円のワンコインで、煮干し好きには「追いにぼし」の追加が無料でできるというオマケ付き。煮干しの風味が苦手という方には「正油」もいい。これに対し、「煮干し塩」の方は煮干しの負の面が強調されてしまっていてお勧めできない。また、「つけ麺」は太麺かと思いきや、通常のラーメンと同じ中細麺で、悪くはないがどうしても物足りなさを感じてしまう。
 店の前には3台分の駐車スペースしかないが、近くにはコインパーキングがたくさんあり、そちらに駐車した場合はその旨を店主に告げると、「味玉」か「麺の大盛り」、「チャーシュー1枚増」のいずれかをサービスしてもらえる。現在は未だかなり空いているが、いずれ繁盛店になることは間違いないと思う。また、通し営業なので行きたいときに行けて、とてもユーティリティーが高い店である。(2013年5月追加)

中央区南8条西13丁目3-35  
電話番号:011-563-6525
定休日:日曜 
営業時間:11時〜16時半(土祝日は11〜15時) 
予算:煮干し正油500円、正油500円 
アクセス:札幌市電・西線9条旭山公園通電停で降り、左角に「北海道ハイヤー会館」のある菊水旭山公園通を右折。右角にレンガ色のマンションが見える信号を左折するとすぐ右側。 
最寄りのランドマーク:北海道ハイヤー会館 
お勧めポイント:「らーめん 侘助」と並び、北海道“煮干しラーメン”のツートップ