元祖旭川 かとうらーめん 手稲本店

 手稲にある旭川ラーメンの店。この店は文字通り旭川の加藤ラーメン系のラーメン店である。実は、旭川の老舗製麺所「加藤ラーメン」の先代である2代目社長の長男が現在の「加藤ラーメン」の社長であり、次男が「味乃やまびこ」というラーメングループ店を率いているのである。「味乃やまびこ」系ラーメン店は、 「味乃やまびこ(→ その他北海道の旨い店・道北版を参照)」 と 「工房 加藤らーめん(→ その他北海道の旨い店・道北版を参照)」 という2つのブランド名を持つが、基本的な味はほぼ同じである。そして三男が経営するのが「元祖旭川 かとうらーめん」であり、旭川の本店と手稲本店、月寒店の3つがある。店内は広いL字型のカウンター席のみで、店主は釣りが趣味なのか?店内には魚の写真があったり、気まぐれメニューのご飯に「ブリのヅケ丼」などが出てきたりする。
 加藤ラーメン名物の「醤油らーめん」は、味噌ラーメンのように混濁した焦げ茶色のスープが特長。豚骨ベースでありながらトンコツ臭さは一切なく、魚介系素材のバランスも良い。加藤ラーメン系なので、もちろん麺は中細の自家製縮れ麺。小麦を感じてほしいという店主の思いから“かん水”を極限まで減らして作っているらしい。コシのない典型的な旭川ラーメンの麺ではあるはが、スープとの相性は良く、スープに上手く絡む。チャーシューはいたって普通で、トロッとしている加藤ラーメン系のチャーシューとしてはイマイチ。
 「生姜醤油らーめん」は、刻み生姜が浮かぶ醤油ラーメン。醤油味の“生姜ラーメン”と言えば、旭川の「みづの」が有名であるが、こちらの方がスープが濃厚なだけにむしろインパクトあり、バランスも良く僕の1番のお勧め。塩ラーメンは基本的に混濁してコクのある「とん塩らーめん」とサッパリと透明な「潮らーめん」の2種類があるが、「とん塩らーめん」の方がお勧め。「潮らーめん」は自体は物足りないので、「潮らーめん」にしたいのなら、高菜入りの「高菜潮らーめん」の方がアクセントがあっていい。味噌系ラーメンは「味噌らーめん」と少しトロミが加わった「じいちゃん」、そして辛みがアクセントになった「ちょび辛」、さらに「担坦麺」の4種類がある。オーソドックスなタイプの味噌スープはどれも美味しいものの、中細の自家製麺には全くマッチしていない。
 この店のもう一つの名物「いつもの奴」は、いわゆるスープを使った“おじや”のことで、麺を食べ終えたスープにご飯とネギ、刻みチャーシューを加え、卵でとじて作る。ラーメンを食べた後の締めには最高の一品であるが、塩スープよりも醤油スープで作る「いつもの奴」の方が美味しい。(2013年12月追加)

手稲区前田5条6丁目3-30  
電話番号:011-684-8308
定休日:水曜、第3火曜
営業時間:【平日】11時半〜15時、17時〜19時45分、【土日・祝日】11時半〜19時45分
予算:生姜醤油らーめん750円、いつもの奴200円
アクセス:札幌中心部から下手稲通を手稲方面へ進む。「札樽自動車道」、「ホクレンショップ」、「スーパースポーツゼビオ」、「札幌秀友会病院」を過ぎ、橋を下るとすぐ左側。JR稲積公園駅から約1㎞。
最寄りのランドマーク:下手稲通、札幌秀友会病院
お勧めポイント:札幌で味わえるオリジナリティのある旭川ラーメン