酒楽座 山三(やまさん)

 難波の旧・歌舞伎座裏にある日本酒専門居酒屋。ご主人が料理を作り、女将さんがサービスをする小さな店である。実はこの店、友人である奈良の黒田先生から教えてもらった店である。入口前には酒樽が積まれ、一見して日本酒専門の店だと分かる。しかし、店内は大衆食堂のようなチープな雰囲気で、通路も狭く、L字型のカウンター席しかない。にもかかわらず、日本酒マニアの間では知る人ぞ知る名店なのである。客の多くは常連客で、僕の隣の若い男性は大阪八尾市から毎週通っているという。
 この店のでは他店では滅多に見かけないような日本酒がいろいろと置いてあり、中にはラベルが張っていないものも。特に、他店ではあまり見かけることのない奈良県の酒が多いのが目を引く。このような目を見張るような日本酒の品揃えとチープな店の雰囲気のギャップが、僕のマニア心を一層くすぐるのである。特に、山形の地酒「十四代」は他の店では滅多に見かけないものもあり、しかも値段はプレミア価格ではないので、この店に来たならまずは注文したい。この他に静岡県の「磯自慢」もお勧めである。かつて僕が愛飲していた広島県・相原酒造が造るこの店のオリジナル酒「月に雁」は、今はもう造られていないとのことなので、この日は「無濾過生原酒・風を待つ」をいただいた。日本酒専門店と述べたが、実はベルギービールもいろいろある。
 この店が素晴らしいのは、日本酒だけでなく、良質な酒のアテがいろいろと揃っていること。お勧めは、旬の刺身やスモークもの(この日は、あわび、穴子、合鴨、いぶしうなぎ、チーズ)、関西名物の「きずし」、「よこわの胡麻醤油和え」、「チーズ豆腐」、「どてやき」など。この店の「きずし」は土佐酢のような甘めのタレに浸されてくるので、もしも好みでなければ、少し醤油を足して食べるといい。「よこわの胡麻醤油和え」は洗練されたマグロの漬けで、これは絶品!「どてやき」は甘めの味噌で味付けされているので、一味をタップリかけて食べたい。「チーズ豆腐」もやはり甘いが、この甘さこそが日本酒の旨みを引き立たせていていい。
 ちなみに、この店は居酒屋であるにもかかわらず禁煙なので、僕のようなタバコを吸わないものにとって非常に居心地がいい。しかし、店主一人で料理を作っているので、料理が出てくるのに多少の時間がかかる点はご容赦願いたい。ちなみに、人気店故に基本的に予約ができないため、開店前に行った方がが確実である。開店前に行けないという方は、電話で確認の上、2回転目となる21時過ぎくらいに行くのが良いかも。(2015年12月追加) 

大阪市中央区難波4-2-9  
電話番号:06-6643-6623
定休日:日曜、祝日、月曜
営業時間:18時~23時
予算:穴子スモーク600円、きずし600円
アクセス:地下鉄御堂筋線、千日前線・なんば駅13番出口(パチンコ「四海樓」の前)を出て御堂筋を右へ。「大和証券」を過ぎ、「NTT docomo」の角を右折すると「なんば楽座」のすぐ右側。なんば駅より徒歩2分
最寄りのランドマーク:四海樓、なんば楽座
お勧めポイント:大阪トップクラスの老舗・日本酒居酒屋

「「なんばマルイ」のすぐ近くですなんばマルイ」のすぐ近くです「なんば楽座」の中にあります右の白い看板の店です店の前に鎮座する酒樽が目印店内はL字型のカウンター席のみの小さな店メニュー1メニュー2冬には関東炊き(おでん)も「雨後の月」で有名な相原酒造の原酒「きずし」は、京都や大阪でよくあるしめ鯖のようなもの「よこわの胡麻醤油和え」は最高に美味しいアテ「チーズ豆腐」もやはり甘いが、この甘さこそが日本酒の旨みを引き立たせている「どてやき」は甘めの味噌で味付けされているので、一味をタップリかけて食べたい「蒸し鶏と青菜のおひたし」は少し濃いめの味付け「鯨ベーコン」は生姜醤油でいただく大阪河内長野市の「天野酒 吊し斗瓶 大吟醸」和歌山県の地酒「超 超久・雄町」ベルギービールのメニュー