あま野
福島にあるミシュラン1つ星の寿司店。店は大通りから入った暗く寂しい通りに面しているため、少し分かりづらい。店内は白木の美しいカウンター席のみの小さな店である。その客のほとんどはお酒を楽しむ常連客のようだ。
この店のスタイルは、前半がつまみ、後半が寿司という大阪でよくあるスタイル。そんな中でも、この店はアテの品数の割合が高く、美味しさのレベルは京都の日本料理店「祇園楽味 (→京都グルメバイブル・日本料理の頁を参照) 」のイメージに近い。店主は和食の経験もあるのか、寿司屋とは思えないくらいとても美味しいアテを作る。何よりも使用している素材が一級品であり、さらに赤酢を使った酢飯が美味しい。寿司の姿は多少丸みを帯びていて不格好だが、口の中に入れるとパラッとほどける緻密に計算された含気率だ。特に「本マグロの漬け」は香り高く、「コハダ」はキリッと酢が効いた江戸前の仕事だ。また、カウンターの中にいる若手職人と店主の呼吸もピッタリで、美味しい食べ物がテンポ良く出される。寿司には基本的に煮きりを塗ってくれるので、自ら醤油をつける必要はない。
アテで良かったのは刺身類で、「明石産・サワラの炙り」は大根おろしと一緒に食べると、とろける感動的な美味しさ。「明石産・真鯛」は弾力、甘味ともに申し分なく、久々に美味しい鯛を味わえた。「函館産・ムラサキウニ」は、肉厚でミョウバンを感じさせない美味しさ。この時期のウニとしては最高レベルの美味しさだ。
日本酒はワインセラーを6℃設定にして日本酒専用のセラーとして使用しているといったこだわりよう。中には、秋田の「まんさくの花 純米大吟醸・愛山酒」や福井の「梵 団・磨き二割・純米大吟醸」などのような、かなりマニアックな酒もあった。
ちなみに、今回は2つ星の評価としたが、値段を考えると、限りなく3つ星に近い2つ星と考えていい。(2016年2月追加)
大阪市福島区福島1-6-4
電話番号:06-6454-7008
定休日:火曜
営業時間:18時半~21時半
予算:おまかせ10000円
アクセス:JR環状線・福島駅を出て右へ。「ホテル阪神」側の駅前通(なにわ筋)を進み、次の「浄正橋」交差点を「mini・mini」側へ渡る。渡って「ENEOS」の角を左折すると左側にある。JR福島駅より徒歩5分
最寄りのランドマーク:JR福島駅、ホテル阪神、浄正橋交差点
お勧めポイント:最高に美味しいアテと握りが食べられ、酒飲みにとっては最高の寿司店
ココです店内はL字型のカウンター席があり、シンプルな白木が美しい
モズク酢
「煮アワビ」は香りが抜群にいい
「明石の真鯛」は弾力、甘味が申し分なく、久々に美味しい鯛を味わえた
秋田の「まんさくの花 純米大吟醸・愛山酒」のような、こだわりの日本酒が多い
どこ産の鯖かは聞かなかったが、関鯖のようなコリコリとした歯ごたえがいい
「明石産サワラの炙り」は、大根おろしと一緒に食べると、とろける感動的な美味しさ
口直しの「キャベツのポン酢」はシンプルで意外と美味しい
「甘エビの昆布締め」はネットリとした昆布の旨みが印象的
「ワタリガニとクチコの茶碗蒸し」はクチコ(ナマコの卵巣)がアクセントになったこれまでにない美味しさ
生姜のガリでなく、「ミョウガと蓮根の酢漬け」で舌のリセットをするのも面白い
握りの最初の「剣先イカ」は、トロッとした甘味たっぷりで、隠し包丁による食感も抜群
「サヨリの昆布締め?」
「本マグロの漬け」は香り高く、トップクラスのマグロを使用しているのが分かる
「本マグロのトロ」ももちろん美味しい
「コハダ」はキリッと酢が効いた江戸前の仕事
「煮ハマグリ」はフックラとしていて香りも良かった
「函館産ムラサキウニ」は、肉厚でミョウバンを感じさせない美味しさ。この時期としては最高レベルのウニだ
お椀
この日唯一ダメだったのはこの「穴子」の握り
時間をおいて締められた「玉子」は硬めで食感は良くなかったものの、海老や魚などの魚介系の深みを感じられて良かった