心生 麺商人

 熊本で話題の津軽ラーメンの専門店。実はこの店、昼は津軽ラーメンの店「心生 麺商人」として、夜はまぜそば専門店「夜の麺商人」として営業する二毛作店なのである。コンクリートの打ちっ放しの店内は、2人用のテーブル席とカウンター席しかなく、ラーメン店としては箱が小さめ。
 「津軽(青森)ラーメン(→ その他日本の旨い店・青森県の頁を参照)」とは、青森市や弘前市を中心とした青森県各地で食べられている醤油ラーメンのこと。その特徴は、何と言っても「煮干し」や「焼き干し」を使用していることであろう。「焼き干し」とは、むつ湾で捕れた良質なイワシのハラワタを取って素焼きにし、それを干して作ったもの。煮干しに比べるとエグ味が少なく、上品な味がする。「日本蕎麦の汁にラーメンを入れているのでは?」と思うくらいスープが澄んでサッパリとした魚介系ラーメンであり、老舗ラーメン店はこのタイプのスープが多い。その一方、最近増えてきたのは、「煮干し」をふんだんに使用したニューウェーブ系である。これらのスープは多量の煮干しを使用しているため、麺が見えないくらい濁っている。「鬼にぼし」とか「こいくち」などと呼ばれ、マニア向けの超濃厚煮干しスープなのである。サッパリ系には細麺あるいは中細麺が使用されることが多いが、これら濃厚系の煮干しスープには、太麺が使用されることが多い。
 この店では両方のスープを味わえるが、煮干しマニアではない限り、濁った「極濃煮干し」ではなく、清湯系の「煮干し中華そば(きほん)」か「背脂煮干し」をお勧めしたい。出汁を味わって欲しいという店主が作るスープは、単に無化学調味料というだけでなく、青森でもなかなか味わったことがないほどの洗練された清湯スープに仕上がっている。自家製麺なのか?モチモチで弾力のある麺は、僅かに縮れていて、太麺にしてはやや細め、中太麺にしてはちょっと太めといったところ。その食感は、津軽ラーメンの太麺と共通する食感がある。また、「背脂煮干し」は今回食べていないが、恐らく津軽ラーメンでいう「バラそば」をイメージしたものと思われる。むしろ、こちらの方が、「煮干し中華そば(きほん)」で感じた物足りなさを補ってくれるものと思われ、よりお勧めできるかも。ちなみに、トッピングでいただいた煮卵も抜群に美味しかった。
 今回は時間の関係上、夜のまぜそばの方は取材していないが、まぜそばに興味のある方はこちらも是非試してみて欲しい。(2019年4月追加)
https://ameblo.jp/miyuco-house/

熊本市中央区出水3丁目4-18  
電話番号:096-364-6377
定休日:木曜(不定休あり)
営業時間:11時~14時半
予算:煮干し中華そば(きほん)680円
アクセス:熊本市電・水前寺公園電停で降り、「出水一丁目交差点」を「松永歯科」の看板が見える斜め通りを進む。道なりに進み、右に熊野坐神社を見ながら更に進むと、セブンイレブンが見えるので、その交差点にある。水前寺公園電停から徒歩6分
最寄りのランドマーク:出水一丁目交差点、熊野坐神社
お勧めポイント:熊本では珍しい津軽ラーメンが食べられる

セブンイレブンのある交差点近くにあります 焼き鳥店の隣です ココです! 店の前にあるボードには、煮干し中華そばと無化学調味料の表示が・・・ コンクリートの打ちっ放しの店内は、2人用のテーブル席とカウンター席しかなく、ラーメン店としては箱が小さめ レギュラーメニュー 季節のメニュー 「極濃煮干し」に関する注意書き 有名店にありがちな有名人の色紙 「煮干し中華そば(きほん) スープは澄んでいて、煮干しラーメンにしては、かなり洗練された味わいに仕上がっている モチモチで弾力のある麺は、僅かに縮れていて、太麺にしてはやや細め、中太麺にしてはちょっと太めといったところトッピングした「煮卵」。味付けや火の通し方が完璧。お勧めだ