はぜや珈琲

 網走の丘の上の閑静な住宅街にある自家焙煎の珈琲店。店内には狭いながらもウィンドウ側に9席のカフェスペースがあり、店の前には緑の素敵なロケーションが広がっている。店の奥にはロースターがあり、この日はブレンドが5種類、ストレートが13 種類、計18種類の豆が。カフェスペースで頂くコーヒーは、ペーパードリップとカフェプレス式のスチームタイプのコーヒーに分けられるが、勧めはストレート豆のドリップコーヒーである。ドリップコーヒーは1杯450円で、2杯目からは300円となる。もちろん、2杯目の豆も選ぶことができる。4種あるブレンドコーヒーの中で、「あじぶか」は最も深煎りであるが、リッチな苦みと酸味のバランスが素晴らしく僕好み。しかし、ほんのりとした苦みで中煎りの「まろやかブレンド」は、中庸で特徴がなくお勧めできない。ストレート系では、深煎りの「マンデリン」はブルーマウンテンのような柔らかな酸味と甘い芳醇なアロマが心地良くお勧め。「ブラジル」は中深煎りと深煎りの2種類があるが、深煎りの「ブラジル」は酸味がほどほどあり、キリッとした苦みが強調されていながら後味にキレがあってサッパリとした感じ。どこか 宮越屋珈琲店(→ 札幌グルメバイブル・新千歳空港の頁を参照) の「フレンチブレンド」にも似た感じで、こちらも僕好みの味。中深煎りの「エチオピア」は、柔らかな酸味と妖艶なアロマ(店の説明では桃のアロマ)を感じ、こちらもお勧め。「ケニア」は凝縮された酸味と苦みを感じ、心地よい長い余韻が続く。ちなみに、「エスプレッソ」と「カプチーノ」はブレンドの違いにより「フルーティー」と「ショコラ」の2種類があるが、前述のようにお勧めではない。 
 また、スイーツの「ガトー・オ・ショコラ」は、シットリとしたチョコテリーヌのようでカカオの風味はそれ程感じられず、ちょっと物足りない感じ。「チーズケーキ」はベイクドタイプのチーズケーキで、ネットリとしたコクがある。さらに滑らかであれば完璧なのだが、十分合格点と言えよう。
 ほとんどの客は店内で飲むのではなく豆だけを購入に来る客で、年配客に人気があるようだ。もしも、決まったコーヒーがないのなら、まずは店主にロースト仕立てのストレートコーヒーを尋ねるか、その日のお勧めを聞いて、まずはそれを飲んでみるのが良いだろう。この様なハイレベルの珈琲店がなぜ網走にあるのかは分からないが、いずれにせよ、北海道トップレベルの珈琲店である。(2013年5月追加)

網走市駒場北3丁目9-7  
電話番号:0152-67-9800
定休日:日曜 
営業時間:10時〜18時(コーヒーの販売は19時まで) 
予算:ドリップコーヒー450円 
アクセス:JR網走駅を出て右へ、南中央通を「道の駅流氷街網走」方向へ進む。「網走セントラルホテル」、「ミスタードーナッツ」を過ぎ、「道の駅流氷街網走」の手前信号を右折して本通を駒場方向へ進む。片道2車線の坂を上ると「ENEOS」が見えるので道なりに左折していく。「セブンイレブン」を過ぎ、400mほど進むと「セイコマート駒場北」が見えるので、その手前の道を左折すると突き当たりにある。JR網走駅から車で5分。 
最寄りのランドマーク:道の駅流氷街網走、セイコマート駒場北 
お勧めポイント:道東エリア最高レベルの珈琲店