TOKYO(旧:京橋もと)

 ブルガリホテルで話題の「東京ミッドタウン八重洲」で、店舗の書かれたプレートを見ていると、「酛 TOKYO」という名前のレストランが目に飛び込んできた。そう言えば、新明先生が「京橋もと(酛)(→ 銀座グルメバイブル・日本料理の頁を参照)」が今年移転すると言っていたような気がする。早速電話をしてみると、確かにその通りで、未だ開店3日目だという。この「酛 TOKYO」は、料理長も含めて「京橋もと(酛)」のスタッフによる店舗であり、前の「京橋もと(酛)」は前料理長と別スタッフにより、「Kyobashi f(→ 銀座グルメバイブル・日本料理の頁を参照)」と名前で同時期に営業をスタートさせているとのこと。
 電話で当日予約できた料理のコースは、9000円と13000円の2コースだったが、ポケットコンシェルジュやホットペッパーグルメ経由で予約すると割高となるかもしれないが、更に高いコースも予約できる様だ。ちなみに、9000円と13000円のコースの違いは、料理の品数ではなく素材である。
 1階からエスカレーターで3階へ上ると、店の前にはたくさんの開店祝いの花々が並んでいた。入口を覗いてみると、日本酒を入れたガラス張りの冷蔵庫と細長い立ち飲みのカウンタースペースが見える。落ち着いた雰囲気の前店舗と違って、立ち飲みスペースはザワザワと賑やかな雰囲気。すぐに、前店長と現店長である女将の谷口さんが出迎えてくれ、着席スペースの扉を開けてくれた。扉の奥は照明が落とされ、立ち飲みスペースとは別世界な空間が広がる。左側にカウンター席が6席と右側には6名までの有料個室が2つある。
 この日は13000円のコースを注文。先ずは、「蛤しんじょうのお椀」が出てきた。料理長の佐久間さんの出汁の引き方は、吉兆系のように濃くて美味しい。日本酒の1杯目は、この店の開店のために作られたという千葉の「寒菊 羽州誉50-Horizon 2023 純米大吟醸無濾過生原酒」。口当たりがトロリとしていて、少し甘めだ。お造りは「滋賀の琵琶マス、塩釜の本マグロ、山口のノドグロの炙り」の3品。琵琶マスと言えば夏のイメージだが、冬季のものの方が脂がのっている。三陸沖の本鮪は個体が小さいのか?香りや味に深みがなかったが、ノドグロの炙りは脂がのっていて最高だった。2杯目の日本酒は、埼玉の「彩來(さら)花澄み(かすみ)」。フルーティーな現代的な造りで僕好み。続く料理は、「大分産シマアジの焼き物」。シマアジは通常刺身でいただくことが多いが、焼き物とは珍しい。焼いたシマアジをいただくのは僕も初めてだが、言われなければブリと間違えてしまいそう。3杯目の日本酒は、石川の「手取川 吉田蔵 u 百万石乃白生酒」。山廃は癖が強くて好きになれないが、この酒は後味が良く洗練されている。続く「メヒカリと筍、空豆の天ぷら」はどれも美味しいが、空豆と筍が特に良かった。4杯目の日本酒は、三重の「而今 純米吟醸 山田錦無濾過生」。而今にしてはかなり濃めだが、口の中からスウっとフェイドアウトしていく。八寸は、「マグロのなめろう」、「稚鮎の天ぷら」、「タケノコの土佐煮」、「天然もずく酢」、「干し柿バター」、「自家製カラスミ大根」、「煮アワビ」、「水菜と桜エビのお浸し」。どれも酒のアテとして甲乙つけがたく、最高!5杯目の日本酒は、埼玉の「花陽浴(はなあび)純米大吟醸 瓶囲無濾過生原酒」。大人気商品らしいが、吟醸香が強めで僕好みではない。メインは、仙台牛A5の最高峰「飛び牛のステーキ」。塩と黄身醤油、ワサビでいただく。とろけるとはまさにこのことで、サシが強いので沢山は食べられないが、とにかく美味しい。黄身醤油との相性も良いが、塩とワサビも捨てがたいなあと思っていたら、結論として黄身醤油とワサビの組み合わせがベストだった。最後を締めくくるご飯までのアテに、「ちりめん山椒」が出てきた。このタイミングで奈良の「みむろ杉 濁り酒」をいただく。微発泡で酸味を感じながらも、フルーティーで悪くはない。「ヒフオ(鮎の稚魚)と新筍の土鍋ご飯」は、蒸らしが足りないのか?やや芯が残っていた。そして、水菓子の「マスクメロンと苺大福」で終了となった。
 土鍋ご飯の芯が残っていたり、味噌汁の塩分が少し強めだったり、今回は完璧な3つ星ではなく、2つ星という評価だった。しかし、一等地でのコスパの良さや移転3日目という厨房の状態を考慮して、今回は3つ星のままとした。(2023年3月追加)
https://fsknet.co.jp/impression/mototokyo/
https://www.hotpepper.jp/strJ003451158/

【ポケットコンシェルジュ】https://pocket-concierge.jp/ja/restaurants/244042?seat_date_eq=2023-04-01
中央区八重洲2-2-1東京ミッドタウン八重洲3階 
電話番号:03-6910-3877
定休日:月曜
営業時間:16時〜22時(立ち飲みは15時〜)
予算:料理コース9000円、13000円(日本酒は別料金、4名〜6名用の個室は別途5000円)
アクセス:JR東京駅八重洲口から八重洲地下街を経由してバスターミナル東京八重洲を目指すと、直結している。東京駅から徒歩2分
最寄りのランドマーク:JR東京駅八重洲口、バスターミナル東京八重洲
お勧めポイント:美味しい和食と日本酒のマリアージュを楽しみたい方に

JR東京駅八重洲口を出て、目の前の大きなビル・・・ この右の大きなビルです(左の小さなビルはヤンマー) 「東京ミッドタウン八重洲」に入って、店舗名の書かれたプレートを見ていると、「酛 TOKYO」という名前のレストランが目に飛び込んできた。そう言えば、新明先生が「京橋もと(酛))」が今年移転すると言っていたような気がする。早速電話をしてみると、確かにその通りで、未だ開店3日目だという 1階からエスカレーターで3階へ上ると、店の前にはたくさんの開店祝いの花々が並んでいた 入口を覗いてみると、日本酒を入れたガラス張りの冷蔵庫と細長い立ち飲みのカウンタースペースが見える。落ち着いた雰囲気の前店舗と違って、立ち飲みスペースはザワザワと賑やかな雰囲気。すぐに、前店長(左)と現店長である女将の谷口さん(右)が出迎えてくれ、着席スペースの扉(女将の後)を開けてくれた 扉の奥は照明が落とされ、立ち飲みスペースとは別世界な空間が広がる。左側にカウンター席が6席と右側には6名までの有料個室が2つある 日本酒の1杯目は、この店の開店のために作られたという千葉の「寒菊 羽州誉50-Horizon 2023 純米大吟醸無濾過生原酒」。口当たりがトロリとしていて、少し甘めだ この日は13000円のコースを注文。先ずは、「蛤しんじょうのお椀」が出てきた。料理長の佐久間さんの出汁の引き方は、吉兆系のように濃くて美味しい 2杯目の日本酒は、埼玉の「彩來(さら)花澄み(かすみ)」。フルーティーな現代的な造りで僕好み お造りは「滋賀の琵琶マス、塩釜の本マグロ、山口のノドグロの炙り」の3品 琵琶マスと言えば夏のイメージだが、冬季のものの方が脂がのっている。三陸沖の本鮪は個体が小さいのか?香りや味に深みがなかったが、ノドグロの炙りは脂がのっていて最高だった 続く料理は、「大分産シマアジの焼き物」。シマアジは通常刺身でいただくことが多いが、焼き物とは珍しい。焼いたシマアジをいただくのは僕も初めてだが、言われなければブリと間違えてしまいそう 3杯目の日本酒は、石川の「手取川 吉田蔵 u 百万石乃白生酒」。山廃は癖が強くて好きになれないが、この酒は後味が良く洗練されている 続く「メヒカリと筍、空豆の天ぷら」はどれも美味しいが、空豆と筍が特に良かった 4杯目の日本酒は、三重の「而今 純米吟醸 山田錦無濾過生」。而今にしてはかなり濃めだが、口の中からスウっとフェイドアウトしていく 八寸 左から「マグロのなめろう」、「稚鮎の天ぷら」と下が「タケノコの土佐煮」、「天然もずく酢と車海老」、 「干し柿バター」、「自家製カラスミ大根」、「煮アワビ」、「水菜と桜エビのお浸し」。どれも酒のアテとして甲乙つけがたく、最高! 5杯目の日本酒は、埼玉の「花陽浴(はなあび)純米大吟醸 瓶囲無濾過生原酒」。大人気商品らしいが、吟醸香が強めで僕好みではない メインの仙台牛A5の最高峰「飛び牛」を、料理長の佐久間さんが見せてくれた 「飛び牛のステーキ」は、塩と黄身醤油、ワサビでいただく とろけるとはまさにこのことで、サシが強いので沢山は食べられないが、とにかく美味しい。黄身醤油との相性も良いが、塩とワサビも捨てがたいなあと思っていたら、結論として黄身醤油とワサビの組み合わせがベストだった 最後を締めくくるご飯までのアテに、「ちりめん山椒」が出てきた このタイミングで奈良の「みむろ杉 濁り酒」をいただく。微発泡で酸味を感じながらも、フルーティーで悪くはない。 「ヒフオ(鮎の稚魚)と新筍の土鍋ご飯」 蒸らしが足りないのか?やや芯が残っていた。また、味噌汁の塩分が少し強めだった ブチブチとした飛び子の食感も、アクセントとしては良かった そして、水菓子の「マスクメロンと苺大福」で終了となった