彩小鉢

 帯広郊外の住宅街にある完全予約制の日本料理店。とても分かりづらい場所にあるので、初回は是非タクシーで行くことをお勧めしたい。喫茶店のような建物のドアを開けると、天井が高く快適な空間。靴を脱いで小上がりに上がる。この日は3名でお邪魔したのだが、十分な間隔を空けて3名用の椅子とテーブルだけが配置されていた。基本的に一組限定の貸し切りで、相席はないようだ。コロナ禍の時代にはありがたいが、逆に、1名では入店できないという問題点も。
 お酒のメニューをみると、日本料理店とは思えないほどアルコール類が充実している。ビールや日本酒、焼酎、ウイスキー、ブランデーなどいろいろとあるが、ワインだけはない。ビールは何故か「網走ビール」で、とりわけ日本酒の充実度が半端ない。あまり見かけることがない三重の「而今」や、福井の「黒龍」、山形の「十四代」などが、1杯売りや四合瓶売りのリストに掲載されている。
 この日は、事前予約した1万円のコース。先付は「季節の果物の白和え」で、この店の名物料理である。果物の白和えは、ネットリ系の柿で味わったことがあるが、シャインマスカットや梨、苺など果汁のある果物との組み合わせは初めて。続く前菜は「アワビ素麺」と「京生麩の田楽」。「アワビ素麺」は、細く切られたアワビに、擦られたつくね芋が掛かっている。肝醤油に漬けていただくと、食感も含めて最高。また、「京生麩の田楽」も、味噌の甘さが抑えられていて良かった。吸い物は、「羅臼産ブリと松茸のお澄まし」。羅臼産ブリは、後からお澄ましに入れてしゃぶしゃぶの様にポン酢で食べる。出汁の引き方が秀逸で、松茸の香りも加わって素晴らしい出来だった。お造りは2段重になっていて、上段は「唐津産のクエ」、下段は「大間産本マグロの中トロと羅臼産ブリ、明石産天然鯛」。箸休めの「丹波産利平栗の渋皮煮」と「本別産白花豆のおはぎ」を挟んで、焼き物の「近江牛のサーロイン」へと続く。とくに、レアに焼かれた近江牛はトロトロで美味しかった。締めの御飯は、「三重県産の煮蛤」と「淡路産の煮穴子」の握り。水菓子はなく、これにて終了となった。
 それにしても、地方都市で真っ当な日本料理とクオリティーの高い日本酒を共にいただくことができる店は非常に珍しく、日本酒好きにとっても堪えられない店である。(2022年11月追加)

帯広市西十三条南3丁目2-38 
電話番号:0155-36-3560
定休日:不定休
営業時間:相談に応じて
予算:コース8000円から応相談
アクセス:帯広駅からタクシーで1000円くらい
最寄りのランドマーク:ツルハドラック帯広西12条店、フクハラ西12条店
お勧めポイント:日本酒のセレクトが素晴らしい完全予約制の日本料理店

帯広郊外の住宅街にある完全予約制の日本料理店。とても分かりづらい場所にある喫茶店のような建物のドアを開けると、天井が高く快適な空間 この日は、事前予約した1万円のコース お酒のメニューをみると、日本料理店とは思えないほどアルコール類が充実している。ビールや日本酒、焼酎、ウイスキー、ブランデーなどいろいろとあるが、ワインだけはない。ビールは何故か「網走ビール」で、とりわけ日本酒の充実度が半端ない あまり見かけることがない三重の「而今」や、福井の「黒龍」、山形の「十四代」などが、1杯売りや四合瓶売りのリストに掲載されている 先付は「季節の果物の白和え」で、この店の名物料理である。果物の白和えは、ネットリ系の柿で味わったことがあるが、シャインマスカットや梨、苺など果汁のある果物との組み合わせは初めて続く前菜は「アワビ素麺」と「京生麩の田楽」 「アワビ素麺」は、細く切られたアワビに、擦られたつくね芋が掛かっている。肝醤油に漬けていただくと、食感も含めて最高 「京生麩の田楽」も、味噌の甘さが抑えられていて良かった 吸い物は、「羅臼産ブリと松茸のお澄まし」 羅臼産ブリは、後からお澄ましに入れてしゃぶしゃぶの様にポン酢で食べる 出汁の引き方が秀逸で、松茸の香りも加わって素晴らしい出来だったお造りは2段重になってる 左が上段、右が下段 上段は「唐津産のクエ」 下段は「大間産本マグロの中トロと羅臼産ブリ、明石産天然鯛」 箸休めの「丹波産利平栗の渋皮煮」と「本別産白花豆のおはぎ」を挟んで・・・ 焼き物の「近江牛のサーロイン」へと続く レアに焼かれた近江牛はトロトロで美味しい 締めの御飯は・・・三重県産の煮蛤」と「淡路産の煮穴子」の握り。水菓子はなく、これにて終了