鮨 いち葉
開店3年目を迎えた上通にある寿司店。店内に入ると、白木で作られたL字型のカウンター席が8席。白木と塗り壁のモノトーンカラーが印象的だ。
ランチタイムには、握りと味噌汁だけのお値打ちのコースが設定されているが、夜に供されるつまみと握りのおまかせコースの方がお勧め。もちろんその理由は、酒のアテがどれも美味しいから。予約時に告げれば、昼でも夜のコースもいただくことができる。
初めて会った大将の印象は、俳優・酒井敏也のように実直そうで口数が少ないこと(別に、顔が似ているわけではなく、あくまでもファーストインプレッションによるイメージ)。そのためなのか、この店は写真撮影が禁止なので、写真のない今回は、夜のおまかせコースについて詳しく述べる。
まず、最初のアテは、「ズワイガニとハマグリの出汁に浸した焼き雲子(真ダラの白子)」、さらに、「藁で燻したサワラと焼いた新筍の芽の盛り合わせ」、「あん肝と生姜の味噌漬」、「自家製カラスミ大根」、「湯引きした地物のトラフグの出汁浸し」、「鳥取産・活ズワイガニの身と内子の一口ご飯」、「生シャコの醤油漬け・柚子胡椒風味」、「壱岐対馬の戻り寒ブリの照り焼き」へと続く。あん肝は、低温で調理されているために箸でつかめないほど柔らかく、スライスされた生姜の味噌漬と一緒にいただくと、旨味の輪郭が際立った。「湯引きした地物のトラフグの出汁浸し」は、大根の鬼おろしと焼き海苔を混ぜていただくと出汁の旨味が増し、さらに厚く切られたトラフグの弾力との相性が抜群。ほんのりと温かい「鳥取産・活ズワイガニの身と内子の一口ご飯」は、茹でたてのズワイガニの濃厚な風味が感じられて最高だった。「生シャコの醤油漬け」は、甘エビの様にネットリとした生シャコの食感と、山芋のシャキッとした食感のコントラストが素晴らしかった。
握りは、「イナダ(幼少のブリ)」、「赤貝」、「車海老」、「アジ」、「ホタテ」、「サバ」、「本マグロの漬け」、「蒸し鮑」、「大トロ」、「新海苔の穴子巻き」の10貫で、これに「新筍の味噌汁」とカリカリに焼いた「車海老の頭」、「卵焼き」が付く。酢飯は赤酢によるもので悪くはない。特に印象的で良かったのは、身が厚く甘味のあった「赤貝」、鮪の香りと深みが感じられた「本マグロの漬け」、これまでに味わったことがないくらいサッと火を通しているため、甘味と食感が最高であった「車海老」などである。
それにしても、今回の取材で感じたのは、熊本市の寿司は意外にもレベルが高いということだ。天草に近いということもあるのかもしれないが、素材に甘んじていない店主の努力が評価できる。(2019年1月追加)
熊本市中央区上通9-16
電話番号:096-288-2154
定休日:日曜
営業時間:【昼】12時、【夜】18時~19時半
予算:【昼】5000円〜6000円(握りと味噌汁)、【夜】10000円〜13000円(つまみと握り、味噌汁)
アクセス:熊本市電・通町筋電停で降り、「上通商店街」アーケードを進む。「大谷楽器」、「ココカラファイン」をぎ、「セブンイレブン」と「ハヤカワスポーツ」のある角を右折する。食料品店「WHOLE SQUARE」を過ぎた交差点を左折すると左側に見える。通町筋電停から徒歩5分
最寄りのランドマーク:ホテル日航熊本、上通商店街
お勧めポイント:酒のアテと握りの両方が楽しめる寿司店
上通商店街アーケードの裏通りの細い通りにあります
ココです!
写真撮影禁止なので、今回の写真はここまで。詳細は本文を見てください