京 上賀茂 御料理秋山
京都北山の住宅街にひっそりとある日本料理店。この店は古民家を改装したのであろうか?まるで古い農家のような佇まいである。裏は山になっており、虫の囁きが聞こえてきて何とも言えない風情がある。店の中へ入ると、まずは右横の囲炉裏の小部屋に案内される。そこで待っている間に、夏は冷たいドクダミ茶が供される。スタート時間の午後6時半を過ぎると席に案内され、客全員がほぼ一斉のスタートとなった。この店はオープンキッチンのカウンター席が12席のみと、建物から想像できないくらいの狭さである。店主の秋山さんは未だ若いが、同世代の 「前田(→ 京都グルメバイブル・日本料理店の頁を参照)」 の店主と共に、次世代の京都日本料理を担う料理人である。
彼の料理は、ともかく美味しいものを食べさせたいという想いが伝わってくる。その手法は、 「祇園 さヽ木(→ 京都グルメバイブル・日本料理店の頁を参照)」 の店主にかなり近いものを感じる。まずは店主が大きな声で料理の説明をし、それを聞きながら客が料理を楽しむという劇場型の手法なのである。しかし、料理に対するアプローチの仕方は異なっており、最も大きな違いは日本料理というものに対する考え方の違いであろう。同じ美味しいものを出すとはいっても、佐々木さんは日本料理という枠に捕らわれずに中華や洋風などもありなのに対し、秋山さんはあくまでも日本料理という枠の中でトコトン追求していくタイプである。厳選されたいろいろな素材を使い、それを緻密に組み立て、そこにはサプライズも仕掛けられているのである。例えば、この日の最初の刺身の中で利尻産のバフンウニを出し、後で淡路島由良産の赤ウニを再び出したり、巨大穴子を鱧のように骨切りして料理したりといった具合。また、メインのコース料理の間に出されるつまみのような小料理もアクセントがあっていい。そして、薪で炊かれた銀シャリがこれまた美味しい。パリパリのお焦げもよそってもらえるので、お替わりをする際には是非リクエストしたい。
ちなみに後で気がついたことだが、午後6時半にスタートして終わったのが10時であったので、計3時間半食べ続けたことになる。しかしながら、その長さを感じさせないくらいの至福の時間だった。(2014年9月追加)
北区上賀茂岡本町58
電話番号:075-711-5136
定休日: 水曜、月末の木曜
営業時間:12時〜、18時半〜
予算:【昼】4200、【夜】8000円、10000円、12500円
アクセス:地下鉄烏丸線・北山駅2番出口からタクシーでワンメーター
最寄りのランドマーク:北山駅、鞍馬街道
お勧めポイント:京都若手トップの料理人が作る至高の料理
まずはここで待ちます
冷たいドクダミ茶
12500円のコースの最初は生のカボチャやイクラの入った酢の物だったかなあ
タコと梨の柚コショウ味
お椀は出汁が深くて最高!!サワラのつみれに中秋の名月を意識した「ん」が2回付く素材「万願寺唐辛子」、「南京カボチャ」、「インゲン豆」、「銀杏」、「レンコン」
お造り・左から「利尻産バフンウニ」、「太刀魚の炙り」、「大穴子の刺身」、「モミジ鯛(真鯛)」
追加で出てきたフリットしてクリーミーで上質な「淡路島由良産の赤ウニ」
追加で出てきた穴子の皮目焼きだったかな?
追加出てきたノドグロの塩焼き
黒米のお粥
こちらも中秋の名月を意識した「鯵とツルムラサキとしば漬け」、「海老の白和え」の2品
鮎の塩辛・うるか
天然鮎の干物・餅米と餡かけ
にしん素麺
松茸と鱧のタマネギ鍋(沖縄レモン・シークワッシャーを絞って食べる)
竈で薪で炊かれた銀シャリ
1杯目は銀シャリ
お替わりはお焦げ
水菓子はフルーツの盛り合わせ
フルーツホオズキ
食後は再び囲炉裏でお菓子と抹茶を頂く
店主の秋山さんがお薄を立てる