露庵 菊乃井
マスコミに露出度の高い有名日本料理人・村田さんの店。京都にはこの店の他に、円山公園近くに「菊乃井 本店」、東京には「菊乃井 赤坂店」がある。僕が行った限り、これら菊乃井のグループの中でのグレードは、「菊乃井 本店」、「菊乃井 赤坂店」、「露庵 菊乃井」の順である。雰囲気なども含めたトータルなクオリティでは確かに両店に一歩譲るものの、料理の値段や内容を考えれば、この店最もがコストパフォーマンスに優れていると思う。
扉を開けると正面には2階へ続く階段と1階奥にはお会計場が見える。入ってすぐに右に進むと、奥にはカウンター席と小上がりがある。2階には通常の座敷の他に薄暗い茶室もあり、「瓢亭」の離れのようなこの茶室が最も京都らいしい趣がある。しかしながら、茶室ではテーブルがないため、低く小さなお膳で食べなければならず、どうしても座っていると疲れてしまう。なので、接待などのときには、通常の2階のテーブルのある個室の方がお勧め。
お昼のコースは、4000円、7000円、10000円の3つのコースがある。4000円と7000円では素材のクオリティが異なり、10000円は7000円のコースに品数が1品増えるという説明だったので、今回は真ん中の7000円のコースを頂くことに。
席に着くとまず、食前酒の形で“おしるし”の日本酒が注がれる。菊乃井の素晴らしいところは、「京都 吉兆」同様にお椀が美味しいこと。口の中にジンワリと押し寄せる出汁の深い余韻が素晴らしい。また、素材に対する柔軟性も高く、例えば、この日の「鶉のゆり根饅頭」の餡がトリュフ餡であったり、季節のご飯にチャーハンをイメージした熱々のネギ油をかけたりと言った具合である。これは、村田さんの考える日本料理とは「出汁を使った旨味のある料理」という大きなくくりの概念であり、これを逸脱しない限り柔軟に創作できるのである。さらに、コースの最後には必ず季節のご飯(この日は甘鯛のご飯)が付き、一組毎に陶製のお釜で炊きあげるというのも特筆すべきである。もちろん、写真の様に余ったご飯はお持ち帰りも可能で、翌日の朝食として食べることもできる。この釜飯スタイルを始めたのは、「祇園(建仁寺)丸山」の店主という話(本人談)だが定かではない。それにしても、数ある京都の日本料理店の中でも、最高のコストパフォーマンスを誇る店である。(2014年1月更新)
下京区木屋町四条下ル
電話番号:075-361-5580
定休日:水曜
営業時間:12時~13時半、17時~20時半
予算:【昼】4000円、7000円、10000円、【夜】10000円、13000円、15000円、18000円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面へ進む。「お菓子のデパート よしや」を過ぎて高瀬川を渡り、マクドナルドの手前の通りを右折すると、すぐ左側。阪急河原町駅より徒歩2分。
最寄りのランドマーク:高瀬川
お勧めポイント:菊乃井グループの中で最もコストパフォーマンスの良い店
これでも1人用の甘鯛のご飯
これでも1人用の甘鯛のご飯
お持ち帰りした甘鯛のご飯
お持ち帰りした甘鯛のご飯