十勝豚丼 いっぴん 帯広本店

 「豚丼」は昭和初期にその原型が生み出され、50年くらい前から十勝地方の食堂メニューとして登場した。食べログで調べてみると、十勝エリアの写真付き店舗で豚丼メニューを確認できたのは42軒。なので、間違いなくそれ以上の数の豚丼を出す店があり、これほどローカルフードとして根付いているとは驚きである。初めは鰻の蒲焼きをイメージした代用品だったのかも知れないが、豚肉という異なった素材と甘タレが組み合わさることで別次元の美味しさとなり、確かに一度食べるとクセになる味である。実はこの本店は、帯広市郊外にある人気の豚丼店で、何故か帯広にはこの店しかない。これまで僕は、元祖と名乗る店も含めて、数々の帯広豚丼店を食べ歩いてきたが、僕は「十勝豚丼 いっぴん」が最も美味しいと思う。この「帯広本店」の他に、札幌に 「札幌北10条店(→ 札幌グルメバイブル・北海道料理の頁を参照)」 、「札幌ステラプレイス店(→ 札幌グルメバイブル・北海道料理の頁を参照)」 、「札幌手稲店」、「札幌東雁来店」、「札幌平岡店」などがある。
 この本店は郊外店らしく駐車場が広く、豚丼専門店とは思えないくらいの大箱店だ。僕がよく行く「札幌北10条店」と違って調理場が丸見えのオープンキッチンとなっており、それを取り囲むようにカウンター席とテーブル席が配置されている。
 「十勝豚丼 いっぴん」の特徴は何と言っても、細かくオーダー出来ること。例えば、一般に十勝の店では、一口サイズにカットされた豚肉を1枚1枚焼くのが普通であるが、この店は大きめのロース肉を焼いてからカットしている。なので、肉の大きさを注文することができるのだ。肉のカットの仕方は何も言わなければ「普通」となり、他に「小さめ(お勧め)」、「大きめ」、「カットなし (ミニステーキ状態)」の計4タイプある。また、ドンブリにかけるタレの量は通常の他、「なし」、「少なめ」、「多め」に変更できる。もしも、途中で食べ飽きたら、山椒や七味、コショウなどのスパイスをかけて食べれば、さらに味にバリエーションが生まれる。さらに、メニューは肉の量とご飯の量によって、「特盛り(肉1.5倍・ご飯普通)」、「特特(肉1.5倍・ご飯大盛り)」、「大盛り(肉普通・ご飯大盛り)」、「ハーフ(肉半分・ご飯少なめ)」、「ハーフ大盛り(肉半分・ご飯普通)」、「豚丼ご飯少なめ(肉普通・ご飯少なめ)」に分かれているといった具合。
 「味噌汁」と「豚汁」は、栃木県産の無添加味噌を使っており、煮玉子が半分入っている。「豚汁」は普通に美味しいので、「豚丼」と一緒に注文してもいい。しかし、デザートの「もちもち杏仁豆腐」だけはお勧めできない。ちなみに、店で使用している豚丼のタレは甘さが絶妙で、香ばしく焼かれた豚丼にマッチしている。これは、ジンギスカンのタレメーカー「ソラチ」が、低温熟成させて作っているもので、各店の店頭でも販売している。北海道土産としてお勧めである。試したことがないが、下記ウェブ上で「十勝豚丼の具」のレトルトも販売している。(2015年3月追加)
http://www.konnanodo.com/shop/ippin/

帯広市西21条南3丁目5番地  
電話番号:0155-41-1789
定休日:無休(元旦のみ)
営業時間:11時〜21時
予算:特盛り豚丼980円、豚汁200円 
アクセス:JR帯広駅から車で10分
最寄りのランドマーク:MEGAドンキホーテ西帯広店
お勧めポイント:北海道ナンバーワンの豚丼店

このロッジ風の建物が「十勝豚丼 いっぴん 帯広本店」です

キッチンが丸見え状態のカウンター席

メニューは札幌店と共通

僕の定番の「特盛り豚丼(カット小さめ)」と「豚汁」の組み合わせ