佳肴岡もと(かこうおかもと)
東山五条「妙法院」の近くにある日本料理店。日本料理店とは言っても、通常の日本料理店ではない。店主がセレクトした選りすぐりの日本酒60種類と共に、おまかせコースを楽しむ酒飲みのための日本料理店なのである。もちろん、お酒は別料金だが、徳利でも、グラスでも、お猪口でも、お好みの量を料理に合わせて飲むことができる。
店内は、L字型のカウンター席が8席のみの割烹スタイル。店主の岡本さんはまだ若いが、日本酒にかなり精通しており、僕の知らない銘柄も多数みられた。食材は主に明石から直送される魚や契約農家からの野菜などで、それを調理する店主の鮮やかな仕事ぶりを、カウンター越しに眺めることができる。
まず出てきたのは、「焼き千両茄子のピューレ」。冷たい一皿だが、サラッとしたピューレ状の焼き茄子が、実に夏らしい。続く「千葉産・黒アワビの煮アワビ」は、深みのある肝ソースとソーメンカボチャのシャキシャキとした食感が最高だった。お椀は「キスの葛うちとおかひじき」で、濃厚な出汁に包まれたキスの質が素晴らしく、本枯れ節の香りも良かった。お造りは「スズキの昆布締め」。タマネギ醤油と針ミョウガ、針カボチャと共にいただくと、ネットリ、サッパリとした味わい。さらに、八寸が長皿に一品ずつ出てきた。最初は「イワシの辛煮」。酸味のあるイワシが、まぶされた鰹節の粉の旨味と一体化した美味しさ。温かい「鱧の南蛮漬け」も、ほんのりと酸味を感じる素晴らしいアテ。「ササゲとクラゲの胡麻和え」は、単純な胡麻和えではなく、醤油が加わることで味の輪郭がクッキリとしていた。「鱧の子の卵とじと茶豆」は、柚子が香るシンプルな塩味で、これはまあまあの出来。「ハマグリの酒蒸し」は、その時に飲んでいた日本酒を使って酒蒸しにしてくれた。明石海苔の佃煮とキュウリのピューレに紫蘇の花がかかっており、一見複雑そうな味のようだが、実に調和がとれていて良かった。「冬瓜の煮物」は、鮎出汁による鮎餡がけ。ガラス細工のようにとても繊細な出汁であった。「鯖の棒寿司2種」は、思ったほど脂がのってなく、酢飯も今一つの出来。「鹿児島産地鶏の清湯スープと米粉麺」には、気仙沼産フカヒレが入っていたが、乾物の旨味による重層感はなかった。デザートの一品目の「ピオーネとデラウェア」は、白ワインが深みを与えていた。二品目の「煎った玄米粉の蒸し饅頭」は、丹波大納言小豆の香りは良かったが、皮はシットリしていない。
それにしても、店主は日本酒に造詣が深いだけでなく、料理の塩味もピッタリでセンス抜群。さらに、酒飲みの心をつかむテクニックを持ち合わせているようだ。カウンター席で日本酒を飲める日本料理店としては、「祇園楽味(→ 京都グルメバイブル・日本料理の頁を参照)」とともにお勧めである。また、店主も女将もとてもホスピタリティーがあり、一人で訪れる店としてもお勧めできる。(2019年9月追加)
東山区常盤町470-4
電話番号:075-551-1055
定休日:月曜、最終週の日曜
営業時間:17時半〜22時
予算:飲み物込みで17000円
アクセス:京阪本線・五条駅出入口1を出て、五条通りを東側(鴨川と反対方向)へ向かう。「東山郵便局」、歩道橋、「金光院」を過ぎて「東山五条交差点」を右折し、1つ目の信号「馬町交差点」を左折すると右側にある。五条駅より徒歩15分
最寄りのランドマーク:東山郵便局、東山五条交差点、馬町交差点
お勧めポイント:日本酒ラヴァーのための日本料理店
東山五条「妙法院」の近くの・・・
ココです!
店内はL字型のカウンター席が8席のみの割烹スタイル
まず出てきたのは、「焼き千両茄子のピューレ」。冷たい一皿だが、サラッとしたピューレ状の焼き茄子が、実に夏らしい
日本料理店とは言っても、通常の日本料理店ではない。店主がセレクトした選りすぐりの日本酒60種類と共に、おまかせコースを楽しむ酒飲みのための日本料理店なのである。料理に合わせた最初のお勧め日本酒
「千葉産・黒アワビの煮アワビ」
深みのある肝ソースとソーメンカボチャのシャキシャキとした食感が最高だった
続くお勧めの日本酒はこちら
お造りは「スズキの昆布締め」
タマネギ醤油と針ミョウガ、針カボチャと共にいただくと、ネットリ、サッパリとした味わい
さらに、八寸が長皿に一品ずつ出てきた
最初は「イワシの辛煮」。酸味のあるイワシが、まぶされた鰹節の粉の旨味と一体化した美味しさ
温かい「鱧の南蛮漬け」も、ほんのりと酸味を感じる素晴らしいアテ
更にお勧めの日本酒はこちら
「ササゲとクラゲの胡麻和え」は、単純な胡麻和えではなく、醤油が加わることで味の輪郭がクッキリとしていた
「鱧の子の卵とじと茶豆」は、柚子が香るシンプルな塩味で、これはまあまあの出来
「ハマグリの酒蒸し」
その時に飲んでいた日本酒「赤い糸」を使って酒蒸しにしてくれた。一瞬にして水蒸気が・・・
明石海苔の佃煮とキュウリのピューレに紫蘇の花がかかっており、一見複雑そうな味のようだが、実に調和がとれていて良かった
再びお勧めの日本酒が登場
「冬瓜の煮物」は、鮎出汁による鮎餡がけ。ガラス細工のようにとても繊細な出汁であった
「鯖の棒寿司2種」は、思ったほど脂がのってなく、酢飯も今一つの出来
「鹿児島産地鶏の清湯スープと米粉麺」には、気仙沼産フカヒレが入っていたが、乾物の旨味による重層感はなかった
デザートの一品目の「ピオーネとデラウェア」は、白ワインが深みを与えていた
二品目の「煎った玄米粉の蒸し饅頭」は、丹波大納言小豆の香りは良かったが、皮はシットリしていない