むろまち 加地
マンションの1階にある食べログで大人気の和食店。店内は木と白を基調とした明るい雰囲気で、手前にオープンキッチンのカウンター席が、そして奥には4人用の個室がある。この店は店主が1人で料理を造り、もう1人の男性がサービスを担当している。なので、混んでいると鳴っている電話にも対応できないくらい忙しい。
お品書きを見ると「からすみ餅」があったので、店主は「和久傳」出身かと思いきや、 「祇園 にしかわ(→ 京都グルメバイブル・日本料理の頁を参照)」 出身とのこと。お品書きの半分が酒の肴で、「祇園 にしかわ」の真骨頂である“椀もの”は見当たらず、「祇園 にしかわ」自慢の鯖寿司も今一つだった。もしかすると、店主は若いので、「祇園 にしかわ」ではそれほど長く修行していないのかも。なので、この店は“さあ!日本料理を食べるぞ〜!!”と気合いを入れて行くとちょっとガッカリする。コースを注文するのではなく、お酒を飲んで酒のアテを楽しみ、料理を何品か食べてご飯で締めるといった居酒屋的な使い方が良いのである。それを知ってか知らずか、客のほとんどは単品でいろいろ注文しながらお酒を楽しんでいた。青森の「田酒」や山形の「上喜元」、京都の「久美の浦」など日本酒は比較的揃っていて、純米を中心とした品揃え。メニューに書いていない日本酒もあるので、注文の際に店主に尋ねてみて頂きたい。
今回は“1人飯”なので、敢えてコース料理を注文。コースは基本予約が必要で5000円から注文できるが、折角なので季節の釜炊きご飯が付いた8000円のコースにした。季節のご飯(この日はじゃこご飯)は2合から1組ずつ炊かれ、僕のような1人飯の客は余ったらおにぎりにしてもらえ、お土産としてお持ち帰りができる。
料理は全体的に薄味で、もう一塩ほしいと思われる品も幾つか見受けられた。また、刺身は良かったものの、刺身に添えられた前述の鯖寿司はネタもシャリも今ひとつだった。料理はどれも京都では中の上くらいで、特に“お〜”と唸るようなものはなかったので、日本料理店として評価すれば1つ星ギリギリでもどうか?というような評価になるかもしれない。しかしながら、夜遅くまで営業していることや日本酒が比較的揃っていること、雰囲気やコストパフォーマンスも悪くないことから今回はこの評価となった。
それにしても、若い店主は料理の説明が上手く聞き取れないくらい早口でよくしゃべる方である。なので、カウンターでの1人飯であったが、彼の話や説明を聞いているだけでも退屈しなくて良かった。(2014年6月追加)
下京区松原通新町東入中野之町185
電話番号:075-353-1113(営業中は電話に出られないことも)
定休日:木曜
営業時間:18時〜23時
予算:お造り三種と鯖寿司、珍味1850円(お通し八寸は前日までの予約の方のみ)、煮穴子焼(1本)980円
アクセス:地下鉄烏丸線・烏丸五条駅2番出口を出て五条通を西へ進み、2つ目の角(OPENと書かれたビルの角、室町通)を右折する。室町通を進み、「ミニストップ」を過ぎた交差点(松原通)を左折するとすぐ左側。烏丸五条駅から徒歩4分。
最寄りのランドマーク:室町通、松原通
お勧めポイント:お酒を飲んで酒のアテを楽しみ、料理を何品か食べてご飯で締めるといった使い方がベストな店
八寸
煮ダコに真鱈の白子がかかったもの?(忘れました)
刺身の盛り合わせと鯖寿司(大根と金山寺味噌添え)
新竹の子のカブラ蒸し
和風グラタン
トキシラズの焼き物
シラスご飯
抹茶のシャーベット
お土産のシラスご飯お握り