元祖 小いけ 

 小路を少し入ったところにある小さなカレー店。この店の創業は昭和23年と言うから凄い。すぐ近くの表通りには、この店から分かれた「印度カレー 小いけ本店(お土産店でレトルトカレーを販売している店)」がある。僕がよく通っていた学生の頃はこの「元祖 小いけ」の方しかなく、この店こそ古くから続く店なのである。店内に入ると中央には丸く大きなカウンター席が、そして右側には縦長のカウンター席があり、さらに左側にテーブル席がある。久しぶりに訪れてみると、店内の雰囲気は昔と全く変わっておらず、40年前と比べて唯一変わっていた点と言えば、メニューに「チキンステーキカレー」が加わったことくらい。なので、新しく現代的な造りの「印度カレー 小いけ 本店」とは、メニューも含めて異なっているのである。 
 この店の名物と言えば、言わずと知れた「カレー」と「カツ丼」である。「カレー」は、カレー粉をじっくりと炭火で長時間炒めて作られているらしく、とてもスパイシー。少し粉っぽい独特の香りがインパクトを感じ、また忘れた頃に食べたくなるようなクセのある美味しさである。辛さは選べず、辛口相当の辛さだ(CoCo壱番屋の2〜3辛くらい)。 
昭和のカレーらしく、通常の「カレー」は丸く型押しされたライスとルーが別盛で出される。一方、「カツカレー」は予めルーがかけられて出されるため、もしもお腹に余裕があれば別盛になった「大カツカレー」がお勧めである。カツは薄いため歯通りが良く、細く切られているのが特徴。また、このスパイシーで独特なカレーには、何故か福神漬けよりも紅ショウガの方が合うので、是非お試しを。さらに、店内では、お持ち帰りのカレールー(そのままと冷凍の2種類がある)が販売されている。
 一方、「カツ丼」は「カツカレー」のカツと同様に、細く切られた薄めカツを使用している。多少甘めの味付けで、玉葱の他、細かく刻まれた椎茸や筍が入っている。卵トロトロでカツが厚めの現代的なサクッとしたカツ丼とは対極にあり、シットリと薄いカツが昭和の哀愁を感じさせる。凄く美味しい!と言うほどではないが、実にオリジナルティのあるカツ丼である。(2014年3月追加)

函館市宝来町22-4  
電話番号:0138-23-2034
定休日:無休(正月を除く)
営業時間:11時〜20時半(火曜日は11時〜14時半)
予算: カツカレー890円(大カツカレー990円)
アクセス:函館市電・宝来町電停を降りて線路に沿って高田屋通方向へ進む。「印度カレー 小いけ 本店」横の小路を入ってすぐ右の黄色い建物。宝来町電停から徒歩2分。
最寄りのランドマーク:チサングランド函館
お勧めポイント:スパイシーなルーで味わう昭和のカツカレー