大匠門

 深夜にホテルに到着した僕らの“この時間にビールが飲めて美味しい店はどこ?”というリクエストに対し、ホテルマンが教えてくれたのがこの店。店内はドアが開け放たれ、外にもテーブル席がある。店内のインテリアは中華料理店としてはミスマッチとも思える葛飾北斎の浮世絵をオマージュした壁画と、天井にはレーザービームが揺れ動く。さらに、BGMにレディ・ガガや少女時代といったポップミュージックが大音量で鳴り響く。初めて訪れたら、この店本当に美味しいの?と疑いたくなるような微妙な雰囲気であるが、若者には結構人気があるらしく、深夜まで賑わっている。
 この店でいろいろな食べた結論としては、この店は炒め物と揚げ物が旨い!というのが僕らの一致した見解。メニューは中国語のメニューのみで、店員は日本語も英語も話せないが、メニューが漢字なので何となく通じるのである。とにかく、メニューの中のお勧めマークが付いたものを注文すればまず間違はいない。メニューはどれも一皿300〜400円くらいと格安で、先ずは地元のビール「金牌(Gold Medal)台湾啤酒(ビール)」を注文すると、お通しとして豚の耳の和え物「猪耳朶」が出てきた。後で追加注文した「青島啤酒(ビール)」や「ハイネケン」よりも、むしろ「金牌 台湾啤酒」の方が飲みやすくて美味しかった。地元客を観察していると、飲み物を勝手に冷蔵庫から取り出しては飲んでいる。聞けば、この店のようにサービス料を取らないB級料理店では、客が勝手に取り出して飲むというセルフサービスシステムをとる店が多いのだそうだ。
 注文を取りに来た店員は僕らが日本から来たと知り、刺身を勧めてくれたが、ガイドに載っていない店という不安もあったのでひとまずはパス。店員のお勧めとお勧めマークが付いた品からチョイスした。「金沙豆腐」はゴマの風味?の塩味の豆腐で、外側がカリッと揚げられ、中がトロッとしていてビールのつまみにピッタリで、これはお勧め!「鹹酥龍珠」は味付けが「金沙豆腐」と似た魚の切り身の揚げ物で、これもまた美味しい。「宮保雞丁」は唐辛子の効いた鶏の炒め物で、「火爆溪蝦」は蝦の唐揚げの辛子ニンニク炒め。この4つが今回2回通って食べた数々の料理の中で最もお勧めだ。この他に、「徳國猪脚」は豚の脚を煮て更にコンガリと焼いたもので、これもまあまあ美味しい。締めにはカキのビーフン(食感はビーフンと言うより素麺に近い)「蚵仔麵線」がお勧め。今回僕らは試すことが出来なかったものの、他の人のブログ上のお勧めとしては、「椒鹽鮮蝦(蝦のスパイシー揚げ)」、「月亮蝦餅(蝦入り焼き餅)」、「葱爆牛肉(牛肉と葱の辛子炒め)」、「炒山蘇(山蘇という野菜の炒め物)」、「蛤蜊絲瓜(アサリとヘチマの炒め)」、「油條酥(油揚げの中に海鮮素材が入ったような揚げもの)」、「脆皮肥腸(ホルモンのカリカリ揚げ)」など。まるで家庭料理のように決して高級な味はしないが、ビールを飲んでたらふく食べるB級台湾グルメと考えれば十分お勧めできる。それにしても、僕らが食べていると、物売りのおばさんが勝手に店の中に入ってきて、いろいろな物を売りつけるのには驚いたなぁ〜。(2013年9月追加)

高雄市新興區復興二路145号  
電話番号:07-281-8828
定休日:無休?
営業時間:17時〜翌2時
予算:宮保雞丁100元、金沙豆腐120元
アクセス:高雄MRT紅線・(捷運)中央公園站から800m
最寄りのランドマーク:寒軒國際大飯店
お勧めポイント:炒め物と揚げ物が旨いB級台湾中華