麺屋 創介

 北見にある魚介系スープが人気のラーメン店。店内にはカウンター席やテーブル席の他、小上がりがある。実はこの店の若い店主は「弟子屈ラーメン」の出身。しかしながら、「弟子屈ラーメン」とは方向性の全く異なるオリジナルのラーメンである。オーソドックスな定番ラーメンはもとより、ニンニクの効いた二郎系ラーメンから魚介つけ麺や海老そば、さらに辛そばまで、今流行の様々なジャンルのラーメンが全て揃っているのだ。この手の“百貨店ラーメン店に旨い店なし”というのが僕の定説だったが、この店のラーメンはその概念を覆す美味しさ。麺は「太めん」、「中太ちぢれ」、「細めん(中細ストレート麺)」の3つがあり、注文するラーメンによって選べる麺が異なる。
 特にお勧めなのが、「しょうゆらーめん」と「細麺」の組み合わせ。スープは塩ラーメンの様に色が薄めで、やや混濁している。鶏ガラベースに豚骨をブレンドしているのだろうか?鰹節が香り、これが出すぎておらず、動物系スープとのバランスが絶妙なのである。魚介系スープが売りの店でありがちな煮干しのネガティブな面が全く出ていない。もちろん、このスープには中細ストレート麺の「細めん」がドンピシャ。極太のメンマは好みが分かれるかもしれないが、バラ肉を使ったトロトロのチャーシューはかなり美味しい。さらに、中が半熟でトロッとした「味玉」も最高に旨い。微かに海老が香る「しおらーめん」や「海老SOBA正油」も「細麺」との相性が抜群で、これもかなりのハイレベルでお勧め。「つけめん」のつけ汁は、「しょうゆらーめん」のスープに背脂を加えて味を濃くしたような感じのスープで、今流行のつけ麺のつけ汁とは異なり、濃厚さはなく、魚介の香りもそれほど強調していない異色のつけ汁だ。また、太麺もコシがあって中々良く、“あつもり”も可能である。しかし、もしもつけ麺を食べるなら、「唐つけめん」が絶対にお勧めだ。麺にこんもりと刻み海苔が載り、つけ汁の背脂とキャベツの組み合わせも絶妙で、スープの旨味と辛さのバランスが際立っている。夜限定の海老スープのつけ麺「海老のしずく」は、意外にも海老の香りが控えめで濃厚さもなく、細麺との組み合わせも含めて大人しい感じだ。「みそらーめん」あるいは「辛みそらーめん」は、味噌にローズマリーのような香草風味が加わり、専用の中太縮れ麺はコシがなくお勧めできない。
 ちなみに、もしもスープが気に入った場合には、残ったスープにライスを入れて食べる「お茶漬け」といったサイドメニューや、鰹節やチャーシュー、刻み海苔、ネギ、からしマヨネーズなどが載った「おかかチャーシュー飯」などもある。それにしても、札幌にあっても十分やっていけそうなくらいの素晴らしいラーメン店である。(2013年11月更新)

北見市北進町4-1-18 北進フリーダムビル1階  
電話番号:0157-22-0022
定休日:月曜
営業時間:11時〜15時、17時〜21時半(土日・祝日は11時〜20時)
予算:しょうゆらーめん750円、味玉100円、チャーシュー(2枚)120円
アクセス:JR北見駅から1.7km
最寄りのランドマーク:山下通、とん田通、美芳町8丁目交差点
お勧めポイント:地方都市のレベルとは思えない素晴らしい魚介系ラーメン

しょうゆらーめん

しおらーめん

海老SOBA正油

つけめん

唐つけめん

海老のしずく

辛みそらーめん

おかかチャーシュー飯

お茶漬け