甘納豆かわむら
甘納豆は古くからある伝統的な食べ物であるが、実際のところ、滅多に食べる機会がない。北海道のローカルフードとして知られる“甘納豆入り赤飯”や、日本料理店などで“煮豆”を食べる機会はあっても、甘納豆を食べることはないのである。これまで僕が食べて美味しいと思った甘納豆は、山形 「老舗 長榮堂(→ その他日本の旨い店・山形県の頁を参照)」 と「山田屋 ふうき豆本舗」の“富貴豆(青えんどう豆の甘納豆)”くらい。
今回、金沢の川口先生が贈ってくれた「甘納豆かわむら」の甘納豆は、とてもバラエティに富んでいて、これまで食べた甘納豆のベストと言っても良いくらい洗練された味わいだった。また、味だけではなく、パッケージも洒落ている。今回は、頂いた甘納豆を全種類一気に開けて医局員や秘書たちと食べ比べてみた。実は、甘納豆というジャンルの品を、これほど一気に食べ比べてみたのは初めて。その結果、僕の選ぶベストアイテムは、小さな壺に入った「豆壺(まめつぼ)」だった。小豆の他、白く大ぶりの“白花豆(白インゲン豆)”と茶色い“金時豆(赤インゲン豆)”が入っている。とりわけ、白花豆はフックラしていながら深いコクがあって素晴らしい。素朴でありながら、豆の美味しさがストレートに伝わってくる。
次に良かったのは「大浜の黒豆」。少しシワがあるドライタイプなので、他の豆と異なり、食感もしっかりとしている。噛んでいるうちに、タンニンの深くリッチな味わいが口の中を包みこむ。その他のお勧めは、「能登大納言」と「大粒隠元 白花美人」、そして唯一甘納豆ではない「糖菓子 いよかん」。「能登大納言」は、小豆の香りが濃縮されていて美味しい。名古屋名物の小倉トーストとして、バタートーストの上に載せて食べても最高であろう。「大粒隠元 白花美人」は、最も大きな白インゲン豆で、こちらも食感がしっかりとしている。白系の豆とは思えないくらいのコクがあり良かった。「糖菓子 いよかん」は、柔らかな苦みといよかん特有のフレッシュな香りが秀逸で、オレンジピールよりも絶対に美味しいと思う。ちなみに、本店以外で販売している店舗はないようで、ネットでの購入もできない。来店できない場合には、唯一電話かファックスでの購入が可能。(2013年1月追加)
金沢市野町2-24-7
電話番号:076-282-7000
定休日:第1火曜(祝日の場合には営業、夏季休業と正月休業有り)
営業時間:平日9時半~18時、日曜・祝日9時半~17時
予算:豆壺1200円、大浜の黒豆300円、糖菓子 いよかん250円
アクセス:JR金沢駅から北陸鉄道バス野町駅行きで15分、広小路下車すぐ。タクシーで行くのがベストかも。
最寄りのランドマーク:にし茶屋街、野町広小路交差点
お勧めポイント:これまで僕が食べた甘納豆のベスト