更來(さらい)

 2013年に北見市端野町にオープンした蕎麦店。国道から少し入った住宅街にあり、プレハブのようなチープな外観だが、実はこの店、北見・網走エリアでナンバーワンの蕎麦店なのである。久々に訪れてみるとが、全て小上がりだった店内が改装され、しっかりと新北海道スタイルのコロナ対策がされていた。店内は、左側がカウンター席とテーブル席にリニューアルされ、右側は小上がりがそのまま残っている。

 メニューを見ると、地元食材を使ったいろいろな品々が並んでおり、地産地消にこだわった蕎麦店のようだ。蕎麦は3種類の中から選ぶことができ、2種盛や3種盛にすることもできる。美幌産キタワセの抜き実の二番粉(並粉)を使った中細麺「美」、一番粉を使った真っ白い極細の更級「更」、そしてそば殻を挽き込んだ黒く太い生粉打ちの田舎「黒」がある。僕のお勧めは、冷たい蕎麦も温かい蕎麦も「美」である。「美」は、輪郭のハッキリした食感や喉ごしが最高である。極細の「更」も悪くはないが、多少物足りなさを感じてしまう。「黒」は温冷どちらで食べても食感がイマイチだったので、お勧めできない。


 この店の素晴らしいところは、本格的な江戸前蕎麦店でしか味わうことができない辛口の蕎麦つゆである。本枯節が香るキリッと締まったつゆは、僕の理想とする蕎麦つゆである。食べ慣れていない客のために、“蕎麦を少しだけつゆに浸して食べるように”という注意書きもある。それでも塩分が強いと感じる方のために、蕎麦つゆを割る出汁も添えられている。
 この店の僕のお勧めは、冷たい蕎麦の「小海老の天ざる」と「もり玉」、そして「北海道せいろ」。とくに、カリッと揚げられたプリプリの小海老の天ぷらが美味しいので、「もり玉」に「小海老の天ぷら」を別注文するという欲張りなセットでも良いだろう。天つゆも出てくるが、やはり辛口の蕎麦つゆでいただくのがお勧め。「もり玉」は、平飼い自然卵で知られる「ポカラ農園」の温泉玉子を使用しており、まずは江戸前風の辛めのつけ汁でいただき、その後は温泉玉子を入れたつけ汁でいただくと2倍楽しめる。「北海道せいろ」は鴨せいろの豚肉バージョンであり、温かい汁に地元産のゴボウと豚肉が入っている。これが意外とコクがあって美味しい。最後に、冷たい蕎麦のつけ汁を濃厚な蕎麦湯で割っていただくと、一層満足感が高まる。
 食後に、温かい蕎麦茶とともに蕎麦の実入り「蕎麦くっきー」がサービスで供される。スタッフのサービスも行き届いており、外観からは想像できないくらい素晴らしい蕎麦店である。(2021年7月更新)

北見市端野町3区485-3  
電話番号:070-5068-1133
定休日:月曜(祝日の場合には翌日)、第4火曜
営業時間:【火曜〜金曜】11時〜15時、【土日】11時〜17時
予算:小海老の天ざる(美幌産中細麺)1480円、小海老の天ぷら(単品)700円
アクセス:JR石北本線・端野駅から徒歩5分
最寄りのランドマーク:JAきたみらい端野町SS、北見市立端野中学校
お勧めポイント:地産地消にこだわった蕎麦店

大きな通りから入った住宅街にあります ここです 3種類の蕎麦を選べる 改装された左側のテーブル席 メニュー「冷たい蕎麦1」。冷たい蕎麦は、3種類の蕎麦の中から選べる メニュー「冷たい蕎麦2」 メニュー「温かい蕎麦1」。温かい蕎麦は、2種類の蕎麦の中から選べる。 メニュー「温かい蕎麦2」 メニュー「ご飯もの」 メニュー「蕎麦のトッピング・追加の薬味」 メニュー「お土産品」 この店で使用している素材 新北海道スタイルでコロナ対策もバッチリ 僕の一押しの冷たい蕎麦「小海老の天ざる」。「美」と「更」の2種盛り 「冷やかし」 ぶっかけと思いきや、冷たい蕎麦の上に、甘辛く炒められた鶏のスライスがのったものだった。この組み合わせはイマイチ相性が良くなくお勧めできない。また、親鳥はかなり硬いので若鶏に変更することをお勧めする 温かい蕎麦「おやこ」。ふわふわの卵とじと若鶏の相性が抜群 「小海老天丼(ハーフ)」。プリプリの海老が美味しい <!–
蕎麦は3種類


カウンター席

テーブル席

冷たい蕎麦のメニュー1

冷たい蕎麦のメニュー2

貼ってある紙には薬味のトッピングメニューが・・・

温かい蕎麦メニュー1

温かい蕎麦メニュー2

酒のアテのメニュー

宴会用メニュー

–> 「北海道せいろ」の「黒」と「更」2種盛り。酢の容器のようなものは、つけ汁を割るためのだし汁 そば殻を挽き込んだ黒くて太い生粉打ちの田舎「黒」は、食感がイマイチ 一番粉を使った真っ白い極細の更級「更」は悪くない 通常のつけ汁も付いてくるので両方で楽しめる。つけ汁は江戸前風の本格的な辛めのつゆで美味しい。この塩分に慣れない地元の方向けに、割り出汁も付いてくるという細やかな配慮も・・・ 鴨せいろの豚肉バージョンで、温かい汁に地元産のゴボウと豚が入っている 今流行の蕎麦粉を加えた濃厚な蕎麦湯も甘味があって美味しい 「北見かきあげ(せいろ)」の「美」と「更」。つけ汁にドップリと蕎麦を浸して食べたいという方のために、酢のように見える容器には、塩分調整のための出汁割りが入っている。 地元の美幌産蕎麦の抜き実の二番粉(並粉)を使った中細麺「美」と、一番粉を使った真っ白い極細の更級「更」 「美」のアップ 北見産のホタテと玉葱のかきあげは悪くないが、お勧めと言うほどではない 温かい「北海道カレー(そば)」 かけそばにポークカレーがかかっている分離タイプ スパイシーさはなく、「黒」でいただいたがイマイチ ポークはバラ肉 国産ババ鶏(親鳥)を使った温かい「かしわ(そば)」は、良い出汁が出ていて美味しいが、肉が硬く食感が良くない。味の良い国産ババ鶏(親鳥)は、スープを取るだけの素材として使用した方が良いのではと思う