閉店 中華料理&居酒屋 むぎた
最近、ラーメン屋の延長線上にある本格派を気取らないB級中華「街中華」がフードジャンルとして確立し、グルメ番組でも取り上げられるほど一部のファンに人気がある。そのジャンルで、間違いなく北海道トップであろうと思われる店を見つけたので、今回紹介したい。
その店とは、網走にある中華居酒屋ならぬ「中華料理&居酒屋」である。中華居酒屋は札幌でもたまに見かけるが、「中華料理&居酒屋」というのは見たことがない。店舗は繁華街にある古いビルの1階にある。外観は地方によくある居酒屋風で、決して僕が一見で入ろうと思うような雰囲気ではない。しかしながら、僕の乗ったタクシーの運転手があまりにも勧めるので、今回訪問することに・・・。
店内は入口側に狭いカウンター席があり、奥に小上がりのテーブル席が2つある。運転手からは人気だとは聞いていたが、確かに常連で常に満杯のようだ。なので、初めて行く場合には予約が必要な店かも。カウンター内では、年配の親父さんがフライパンを振り、サービスは気風のいい女将さんと、初々しい東京農大生のアルバイトが担当している。
メニューを見ると、中華料理メニューと刺身などの純和風の居酒屋メニューの両方があり、こんなのあり?と思えるくらい不思議な感じがする。しかし様子をうかがっていると、客が注文する品のほとんどは中華料理なので、居酒屋メニューは特になくてもいいのでは?と感じた。
僕のお勧めは、何と言っても北海道ナンバーワン、いや全国トップクラスの美味しさと言っても過言ではない「焼餃子(焼き餃子)」。全国の焼き餃子を食べ歩いた僕が、実際、北海道で本当に「旨い!!」と思えたのはこの店だけである。大きさ、焼き方、皮の薄さと餡のバランス、どれをとっても最高なのだ。餃子は適度な大きさであることが重要で、ジャンボ餃子などは論外である。しかも、片面がムラなくカリッと焼かれ、噛むと肉と野菜のジューシーかつコクのある旨味が溢れ出すことが肝心だ。この店の焼き餃子はそれを正に実現しており、生ビールと共にエンドレスで食べていたいほどの美味しさである。
僕が街中華の名店と言うからには、焼き餃子以外の料理も押し並べて美味しい。前菜であれば、「麻辣魷片(イカの湯引き麻辣風味)」、「香味鶏肝(鶏砂肝の香味ソース)」、「雲白肉片(ゆで豚の四川風甜麺醤ソース)」の3つがお勧めだ。どれもが四川料理なので、もしかすると、ご主人は四川料理が専門なのかもしれない。炒め物であれば、「宮保鶏丁(鶏肉とカーシュナッツのピリ辛炒め)」や「炒八宝菜(ハッポウサイ)」、「芙蓉蟹(カニ玉)」、「回鍋肉片(ホイコーロー)」、「麻婆豆腐(マーボードウフ)」など。ご飯ものであれば、「什景炒麺(五目あんかけ焼きそば)」や「什景飯(五目あんかけご飯)」がいい。
それにしても、野菜以外の素材は冷凍ものが多く、本格的な中華とも言いがたいが、ローカルな「街中華」の店として考えれば、化学調味料に頼らない素晴らしい店である。また、日曜日も営業しており、夜遅くまで使える点もいい。これで、店内が禁煙であればパーフェクトなのだが。(2018年3月追加)
網走市南三条西1丁目 第1司ビル1階
電話番号:0152-44-8021
定休日:月曜、火曜
営業時間:17時〜24時
予算:麻辣魷片400円、香味鶏肝450円、雲白肉片600円、焼餃子400円、芙蓉蟹800円、什景炒麺800円
アクセス:網走セントラルホテルの裏通りにあるビル
最寄りのランドマーク:網走セントラルホテル、網走バスターミナル
お勧めポイント:北海道ナンバーワンの焼き餃子が食べられる店
網走セントラルホテルの裏通のこのビル
1階にあります
外観は地方によくある居酒屋風のココです!
店内は入口側に狭いカウンター席があり、奥に小上がりのテーブル席が2つある
壁のメニューには、居酒屋メニューの他に、本格中華店でしか見かけない「紅焼排翅(フカヒレの姿煮)」が・・・
中華メニュー1
中華メニュー2
居酒屋メニュー
ドリンクメニュー
北海道ナンバーワン、いや全国トップクラスの美味しさと言っても過言ではない「焼餃子(焼き餃子)」。全国の焼き餃子を食べ歩いた僕が、実際、北海道で「旨い!!」と思えたのはこの店の餃子だけだ!
大きさ、焼き方、皮と餡のバランス、どれをとっても最高。餃子は適度な大きさであることが重要で、ジャンボ餃子などは論外である。しかも、片面がムラなくカリッと焼かれ、噛むと肉と野菜のジューシーかつコクのある旨味が溢れ出すことが肝心。この店の焼き餃子はそれを正に実現しており、生ビールと共にエンドレスで食べていたいほどの美味しさ
「麻辣魷片(イカの湯引き麻辣風味)」
冷凍イカとは思えないほど火の通し方が絶妙で、シャキシャキとしたキュウリと痺れる花山椒がよく合う。これに生姜が加わるバージョンもある
「香味鶏肝(鶏砂肝の香味ソース)」
酢醤油と山椒の相性が抜群で、砂肝も冷凍物とは思えない美味しさ。時よって味が付けが微妙に変わり、バリエーションがあるようだ
「雲白肉片(ゆで豚の四川風甜麺醤ソース)」
本格的な四川料理店で食べるものよりも辛くなく、この店オリジナルの甘めのソースがクセになる
「麻婆豆腐(マーボードウフ)」
花山椒の辛さが程よく、牛挽肉と豆豉の深いコクが後を引く。全てが素晴らしいバランスとなっていて、見た目よりもかなり美味しい
「回鍋肉片(ホイコーロー)」
大きめの豚バラ肉が印象的。銀座の人気店「趙楊」のような、甜麺醤の甘みがあまり突出していないバランスのとれた本格的な美味しさ
「宮保鶏丁(鶏肉とカーシュナッツのピリ辛炒め)」。野菜や鶏肉、全ての火の通り方、塩味は完璧だ
「青椒牛肉絲(チンジャオニュウロース)」
麻婆豆腐もそうだが、この店は豚肉ではなく牛肉を使用しているので、味に深みがある。もう少し肉の切り方が太めにした方が僕好み
「乾焼蝦仁(エビのチリソース煮)」のエビは大ぶりでプリッとしていて美味しいが、「蝦仁沙律(エビマヨ)」はイマイチだ
「芙蓉蟹(カニ玉)」
酢の酸味が前面に出ていないタイプなので、トロッとした玉子と蟹の旨味が感じられる美味しさ
「紅油水餃(四川風水餃子)」は普通
「糖醋肉塊(中国黒酢のすぶた)」
見た目通り、普通に美味しい
何故かこの店の人気メニュー「むぎた風ステーキ」
クラシックな甘めのバターニンニク醤油味なので、年配客受けするのかも
「蟹肉炒飯(カニチャーハン)」は普通
「天津叛(テンシンハン)」は美味しい
「什景炒麺(五目あんかけ焼きそば)」はお勧め!