閉店 氷屋mococo
日本でかき氷店が登場したのは明治2年とのことであるが、我々昭和世代のかき氷と言えば、イチゴやメロンなど鮮やかな色のシロップと練乳を使ったかき氷であろう。これらは、主に和風甘味処やフルーツパーラーなどで、暑い季節に提供されていた。しかし、2003年に通年してかき氷を提供する専門店が出現するようになると、これまでの定番かき氷に加えて、自家製のフルーツソースや果肉を使ったかき氷が登場するようになった。さらにその後のインスタ映えブームによって、クリームやエスプーマなどを使った色鮮やかなフルーツパフェのようなかき氷へと進化した。これにより、ジェラートとフルーツパフェの両方を食べたような満足感が得られ、今や若者を中心に大人気のスイーツとなっている。
氷屋mococoは、今年6月に円山にオープンしたかき氷専門店である。店内はウッディな落ち着いたインテリアで、イートインスペースがある。壁に沿ってパーティション付きのカウンター席が5席と、中央に4人掛けのテーブル席が1つという小さな店であるが、店外のテラス席でも食べることもできる。しかしその場合はテイクアウト用の使い捨て容器となってしまうので、フォトジェニックな写真を撮りたいという方は、是非店内でいただきたい。
先ずは注文カウンターでオーダーし、支払いを済ませ、番号札を受け取る。これは札幌で一番人気のかき氷店「氷処さゆり(現在取材中)」と同じスタイル。メニューを見ると、全てが季節のフルーツを使ったかき氷で、8月現在は「いちごミルク」、「ブルーベリーチーズ」、「オレンジレアチーズ」、「グレープフルーツティー」、「カシスミルクティー」の5種類がある。店の一番人気は「いちごミルク」と「ブルーベリーチーズ」であるが、僕のお勧めは、「オレンジレアチーズ」、「グレープフルーツティー」、「いちごミルク」、「ブルーベリーチーズ」、「カシスミルクティー」の順である。かき氷は小さな容器からはみ出すようにボリューミーに盛られているので、一方から食べ進めると、もれなく崩れて容器外に落下してしまう。なので、その場合は食べるバランスこそ良くないが、頂上から食べ進めながら内側に崩して食べなければならない。
「いちごミルク」のソースは、クラッシックなイチゴシロップではなく、果実のフレッシュ感を残したイチゴソースである。イチゴジャムとは全く異なり、くどくなく甘さも絶妙。「ブルーベリーチーズ」のソースはかなり濃厚で、甘みも強い。中に入っているグラノーラの硬い食感も良くない。僕の一押しの「オレンジレアチーズ」は、上にミルクエスプーマがのり、レアチーズミルクとオレンジソースがかかった氷の中には、ゴロゴロとしたサイコロ大のオレンジ果肉とヨーグルトクリームが入っている。フルーツパフェのような果実感とオレンジやヨーグルトの爽快感が相まって最高である。「グレープフルーツティー」は、最上部にアールグレイエスプーマと果肉がのり、かき氷のベースとなる味は、グレープフルーツソースと練乳ミルクである。甘酸っぱいグレープフルーツソースを練乳ミルクが包み込んで爽やかに仕上がっている。「カシスミルクティー」は、氷にかかっているミルクティーシロップが味薄めで、言われなければ何だか分からないくらいカシスクリームとのバランスが悪い。
かき氷を評価する上での最大のポイントは、削った氷のフワフワ感にあるが、それは台湾かき氷の様な薄くドライなフワフワ感ではダメである。インスタ映えするような大きな盛り付けは、どうしても削った氷を圧して形成する必要があるため、削った氷のふわふわ食感が犠牲になってしまう。シロップがこれだけ美味しいソースへと進化し、素晴らしい味わいなったにも関わらず、3つ星になれない理由は正にここにある。僕的には、仙台の「かき氷 梵くら(→ その他日本の旨い店・宮城県を参照)」のような、必要最低限の圧を加えただけのかき氷の方が好みである。
ちなみに、札幌で大人気の「氷処さゆり」は前日のネット予約が必要であり、予約も瞬時に一杯となってしまうため、ハードルが高く行く気が失せてしまう。現時点で同等な評価であり、ネット予約の必要のないこちらの店の方がお勧めである。しかしながら、こちらの店も1杯作るのに5分くらいを要するため、時間に余裕のない方は、開店10分前に行くことをお勧めしたい。(2022年月追加)
中央区南3条西20丁目3-27
電話番号:011-676-5012
定休日:不定休
営業時間:10時〜19時(売り切れ終了)
予算:いちごミルク1200円、オレンジレアチーズ900円
アクセス:地下鉄東西線・西18丁目駅1番出口を出て、大通を「札幌市医師会館」方向へ向かう。「ホンマ矯正歯科」の交差点を左折し、西20丁目通を南へ進む。セイコマートのある裏参道(南1条通)を右折し、「PASS BYビル」前のT字路を左折する。和菓子店「嘉心」、「瑞龍寺」を過ぎると左にある。地下鉄東西線・西18丁目駅から徒歩5分
最寄りのランドマーク:裏参道(南1条通)、瑞龍寺
お勧めポイント:今流行のインスタ映えするフルーツかき氷店
今年6月に円山にオープンしたかき氷専門店
マンションの1階にあるココです!
店内はウッディな落ち着いたインテリアで、イートインスペースがある
壁に沿ってパーティション付きのカウンター席が5席と、中央に4人掛けのテーブル席が1つという小さな店
メニューを見ると、全てが季節のフルーツを使ったかき氷で、8月現在は「いちごミルク」、「ブルーベリーチーズ」、「オレンジレアチーズ」、「グレープフルーツティー」、「カシスミルクティー」の5種類がある
先ずは注文カウンターでオーダーし、支払いを済ませ、番号札を受け取る。これは札幌で一番人気のかき氷店「氷処さゆり(現在取材中)」と同じスタイル
「いちごミルク」。ソースは、クラッシックなイチゴシロップではなく、果実のフレッシュ感を残したイチゴソースである。イチゴジャムとは全く異なり、くどくなく甘さも絶妙
「ブルーベリーチーズ」。ソースはかなり濃厚で、甘みも強い。中に入っているグラノーラの硬い食感も良くない
僕の一押しの「オレンジレアチーズ」
上にミルクエスプーマがのり、レアチーズミルクとオレンジソースがかかった氷の中には、ゴロゴロとしたサイコロ大のオレンジ果肉とヨーグルトクリームが入っている。フルーツパフェのような果実感とオレンジやヨーグルトの爽快感が相まって最高
「グレープフルーツティー」。最上部にアールグレイエスプーマと果肉がのり、かき氷のベースとなる味は、グレープフルーツソースと練乳ミルクである。甘酸っぱいグレープフルーツソースを練乳ミルクが包み込んで爽やかに仕上がっている
「カシスミルクティー」。氷にかかっているミルクティーシロップが味薄めで、言われなければ何だか分からないくらいカシスクリームとのバランスが悪い
比較対象である、札幌で一番人気のかき氷店「氷処さゆり(現在取材中)」の「プラムヨーグルト」
「氷屋mococo」よりも氷の削り方が若干であるが柔らか