一保堂茶舗 嘉木(かぼく)
言わずと知れた京都の有名老舗茶舗。入ると正面にお茶を販売する店舗がある。一面に茶壺が並び、歴史を感じさせる素晴らしいディスプレイ。店舗を挟んで右側にカフェ「嘉木」が、左側に試飲やテイクアウトのスペースがある。テイクアウトの容器は、意外にもスタバと同じ現代的なディスポ容器であり、現在は「煎茶・松の緑」か「極上ほうじ茶」を選択できる。
カフェは正面にL字型のカウンター席が、左奥と右奥にテーブル席がある。カフェの店名となっている「嘉木」とは、実はこの店の最上級煎茶の名前。旨味、渋み、香りが力強い煎茶であるが、フルーティーさよりもむしろ出汁のような独特の旨味を感じる。玉露の「天下一」も同様で、あまりフルーティーさや甘みは感じられない。これらは築地の有名茶舗「うおがし銘茶」のお茶に近く、お茶のフルーティーな甘さをこよなく愛する僕好みの味ではない。抹茶以外の煎茶や玉露は、店員が懇切丁寧に飲み方を説明してくれる。例えば煎茶はお茶が10g。2つのお碗を使い、お湯を交互に入れ替えてお湯を70℃まで冷ます。一度移し替えると10℃下がるという。さらに、最初の一煎目だけはキッチリ50秒待ってから急須を揺すらずに一気に注ぐ。2煎目以降は待ち時間なしで注ぐと言った具合。
僕のお勧めは「薄茶」と「濃茶」で、特に京都らしいのは「濃茶」であろう。この日頂いた京都限定の薄茶「京極の昔」は、香りが素晴らしく適度な渋みがあって口当たりが円やか。京都限定の濃茶「北野の昔」は、見た目の濃厚で鮮やかな深緑に違わず、ドロッとしたインパクトのある苦みが最初に訪れ、アフターは緑茶の心地よい華やかな香りが鼻腔に漂う。飲んだ後には残りを立て直して薄茶にしてもらえるので、2度楽しめるが、味的には「京極の昔」の方が僕好み。
ちなみに、煎茶や玉露も含めて全てのお茶にお菓子が付いている。上生菓子は日替わりで、これまで、二条城近くにある「亀廣脇」の道明寺を使ったお菓子「おみなえし」や 「本家 月餅家直正(→ 京都グルメバイブル・お土産の頁を参照)」 の「おぼろ」、「末広菓舗」の「わらび餅」などが出てきた。(2014年9月追
中京区寺町二条上ル常磐木町52
電話番号:075-211-3421
定休日:無休(年末年始を除く)
営業時間:11時〜17時
予算:薄茶「京極の昔」(お菓子付き)600円、濃茶「北野の昔」(お菓子付き)1000円
アクセス:地下鉄東西線・京都市役所駅を出て京都市役所側へ出る。京都市役所を右に見ながら、京都市役所沿いの寺町通りを北へ400mほど進むと通りが広くなり、ファミリーマートが見えるが、そこから200m先の右側。京都市役所駅から徒歩6分。
最寄りのランドマーク:京都市役所北庁舎
お勧めポイント:美味しい抹茶が頂ける京の有名老舗茶舗
入り口を入ってすぐ正面にあるショップ
ショップの左にある試飲やテイクアウトのスペース
カフェの嘉木の左側テーブル席
L字型カウンター席
カウンター席には茶釜がある
カウンター内で店員さんが薄茶と濃茶を点ててくれる
カウンター席を右側から眺める
右側のテーブル席
英語メニューもあります
薄茶と上生菓子
「亀廣脇」の道明寺を使ったお菓子「おみなえし」
濃茶は鮮やかなエメラルドグリーンでドロッとしています
飲んでも茶碗にくっついていてかなり残ります
残った濃茶を点て直して薄茶にしてもらえます
「末広菓舗」の「わらび餅」
店員が煎茶の入れ方を説明
煎茶「嘉木」のセット、茶菓子付き
茶碗に入れ替えてお湯を冷まします
煎茶一煎目
「千本玉寿軒」の銘菓「西陣風味」
煎茶二煎目
玉露 天下一
玉露一煎目
玉露二煎目
「本家 月餅家直正」の「おぼろ」