蛸八

 新京極にひっそりと佇む小さな居酒屋。カウンター僅か10席だけしかなく、席の後ろを通るのもやっというくらいの狭さだ。雰囲気なら、間違いなくB級居酒屋と言えるが、B級居酒屋でかたづけるにはあまりにもったいない店である。特に、「スッポン鍋」と「コウバコガニ(メスのズワイガニ)」が登場する冬に行ってもらえれば、その実力を実感できる。一応、壁には素材が書かれたメニューが表示しているが、その日仕入れた素材で書かれていないものもあるので、店主か女将さんに聞いてみよう。
 擦った生姜がタップリと入った小鍋「スッポン鍋」は、この店の冬の名物料理。その深い味わいは、僕のこれまで食べたスッポン料理の中でも最高レベルの逸品だ。前述の「コウバコガニ(メスのズワイガニ)」も、旬の11月〜12月に登場するが、こちらも必ず味わってほしい品。また、「あなご焼き」は、噛めば噛むほど濃厚で香ばしく、「あなごの付け焼き」はフンワリとしていてどちらもいい。刺身を注文すると、擦り立ての本ワサビを添えてくれるので、店主にその日のお勧めの刺身を聞いて注文しよう。醤油はシソの香りがして好みが分かれるかもしれないが、僕的には嫌いではない。ちなみに、この店の人気メニューは「ぐじの焼き物」と「小芋からあげ」、「きずし(シメサバ)」などであるが、余裕があればこちらも是非いただきたい。
 それにしても、焼き物と煮物を担当していた親父さんがいなくなったのは残念であるが、家庭的な暖かみを感じる雰囲気は健在である。残念なのは、お酒が充実していないことである。日本酒は「白鹿」だけしかなく、この点が改善されればもっと魅力的な店になるであろう。(2019年10月追加)

中京区蛸薬師通新京極西入ル東側町498  
電話番号:075-231-2995
定休日:日曜 
営業時間:18 時~23時 
予算:全て時価だが、それほど高くはない 
アクセス:阪急京都線・河原町駅の交差点を渡り、「河原町オーパ」側に渡る。河原町通を北へ進み、「GAP」、「パチンコキングコング」、「サークルK」を過ぎたら左折。「松屋」、「LoFt」を過ぎ、「新京極」の看板を右に曲がると「寛永堂」が見えるので、その隣。河原町駅より徒歩5分
最寄りのランドマーク:河原町オーパ、LoFt、寛永堂京極店
お勧めポイント:ほのぼのとした家庭的な居酒屋

蛸薬師通りにある「寛永堂」の隣の・・・ココです!
以前の大将(現在は若大将に代わっている)突き出しの「ぬた」お造り「真鯛と本マグロ」擦り立ての本ワサビをのせて「あなご焼き」はカリッと香ばしく、噛めば噛むほど濃厚で美味しい「コウバコガニ(メスのズワイガニ)」内子と蟹味噌が美味しい!「きずし(シメサバ)」「何かの西京味噌焼き」「スッポン鍋」は、この店の冬の名物料理
その深い味わいは、僕のこれまで食べたスッポン料理の中でも最高レベルの逸品「あなごの付け焼き」は、フンワリとしていて美味しい