閉店 旬味 粋彩

 江別にあるクラフトビール会社「ノースアイランドビール」が経営する薄野にある和食店。今年の7月で2年目を迎える。料理は完全予約制のコースのみで、ランチ営業はしていない。料理長はモンゴル人であり、大阪の「味吉兆」出身のガルバトラフさん。外国人ながら日本料理の基本をしっかりと押さえており、真面目で素晴らしい料理人である。
 古いビルのエレベーターを下りると、周りとは異なる目新しい店舗が目の前に。白を基調とした落ち着いた店内は、左にカウンター席が8席、右側に4名と2名用のテーブル席が1卓ずつある。飲み物のメニューを見ると、ノースアイランドビールの樽生が2種類(ビルスナーとブラウンエール)と瓶ビール(ヴァイツエン、IPA、コリアンダーブラック、季節限定)が4種類以上あり、この他に日本酒がいろいろとある。
 吉兆系のコースなので、まずは「おしるし(食前酒:日本酒)」からのスタート。先付けは「アスパラやウニ、花ワサビなどが入ったワサビのジュレがけ」で、実に洗練された美味しさ。お凌ぎは「焼きカラスミと空豆の飯蒸し」。ネットリとしたご飯に、香るカラスミと空豆の甘さがマッチしている。「インゲン豆腐のお椀」には、白魚やコゴミなどが入っていて、出汁の引き方は吉兆よりも濃いめである。柚子皮の代わりに花柚子が入っているが、花柚子は香りに乏しい割には噛むと苦みがあるので、香りを加えたいのなら柚子皮の方が良いかも。「お造り」は、イサキの焼きカラスミ和えと藁で燻した初鰹のたたき、ボタン海老。鰹のたたきは、初鰹とは思えないくらい脂がのっていた。イサキには弾力があり、カラスミとの塩加減も絶妙。「八寸」はまずは分けずに盛りつけられ、吉兆系の華やかさを演出してくれた。焼き物は、「サクラマスと蕗のとうのソース」。脂がのったサクラマスはジューシーで、フキノトウの苦味との相性も抜群。煮物の「土佐煮」は、ワカメに少し火が入りすぎていて緑色が色あせていたが、筍はシャキシャキと香り高かった。締めの「桜エビの土鍋ご飯」は、炊き上がったご飯に、直前に素揚げされた桜エビが混ぜられている。塩加減も炊き方も申し分なく、桜エビのカリッとした食感や香りが素晴らしかった。これに、店主こだわりの焼きたての「出汁巻き玉子」と「茄子の赤だし」、香の物が付く。最後の水菓子は「サクラわらび餅」で、わらび餅の食感が残念ながらやや硬めだった。
 味付けは全体的に吉兆系よりも濃く、現時点での1.5星くらいの評価だが、コスパが非常に良いことと、若い料理長に今後の伸び代が感じられることを鑑み、2つ星とした。(2020年4月追加)
https://northislandbeer.jp/suisai/

中央区南3条西3丁目5-2 都ビル6階  
電話番号:011-215-0323
定休日:日曜
営業時間:17時〜23時
予算:コース11000円、7700円、5500円
アクセス:地下鉄南北線・すすきの駅1番出口を出て、「マツモトキヨシ」、「カラオケBIG ECHO」の角を右折するとすぐ左のビル。すすきの駅から徒歩1分
最寄りのランドマーク:地下鉄南北線・すすきの駅、薄野交差点
お勧めポイント:北海道の地ビール・ノースアイランドビールが味わえるコスパ抜群な日本料理店

古いビルのエレベーターを下りると、周りとは異なる目新しい店舗が目の前に 白を基調とした落ち着いた店内は、左にカウンター席が8席、右側に4名と2名用のテーブル席が1卓ずつある 飲み物のメニューを見ると、ノースアイランドビールの樽生が2種類(ビルスナーとブラウンエール)と瓶ビール(ヴァイツエン、IPA、コリアンダーブラック、季節限定)が4種類以上ある このメニューの他にも日本酒がいろいろとあるこの日はまず、ノースアイランドビールの樽生・ビルスナーから 吉兆系のコースなので、まずは「おしるし(食前酒:日本酒)」が杯に注がれる今回は最も高い11000円のコース。先付けは「アスパラやウニ、花ワサビなどが入ったワサビのジュレがけ」で、実に洗練された美味しさ お凌ぎは「焼きカラスミと空豆の飯蒸し」。ネットリとしたご飯に、香るカラスミと空豆の甘さがマッチしている 「インゲン豆腐のお椀」には、白魚やコゴミなどが入っていて、出汁の引き方は吉兆よりも濃いめである。柚子皮の代わりに花柚子(浮いている白い小さな蕾)が入っているが、花柚子は香りに乏しい割には噛むと苦みがあるので、香りを加えたいのなら柚子皮の方が良いかも。 「お造り」は、イサキの焼きカラスミ和えと藁で燻した初鰹のたたき、ボタン海老。鰹のたたきは、初鰹とは思えないくらい脂がのっていた。イサキには弾力があり、カラスミとの塩加減も絶妙 「八寸」はまずは分けずに盛りつけられ、吉兆系の華やかさを演出してくれた 焼き物は、「サクラマスと蕗のとうのソース」。脂がのったサクラマスはジューシーで、フキノトウの苦味との相性も抜群 撮り忘れたが、煮物の「土佐煮」は、ワカメに少し火が入りすぎていて緑色が色あせていたが、筍はシャキシャキと香り高かった。締めの「桜エビの土鍋ご飯」は、炊き上がったご飯に、直前に素揚げされた桜エビが混ぜられている 塩加減も炊き方も申し分なく、桜エビのカリッとした食感や香りが素晴らしかった これに、店主こだわりの焼きたての「出汁巻き玉子」と・・・ 「茄子の赤だし」と香の物が付く。これが完成形 最後の水菓子は「サクラわらび餅」で、わらび餅の食感が残念ながらやや硬めだった