雨は、やさしく

 札幌インターに近い菊水エリアに移転してきた創作ラーメンの店。敢えて“創作”という言葉を使ったのは、これまでの既成概念を覆すラーメンだからである。 全てのラーメンには、4次元的なスープの変化が楽しめるよう「鶏の白レバーペースト+昆布・干し椎茸を細かく刻んだもの+刻み大葉」が添えられていたり、 麺に抹茶をまぶした「抹茶和え辛つけ麺」があったり、シナチクの代わりに揚げゴボウを用いたりと、ラーメンマニアの好奇心をくすぐるようなメニューなのである。移転後は更に「生ハムとかけそば」や以前は口頭で伝えなければならなかったレバーペースト抜きの「ぬきそば」が加わり、一部のメニューも入れ替えられてさらに充実してきた
 この店の1番人気は「味噌(ラーメン)」のようだが、僕のお勧めは「醤油(ラーメン)」と「塩(ラーメン)」。「醤油」のスープは、鰹出汁が香る魚介系と鶏ガラベースの動物系のバランスがとれた旨味溢れるスープである。「塩」のスープは昆布の風味がより強く感じられ、こちらも美味しい。食べログ上では鶏白レバーペーストを絶賛している記事も散見されるが、これがラーメンに相乗的あるいは相加的効果を与えているかと言えば微妙だ。何故なら、レバーペーストに鶏の動物臭を感じるからである。しかもその臭みを消すためなのかさらに香りの強い刻み大葉が入っているのも良くない。この店の「塩」や「醤油」のスープは、非常に繊細かつ完成度の高いスープなので、レバーペーストは不要であろう。どうしても試してみたいという方は、「味噌ラーメン」か「辛味噌ラーメン」の方で試してみてほしい。今回評価を下げた理由は、新店舗になってから食べた揚げゴボウが揚げすぎで、かつ、変わらない低加水の中細ストレート麺がやはり微妙だからである。歯切れが良いものの、モチモチ感のない独特の食感で、僕好みではない。これで麺が良くなって、チャーシューや揚げゴボウなどの脇役陣が美味しくなって主役を盛り上げることができれば、スープが最高なだけにさらに評価を上げても良いと思う。(2015年3月更新)

白石区菊水元町4条2丁目1-7 古川ビル1階  
電話番号:011-871-3922 
定休日:月曜(祝日の場合営業。翌日休み)
営業時間:11時~15時半、18時~21時
予算:醤油、塩780円(ぬきそば各740円)
アクセス: JR苗穂駅を出て通りを真っ直ぐ進む。「マツダ」、「マルハン」を過ぎて豊平川を渡り、道なりに進む。一つ目の歩道橋と「北洋銀行」を過ぎ、2つめの歩道橋手前の信号を左折する。南7条米里通を進み、「札幌信用金庫」と「ラッキー」が見えたらすぐ右側。JR苗穂駅から徒歩20分(1.2km)、中心部から車で15分
最寄りのランドマーク:南7条米里通
お勧めポイント:北海道トップレベルのスープが味わえる

移転後の新店舗

新メニュー

新メニュー

ぬきそば(醤油)味玉トッピング

今回の揚げゴボウ

大葉と白髪ネギ入り

大葉とネギをどけると、その下には昆布・干し椎茸を細かく刻んだものがのっている

移転後の醤油スープ

低加水の中細ストレート麺は好みが分かれる食感

分厚いチャーシューは脱水気味

味玉は普通

醤油、味玉トッピング(旧店舗のときの)

これが鶏レバーペースト

かつての揚げゴボウ

かつての醤油スープ

塩・レバーペースト抜き(旧店舗のときの)

以前の揚げゴボウ