とりかわ 粋恭 薬院店
薬院にある行列のできる焼き鳥店。焼き鳥の「とりかわ」が福岡名物であることを、実をいうと僕は知らなかった。ある日「秘密のケンミンSHOW」を見ていて、「とりかわ」が福岡の知る人ぞ知るB級グルメであることを知ることとなったのだが、調べてみると、この「とりかわ 粋恭(旧・権兵衛)」とこの店の出身者がやっている「かわ屋」が、福岡の「とりかわ」の2大ブランド店らしいことが分かった。「とりかわ」と言っても、通常の焼き鳥店の「皮」とは作り方が異なる。首の皮の部分をグルグルと串に巻き付け、タレを漬けては焼き、漬けては焼きを6日間繰り返し、客に出す前に再び焼いて出すのである。すると、余分な脂が落ちてカリッと香ばしく焼き上がるため、一度食べるとまた食べたくなるという逸品なのである。両店とも洗練された銘柄鶏を使用しているわけでなく、あくまでもブロイラーを使ったB級焼き鳥店である。今回、両店を訪れて食べ比べてみた結果、「とりかわ」に関しては「とりかわ 粋恭」の方がよりネットリと、「かわ屋」の方がカリッと焼かれていたが、これは好みによって評価が分かれるだろう。また、「笹身のしぎ焼き」に関しては「かわ屋」の方がよりレア感が強い。しかし「とりかわ」と「笹身のしぎ焼き」以外の焼き鳥に関してはこの「とりかわ 粋恭」の方が美味しかったので、この店の方を掲載することにした。この日は雨の日の土曜の22時頃に訪れたが、相変わらず行列できていた。店内は結構広めで、1階には大きなコの字型のカウンター席があるが、2階にも客席があるようだ。
席に着くと店員がやってきて、飲み物と「とりかわ」を何本注文するのかを聞きにくる。それほどまでに、この店に来る客は「とりかわ」目当てに来店するのである。見ていると、客一組当たり10本単位で注文するため、焼き手は常に「とりかわ」を焼いているという状態。さらに、皿に盛った生キャベツを持ってきて、口直しに塩をつけて食べるよう教えてくれる。「かわ屋」では塩でなくサッパリとしたドレッシングで食べる。オプションとして「自家製 梅くずし100円」につけて食べても良いというが、試してみたがこれはお勧めできない。
「とりかわ」は醤油ベースのタレに漬けられているせいか、噛めば噛むほどしっかりとした味がする。表面はかなり強めにカリッと焼かれているため、噛んだときの皮のネットリ感が半端でない。しかしながら、他の焼き鳥は基本的に塩味で焼かれている。「とりかわ」と並ぶ人気商品は「豚足塩焼き」と「中落ちカルビ」で、ほとんどの客が注文する。しかし、僕の一押しは何と言っても「せせり」だ。塩加減はもとより、焼き方も見事にジューシーで焼かれるため、何本でも食べたくなるような美味しさ。これこそ10本単位で注文したい逸品である。この他に、半生で焼かれた醤油ワサビ味の「笹身のしぎ焼き」や塩味の「とりはつ」や「豚バラ」などもいい。会計を告げると、無料の鶏ガラスープを出してくれる。焼酎だけは15種類あったが、日本酒など他の酒は種類が少ない。
この店はあくまでもB級グルメ店であり、長時間外で行列してまでも食べるべきというほどの店ではない。なので、予約ができる3名以上であれば必ず予約してから出かけよう。なお、この店からそれ程離れていない場所に支店の「清川店」もある。(2013年10月追加)
福岡市中央区薬院1-11-15
電話番号:092-731-1766
定休日:無休(年末年始を除く)
営業時間:17時~24時
予算:とりかわ130円、せせり100円、笹身のしぎ焼き(一皿)400円
アクセス:地下鉄七隈線、西鉄大牟田線・薬院駅を出て2つ目の信号(城東橋西)を、(ローソンを右に見ながら)右斜め方向の道を進む。150mほど進むと左側にある。薬院駅より徒歩5分。
最寄りのランドマーク:地下鉄七隈線、西鉄大牟田線・薬院駅、城東橋西交差点
お勧めポイント:福岡B級グルメのひとつ元祖「とりかわ」が食べられる店
【とりかわ 粋恭】 とりかわ
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【とりかわ 粋恭】 笹身のしぎ焼き
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