田中田(たなかだ)

 今年の6月に東京・西麻布店をオープンした人気の高級居酒屋。今年で創業21年になるが、この新しい店舗に移転してからは9年目を迎えるという。店内に入ると、右側に広いカウンター席が、そして左側には小上がりの個室がある。カウンター内には10人くらいの料理人がおり、非常に活気があって雰囲気がいい。
 この店はとにかく魚の質が素晴らしい。どの素材も寿司屋を含めても福岡一の素材を揃えているのでは?と思うくらいの一級品である。特に、地サバの醤油和え「ごまさば」は、カンパチと間違うくらいピッチピチでコリコリしている。どこの居酒屋メニューにもある福岡の郷土料理であるが、この店のものは、福岡、いや日本トップクラスの美味しさである。これに匹敵する「ごまさば」は、唐津の 「鮨処 つく田(→ その他日本の旨い店・佐賀県の頁を参照)」 くらいしか思い当たらないほど。「ごまさば」ともに必ず注文したいのが「おまかせ・お造りの盛り合わせ」である。まずはこの2品を食べれば、この店の凄さを理解できるであろう。また、この店は高級居酒屋にしては缶詰メニューがあったり、カツ(フライ)が充実しているなど、メニューがとてもユニーク。カツは天ぷらに使用するエビやイカ、穴子、野菜類はもとより、「梅山豚の一口カツ」、「ロースカツ」、「ヒレカツ」、「まぐろのトロカツ」、「小あじのカツ」まである。さらに、カツの付け合わせ野菜がカツの種類によって変わるなど、添えられる自家製タルタルソースも含めて居酒屋とは思えないくらい一品一品の料理が熟考されている。焼きものでは「自家製・赤ムツの一夜干し」が一番のお勧めであるが、地鶏の「天草大王」も旨い。「天草大王」を使ったメニューは「もも塩焼き」や「砂ズリ塩焼き」だけでなく、大分の「とり天」や宮崎の「チキン南蛮」などといった魅力的なものまである。最後を締めるデザートの「練乳プリン」は、誰もが好きな懐かしい味だ。しかしながら、どれもが美味しい中で、それほど辛くない「ビーフカレー」だけは独特のスパイスで好みが分かれるところ。また、今回は「ごまさば」を食べてしまったので注文しなかったが、「ごまさば」が入ったドンブリとして「ごまさば丼」や「博多丼」などもある。
 ちなみに、今回は1人飯であったが、料理の量を調整してくれるなど、店員の対応も良かった。平日は比較的遅くまで営業しているのでとても使い勝手が良く、次回はぜひ西麻布店を取材してみたいと思う。(2014年7月追加)

福岡市中央区清川3-16-19  
電話番号:092-522-1211
定休日:月曜
営業時間:【火曜~土曜】18時~翌 12時半、【日曜・祝日】17時~22時半
予算:【単品】時価(ごまさば2000円くらい)、【コース】6800円、8800円、10800円
アクセス:西鉄天神大牟田線・西鉄平尾駅出入り口1を出て左へ。「サニー」を過ぎ、「洋服の青山」のある日赤通りを左折する。「かに本家」のある「那の川四ツ角交差点」を過ぎて右側に見える2つの大きなマンションの1階。西鉄平尾駅より徒歩8分。
最寄りのランドマーク:かに本家
お勧めポイント:福岡一の魚が揃う高級居酒屋

突き出しの冬瓜と挽肉の煮物

ごまさば(混ぜる前)

ごまさば(混ぜた後)

醤油は2種類(九州醤油は甘く、馬肉に合う)

おまかせ・お造りの盛り合わせ (手前か左から、イカ、アワビ、カンパチ、アラ、マグロの中トロ、ハモ、赤ウニと海苔)

唐津産・赤ウニと海苔

鯨ナンコツ粕漬

天草大王のもも塩焼き

小あじのカツ(半身)

まぐろのトロカツ

自家製・赤ムツの一夜干し (半身にしてもらいました)

ビーフカレー

トマトジュース

ポテトサラダ・タルタルソース添え

練乳プリン