閉店 豚玉

 今回お好み焼きの頁に掲載させていただいたが、実は粉ものの店ではなく、あくまでも洋食がメインで、最後の締めにお好み焼きが味わえる大阪らしい店なのである。今回は、大阪グルメバイブルでも紹介したたこ焼きバー「たこりき(→ 大阪グルメバイブル・バーの頁を参照)」 のオーナーがやっている店と聞きつけての訪問。「たこりき」の店主はフレンチ出身らしいが、この店のオーナーも同じなのではないだろうか。店はラブホテルが点在する谷町九丁目エリアにあり、外観からは何の店なのかは分からないので、客がフラリと入ってくる店ではない。元は何の店だったのか?と思うような店内は、喫茶店と言おうか、まるで昭和の洋食店のような微妙な雰囲気だ。
 黒板にはアラカルトメニューが書かれており、単品での注文も可能かと思いきや、店主お任せによる数品のコースの後、好みのアラカルトメニューを追加できるスタイルだという。メニューの中には「だしチキンカレー」や「たこ焼きグラタン」など「たこりき」と被っているメニューもあるが、「だしチキンカレー」はこの店で作って「たこりき」でも使用し、たこ焼きは「たこりき」の冷凍たこ焼きを使っているという。それにしても、チーズやオリーブオイルに至るまで、素材にはとことんこだわっているようで、料理はシンプルそうに見えて意外と手が込んでいる。また、大阪では無名に近い東京の「ガージェリー」と並ぶ日本最高クラフトビール・福島県の「アウグスビール」を置いているこだわり方も素晴らしい。加えて、グラスシャンパンやワインのセレクトも良く、出てくる水は水道水ではなく「富士ミネラルウォーター」なのも良心的である。
 店主お任せの料理も、シンプルながら素材の味を生かしたセンスのある料理だ。締めのお好み焼きの「豚玉」は表面がカリッと焼かれており、キャベツの食感が印象的なハイレベルな豚玉だ。ソースは通常のソースの他に辛口のドロソースが塗られており、よりスパイシーに仕上がっている。期待していなかったが、デザートも悪くなかった。また、一人なので頼めなかったが、他の客の「チーズオムレツ」はかなり美味しそうに見えた。
 サービス担当はおらず、全ては店主が一人で行っているので、出てくるのにどうしても時間がかかってしまう。髪を後ろに縛ったサムライヘアの店主は、見た目と違って穏やかでホスピタリティがあるが、決して愛想がいいとは言えないため、ネット上での評価が分かれているようだ。しかしながら、メインのお好み焼きの「豚玉」などを含めて、料理はどれも一定以上のレベルの味で美味しい。分かる人にとっては、星以上に価値のある店となろう。(2016年1月追加)

大阪市中央区高津1-6-1  
電話番号:06-6768-2876
定休日:月曜
営業時間:19時~23時半(日曜・祝日は19~23時)
予算:4000円強くらい
アクセス:地下鉄谷町線、千日前線・谷町九丁目駅1番出口を出て右へ。千日前通を進み、人気つけ麺店「JUNK STORY」を過ぎ、「下寺町交差点」を右折する。松屋町筋を進み、ローソンのある「瓦屋町南3」を右折して2つ目の右角。谷町九丁目駅から徒歩8分
最寄りのランドマーク:松屋町筋、瓦屋町南3交差点
お勧めポイント:締めに豚玉が食べられる大阪らしいコスパの良い洋食店

ガラスのドアに小さく「豚玉」と書かれていますが、何の店だか分かりません入口側を挟むようにテーブル席があり、奥の正面に鉄板のあるオープンキッチンのカウンター席がある鉄板のあるオープンキッチンのカウンター席アラカルトメニュー飲み物のメニュー初めに出てきたのは「アンチョビバターをのせたバゲット」に白トリュフのオリーブオイルをかけている。抜群のセンスで、シャンパンとの相性もドンピシャ続いて出てきた「マッシュルームのクリームスープ」は濃厚でマッシュルームの旨み爆発。塩味にもブレがない岡山県・吉田牧場のこだわりのモッツアレラチーズは本当に美味しい「ポテトサラダ」は家庭的な味で、「たこりき」のものとは別物福島のプレミアムクラフトビール「アウグスビール」春巻きこれは何だったか忘れたが、とにかく美味しかったフルーティーかつスパイシーなオリーブオイルこれをたっぷりと注ぐこれで完成です水は水道水でなく「富士ミネラルウォーター」熱々の「チーズスフレ」中にはゴルゴンゾーラとカボチャが入っていて、フックラとしてブラボー!追加注文した「マカロニサラダ」は思った通りの美味しい味最後のお好み焼き「豚玉」を焼き始めたカリッと焼き上がるまずマヨネーズを塗ります2種類のソースを塗ります鰹節粉と青のりをかけて豚玉の完成豚玉の断面ラム酒が効いたパウンドケーキも美味しい