羅富記粥麺専家

 地下鉄・上環駅からわずか数百メートルという絶好のアクセスにある香港では誰もが知るお粥と麺の専門店。この上環地区にこの店も含めて2店、中環地区には1店舗がある。この店は今回数年ぶりの再訪問。店の入り口にはガラス張りの調理場があり、店内は大衆食堂のような雰囲気。入り口のおばさんに人数を告げると、まずどこに座るかを指示される。朝9時半過ぎに訪れたときには既に満員状態で、地元の方と相席となった。この満席状態にも関わらず、何故か客席のテーブルでは店員がせっせと作業をしていた。実はこのような客席での作業風景は、香港ではそれほど珍しくことではないのだ(翌日訪れた杭州料理店「天香樓」でも、ランチタイムに客席で上海蟹を剥いている店員たちを目撃)。
 お粥を注文後(英語のメニュー有り)、その作業を眺めていると、ぶつ切りの海老と細切りのキクラゲ、そして竹の子を加えた餡を手際よく包んでいるではないか。どうやら、この店のもう一つの名物・ワンタンを包む作業をしているようだ。じっと眺めていると、ついつい食べたい衝動に駆られてしまい、「雲呑蛋麺(海老ワンタン麺)」も追加注文してしまった。まもなく、「魚粥(魚のスライス入り粥)」と「皮蛋鹹痩肉粥(ピータンと豚肉の塩漬け入り粥)」が運ばれてきた。僕の一押しは「皮蛋鹹痩肉粥」。ポタージュスープのように滑らかでトロトロ。塩味も丁度良い。椀の底には、大きめに切られたピータンと甘辛く炊かれた豚肉が入っている。鶏ガラベースのスープなのか、臭みなどは一切なく、コクがあって深い味わいだ。お粥と並ぶもう一つの人気商品「雲呑蛋麺」は、ゴマ油が香るプリプリの海老ワンタンが非常に美味である。しかし、極細の縮れ麺は、まるで乾麺の様な食感で、目をつむって食べれば汁ビーフンのよう。しかも、清湯スープはやや甘めだ。結論としては僕好みではなく、やはり食べるならお粥の方がいいと思う。朝早くからやっており、僕が香港に来たときのマスト・ミールである。(2012年12月追加)

中環皇后大道中144號 金利商業大廈地下  
144 Queen’s Road Central, G/F H.K. 
電話番号:2543-3881 
定休日:無休 
営業時間:7時〜23時 
予算:皮蛋鹹痩肉粥23HK$ 
アクセス:地下鉄・上環駅E2出口を出て、「新紀元廣場」ビル横の広場を抜けてクイーンズ通りを左折。クイーンズ通りを進み、「永亨銀行」を過ぎたらすぐ右側。上環駅から徒歩3分 
最寄りのランドマーク:上環駅、新紀元廣場 
お勧めポイント:香港でも最高レベルの皮蛋鹹痩肉粥(ピータンと豚肉の塩漬け入り粥)が食べられる店