祇園 大渡(おおわたり)
古そうな一軒家の入り口を開けて伺うと、若い店主が出てきて挨拶。「どうぞ、お上がりください」ということで、玄関で靴を脱いで上がる。廊下を右に曲がると、カウンターの中で店主が待ち受けていた。驚いたことに、一軒家にもかかわらず席数は僅か8席の贅沢な空間。カウンターの奥の調理場には若い料理人もいるようだが、サービスは店主がほぼ1人で行っている。カウンター奥の右側には鮮やかな朱色の大きめの土鍋が目に付く。この日のコースに出てきたのは、「松茸のカツ」、「スッポンと松茸」、「名残鱧の霜焼きを塩ワサビで」など、料理は総じて素材の組み合わせや調理法が斬新であった。また、すり流しのアクセントとして岩茸を使用したり、魚の味噌漬けにこだわりの酒粕を用いたり、冷たいウーロン茶は台湾産で作った製品をわざわざ取り寄せるなど、店主は素材に対してもかなりのこだわりがありそうだ。料理の最後を締めくくるのが、白い御飯と漬け物、ちりめんじゃこだけなのはちょいと寂しいが、デザートの「わらび餅」は美味しかった。
値段や素材を考えると、コストパフォーマンスは割と良く、使用している器もセンスがいい。また、店主は見た目とは裏腹に、割と砕けていてとても話しやすい。(2012年10月追加)
東山区祇園町南側570-265
電話番号:075-551-5252
営業時間:18時~21時半
定休日:月曜、不定休
予算:コース11025円
アクセス:阪急河原町駅の出入り口1を出て、四条通を鴨川・八坂神社方面に進む。京都四條南座を過ぎ、朱色の壁の大きな建物(お茶屋一力亭)過ぎて進むと正面に八坂神社が見えるので、ローソンの角を東大路通に右折する。「かに家」を過ぎ、左に「京都月見郵便局」が見えたら、最初の角(八坂庵と赤い看板のお好み焼き店の間の通り)を右折するとすぐ左側にある。阪急河原町駅より徒歩10分
最寄りのランドマーク:八坂神社、かに家、京都月見郵便局
お勧めポイント:コストパフォーマンスが良い新進気鋭の料理人の店