熊本の地鶏・天草大王専門店 とさか

 熊本市唯一の「天草大王」専門の焼き鳥店。今年で開店10周年を迎えたようだが、ここに移転してからは6年目だそうだ。「天草大王」とは、明治時代に長崎・島原経由で中国から輸入されたランシャン種を、天草地方で大型に改良したもの。昭和の時代に絶滅したが、その後、熊本県農業研究センターでランシャン種とシャモ、熊本コーチンなどを掛け合わせて復元に成功し、2004年に地鶏と認定された。
 ジャズが流れる店内は、カウンター席のみで、木の温もりを感じるアーティスティックなデザイン。聞くところによると、旅館の倉庫だったところをデザイナーに依頼してリノベーションしたという。奥の椅子だけ異質なベンチタイプのソファーになっており、予約の段階で空いていれば是非座ってみてほしい。
 メニューを見ると、店主のこだわりが感じられる品々が並んでいる。焼き鳥はコースだけでなく、アラカルトでも注文できるようだが、値段の表示がない(300〜600円)。なので、先ずはコースでいただき、気に入ったものや未だ食べていないものを、追加注文すれば良いだろう。この日のアラカルトは、「ももみ」、「つくね」、「ささみ」、「手羽先」、「ふりそで」、「げんこつ」、「ぺた」、「ちぎも(レバー)」、「せぎも(腎臓)」すなぎも」、「ちょうちん」、「しいたけ」、「ナス」、「ネギ」、「うずら玉」など。アルコール類はいろいろとバラエティに富んでおり、ワインは日本人バイヤーが買い付けたという自然派ワイン(ボトル価格3600〜8300円)がラインナップ。グラスワインは赤白3種ずつあり、テーブルチャージは350円となる。
 まず、コースの最初に出てきたのは「野菜サラダ」で、ドレッシングがサッパリとしていて美味しい。「ふりそで」は弾力がありながら柔らかく、脂がのっていて肩肉のよう(お勧め)。「せぎも」は鶏の腎臓であるが、レバーのような苦みがなく、とろけるように美味しい(お勧め)。甘さ控えめのタレともよく合うが、一味をかけて食べれば更に美味しくいただける。「ささみ」は真ん中にシソを挟んでいるが、レアな食感も含めて文句なしの美味しさ(お勧め)。「ももみ」は意外にジューシーさがなく、味に深みもなかった。「つくね」は軟骨入りで、ジューシーさこそないが、前述のタレが全体を上手くまとめている。「芽キャベツ」はそのままの味。「げんこつ」はいわゆる膝軟骨。軟骨の食感とボンボチの脂が一体となったような感じで、あまりに美味しかったので後で再度注文した。そして、サッパリとしたスープでコースは終了となる。
 一品メニューの中では、「骨付き肩肉の燻製」は人気のため、売り切れだった。「とりわさ」は、醤油が甘い九州醤油なので好みが分かれるかも。「とろ皮味噌煮込み」は、皮はトロトロで柔らかいが、味噌と合っているかと問われれば、悪くはないが「とろ皮トマト煮込み」の方が良いかも。また、本来ならば、カシミール風の「〆カレー」で締めるのが定番らしいが、今回は売り切れだったため、熊本米を使用したという「そぼろごはん」を注文。意外にも、甘じょっぱい醤油味ではなく、鶏の風味と旨味が感じられる薄醤油味だった。一味を入れて食べたら、さらに美味しかった。店主によると、現在はキーマカレーを研究中とのことのなので、その完成が楽しみである。「自家製 とろけるプリン」は、甘さ控えめで、デザートにふさわしいトロトロプリンだった。
 店主は一見すると寡黙そうに見えるが、実によくしゃべってくれて親しみやすかった。そのせいなのか、この店の半分以上の客は常連客である。ちなみに、この店の支払いは現金のみなのでご注意を。(2019年3月追加)

熊本市中央区上通町7-35  地図 
電話番号:050-5596-8088
定休日:日曜(月曜が祝日の場合には営業し、月曜が休み)
営業時間:18時〜22時
予算:焼き鳥コース(焼き物7種+スープ)2700円
アクセス:熊本市電・通町筋電停で降り、上通アーケードを進む。大谷楽器のある交差点を右折すると、左側に「和数寄 司館」があるので、そこの1階の飲食街にある。通町筋電停から徒歩3分
最寄りのランドマーク:上通アーケード
お勧めポイント:熊本のブランド地鶏・天草大王の焼き鳥が食べられる

この建物の1階横の・・・ 通路にあります ココです! メニューメニュー  メニュー グラスワインのメルロー。香り、バランスともに良かった コースの最初に出てきたのは「サラダ」。ドレッシングがサッパリとしていて美味しい 「ふりそで」は弾力がありながら柔らかく、脂が乗っていて肩肉のよう。お勧め! 「せぎも」は鶏の腎臓であるが、レバーのような苦みがなく、とろけるように美味しい。甘さ控えめのタレともよく合うが、一味をかけて食べれば更に美味しくいただける。お勧め! 「ささみ」は真ん中にシソを挟んでいるが、レアな食感も含めて文句なしの美味しさ。お勧め! 「ももみ」は意外にジューシーさがなく、味に深みもなかった 「つくね」は軟骨入りで、ジューシーさこそないが、前述のタレが全体を上手くまとめている 「芽キャベツ」はそのままの味 「げんこつ」はいわゆる膝軟骨。軟骨の食感とボンボチの脂が一体となったような感じで、あまりに美味しかったので後で再度注文 サッパリとしたスープでコースは終了 「とりわさ」は、醤油が甘い九州醤油なので好みが分かれるかも 「とろ皮味噌煮込み」は、皮はトロトロで柔らかいが、味噌と合っているかと問われれば、悪くはないが「とろ皮トマト煮込み」の方が良いかも 熊本米を使用したという「そぼろごはん」を注文。意外にも、甘じょっぱい醤油味ではなく、鶏の風味と旨味が感じられる薄醤油味だった「自家製 とろけるプリン」は、甘さ控えめで、デザートにふさわしいトロトロプリンだった