山嵐天上天下龍我独尊

 石山通に沿いの“藤野エリア”は、“澄川・平岸エリア”と並ぶラーメン激戦区。この石山通沿いに、昨年 「山嵐(→ 札幌グルメバイブル・ラーメンの頁を参照)」 の2番目の支店(正確には1店閉店したので3番目の支店)が出来た。この店の特徴は、本店の「山嵐」と昼・夜2つの顔を持つ1番目の支店「山嵐黒虎(昼)・山嵐雷文(夜)」、そして閉店した「札幌ちゃんぽん 股旅」の3店のいいとこ取りと言おうか、集大成を味わえる店なのである。それはメニューを見れば一目瞭然で、「山嵐」を代表するラーメン「白スープと海スープ(この店では豚骨らーめんと三代目 海)」、「山嵐雷文」の「あぶら中華そば」、そして「札幌ちゃんぽん 股旅」の「札幌ちゃんぽん(この店では豚骨タンメン・白タン)」と「サンギ(この店では藤野ザンギ)」をそれぞれオマージュした進化形が味わえるのだ。外観は黒っぽい現代的なデザインで、テーブル席が2つとゆったりとした間隔のカウンターが6席ある。店内にはジャズが流れていて、モダンなラーメン店である。先ずは食券機でラーメンを選び、席に着く。 
 本店の「海スープ」は、「白スープ」に魚粉が入ったような味であるが、この店の「三代目 海」は、魚粉を用いずに鰹節(本枯れ節)と黒いマー油(焦がしニンニク油)を用いている。また、本店が太麺を使用しているのに対し、この店の麺は 「men-eiji HIRAGISHI BASE」 を彷彿させるコシのある中細ストレート麺なのである。全体的なイメージとしては、「山嵐」のラーメンを熊本ラーメン風に進化させたものと考えれば分かりやすい。ちなみに、この「三代目 海」が僕の一押しである。「豚骨らーめん」にもマー油が入っており、麺は同じ中細ストレート麺でなかなか良い。 
 「豚骨タンメン・白タン」は、前述のようにどこかで食べた味だと思ったら、「札幌ちゃんぽん 股旅」で食べたあの味そのもの。白湯トンコツスープ(恐らく海のスープ)に、炒められた白菜やキャベツなどがタップリ入った豚骨タンメンなのである。麺は「さがみ屋製麺」の太麺を使用している。野菜炒めの油が円やかなスープに微妙にマッチしていない気もするが、全体的にはまとまっていて美味しい。これに対し、「白タン」にタップリの赤唐辛子が入った「赤タン」は、「白タン」の違和感を上手く補っており、これも僕のお勧めである。辛さはそれほどではなく中辛程度。「札幌ちゃんぽん 股旅」のザンギは通常のザンギだったが、この店の「藤野ザンギ」はかなり大ぶりだ。ジューシーで美味しいが、外側の衣が硬く、お勧めと言うほどでない。そのままでも十分味が付いているが、特製タレをかけて食べると、中華の「油淋鶏(ユーリンチー)」のような別な味となる。

 「あぶら中華そば」は、通常の「正油」と生卵入りの「月見正油」がある。「山嵐雷文」との最も大きな違いは、具が全て別盛りにされていること。まずは麺と背脂入りスープだけの素ラーメンで味わってほしいという意図なのだろうか?煮干しと鰹節の香りがする繊細なスープなので、生卵入りでない方が美味しいと思う。深夜まで営業しており、ニセコ・定山渓方面へ行くときには是非寄って食べたい店だ。(2013年1月追加)

南区藤野3条2-1-52  
電話番号:011-592-0005
定休日:月曜 
営業時間:11時半~15時、17時~22時(スープなくなり次第閉店)
予算:三代目 海750円、赤タン850円 
アクセス:札幌中心部から国道230号線石山通を定山渓方面へ向かう。藤野の「スターバックス」、「マックスバリュ」を過ぎて200mほど進み、左側にマクドナルドの広告を過ぎたら左側にある。札幌中心部から車で約30分。 
最寄りのランドマーク:マックスバリュ
お勧めポイント:山嵐系列の集大成を味わえる店

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三代目 海



豚骨らーめん



白タン

赤タン

藤野ザンギ



月見醤油・あぶら中華そば