炭火割烹 いふき

 祇園花見小路の南側にある人気の日本料理店。町家をリノベーションした建物の玄関でまずは靴を脱ぎ、さらに奥の扉を開けると、美しい白木のオープンキッチンのカウンター席が広がる。さすが炭火割烹と言うだけあって、中央にはガラス張りの焼き台が鎮座している。店主の山本さんは坊主頭で一見強面であるが、話してみると非常に人柄が穏やかな方であった。
 炭火割烹を名乗っているが、全ての料理が焼き物というわけではない。もちろん、メインの料理は肉や魚を炭火で焼いたものであるが、刺身や椀もの、揚げ物、炊き合わせなど、いたって普通の日本料理の構成なのである。飲み物のメニューを見ると、日本酒は「十四代」、「磯自慢」、「醸し九平次」、「黒龍」、「喜楽長」、「松の司」、「醴泉」、「瀧自慢」など13種類あり、比較的充実している。
 焼き物は素材を選んで炭火焼きにしてもらうというスタイル。高いコースを注文すると、肉と魚の両方を注文できる。この日の素材は「甘鯛(ぐじ)」、「きんき」、「ノドグロ」、「スッポン」、「黒毛和牛」、「キントア豚」、「シャラン鴨」であった。迷わず、好物の「ノドグロ」と食べたことのない「(焼き)スッポン」を注文。「スッポン」は、生肉を焼いたものと煮込んでつけダレで焼いたものの計2皿が供される。結論から言うと、生肉を焼いた肉はサッパリとしてほぼ鶏肉と変わらず、煮込んだものをつけダレで焼いた肉はトロッとしてまさにスッポンそのものであった。また、スッポンの肝は白レバーとアン肝を足して2で割ったような味で、これは美味しかった。また、「ノドグロの炭火焼き」は脂がのっていて、文句なく美味しい。繊細な「蒸しアワビ」には、意外にも生姜味に加えて擦りたてのワサビがのっていた。ご飯のおかずは「鰻の蒲焼き」、「サンマの塩焼き」、「シシャモの焼き物」、「カキフライ」の中から選ぶのだが、僕は「鰻の蒲焼き」に。鰻は表面がカリッと焼かれていて、タレを追加してワサビと共に頂くと、専門店に負けない美味しさだった。加えて、銀シャリの白米は秀逸だった。(2014年11月追加)

東山区祇園町南側570-8  
電話番号:075-525-6665
定休日:火曜
営業時間:17時〜23時
予算:13000円、16000円、20000円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座の前を過ぎて進むと、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)が見えるので、その角を右折。花見小路を100mほど進むと左側に「ぎおん徳屋」が見えるのでその角を左折すると右側にある。阪急河原町駅より徒歩6分。 
最寄りのランドマーク:祇園花見小路、お茶屋一力亭

玄関で靴を脱ぎます。奥の格子模様の扉を開けるとカウンター席です

カウンター席

正面に半円のガラスがついた焼き台が見えます

八寸

雲子(真鱈の白子)のあられ揚げ

軽く炙ったボタン海老のウニのせ

子持ち鮎の山椒煮

枝豆とムカゴの豆豆腐和え

茹でシャコ・カブラ漬け添え

飲み物のメニュー

松葉ガニ(ズワイガニ)の脚の炭火焼きと抱き身の蒸しガニの2種類

トラフグの炙りをポン酢大根か塩で

雲子のお椀(ゴマ豆腐入り)

津軽海峡でとれた本マグロの炙りの握り

焼き松茸と鶉のつみれと小芋の炊き合わせ

ノドグロの炭火焼き

蒸しアワビ

スッポンの生肉の炭火焼き(脚の部分)

スッポンの煮たもののつけダレ焼きに山ワサビを添えて(奥がエンペラを含む甲羅近くの肉で、手前が肝)

口直しの柿、リンゴ、イチジクにクルミソース

トラフグの唐揚げ・ネギの甘酢餡かけを添えて

鰻の蒲焼きと炊きたての白飯、厚揚げとキノコのお吸い物

洋なしのソルベとフレッシュフルーツの赤ワインジュレがけ(和梨、巨峰)

最後は栗のソルベ入り最中