おが和
「祇園 さヽ木(→ 京都グルメバイブル・日本料理店の頁を参照)」 で長年修行された料理人が店主を務める日本料理店。店内にはL字型のカウンター席が僅か6つしかなく、日本料理店としてはかなり小さめ。料理は店主と若い男の料理人の2人で作っており、サービスの担当はいない。
料理はどれもシンプルな味付けながら、創意工夫が凝らされていて美味しい。1品目の梶(かじ)の葉で覆われた「タコの酢の物」は赤ジソで彩られ、ズイキ、ミョウガ、刻みオクラなどが入っていてサッパリとした美味しさ。1つだけ残念だったのは椀ものである「ハモのにゅうめん・梅干し添え」。塩梅は全く問題なかったが出汁の深みにやや欠け、修業先である「祇園 さヽ木」に及ばなかった。3番目に出てきた「お造り」の刺身醤油には刻み昆布が入っており、素材である青森産ムラサキウニ、イカ、煮アワビとも全てが良かった。特に肝醤油につけて食べる煮アワビは最高である。また、コースの途中で出てきた「本マグロの漬けの手巻き寿司」は、修業先の「祇園 さヽ木」のコースに出てくるものと同じ一品。小振りの天然鮎を使用した「鮎の唐揚げ・万願寺唐辛子添え」は、一見何も変哲のない唐揚げであるが、添えられたソースが何と!!自家製稚鮎の塩辛を入れた蓼酢(たでず)ソースなのである。これが鮎同士のせいか絶妙な相性を見せる。「蓴菜(ジュンサイ)とトマトの酢の物」はまあ普通であったが、「穴子の蒸し物」はこの日最も良かった品。穴子、賀茂茄子、だだ茶豆に大徳寺納豆がのったもので、材料の旨味がトロ効いた餡によって余すとこなく引き出されていた。そしてフィナーレを飾るのは、炊きたての白米とそれにのせる5種類のご飯のお供「カラスミ」、「本マグロの漬け」、「金山寺味噌ゴボウ」、「炊いた海苔」、「ちりめんじゃこ」。もちろん食べ放題なので、5種類全てを頼んでも良い。僕的には「カラスミ」と「本マグロの漬け」がお勧めである。特に「カラスミ」は最高で、思わずお代わりをしてしまったほど。さらに、デザートは日本料理店としては少し異色な「メロンクリームソーダ」。バニラアイス(これは恐らくハーゲンダッツのバニラアイス)やフレッシュ・マスクメロンと共に、シュワシュワとした炭酸を感じるサプライズな一品であった。(2014年8月追加)
東山区祇園町北側347-51 第一雅ビル1階
電話番号:075-525-3327
定休日:日曜
営業時間:18時〜22時半
予算:コース15500円のみ
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座の前を過ぎて進むと、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)が見える信号があるので、その角を左折。花見小路の一つ目の信号を右折しするとすぐ左側のビル。阪急河原町駅より徒歩6分。
最寄りのランドマーク:祇園花見小路、お茶屋一力亭
お勧めポイント:シンプルな味付けながら、創意工夫が凝らされた料理が美味しい
花見小路の最初の信号を右折した小路(手前茶色いビルの行灯のある店)
タコの酢の物
ハモのにゅうめん・梅干し添え
お造り(煮アワビ、ムラサキウニ、イカ)
刻み昆布入り刺身醤油
アワビの肝醤油
本マグロの漬けの手巻き寿司
鮎の唐揚げ・万願寺唐辛子添え
蓴菜(ジュンサイ)とトマトの酢の物
穴子の蒸し物
5種類のご飯のお供(左から「カラスミ」、「本マグロの漬け」、「金山寺味噌ゴボウ」、「炊いた海苔」、「ちりめんじゃこ」)
ご飯のお供「カラスミ」と「本マグロの漬け」
ご飯のお供「金山寺味噌ゴボウ」、「炊いた海苔」、「ちりめんじゃこ」
カラスミご飯と自家製漬け物
本マグロの漬けご飯
メロンクリームソーダ
メロンクリームソーダの泡を退けたところ