麺屋 おほーつく

 サロマ湖近くの238号線沿いにある昼間しか営業していないうどん店。外観はうどん店とは思えないロッジ風の建物で、中に入ると天井が高く、ウッディで明るい。メニューに“かしわ天(鶏天)”などや“ちくわ天”などがあるところを見ると、本格的ではないものの、讃岐うどんを目指したうどん店のようである。北海道産素材と道産小麦で作られるうどんは、通常の讃岐うどんより細めであるが、角がしっかりと四角い讃岐風のうどんである。
 メニューを見ると、讃岐うどんの定番“釜揚げ”や“釜玉”などはレギュラーメニューの中には見当たらない(冬季〜春限定の「流氷釜揚げ」はある)。ほとんどのメニューが“ぶっかけ”で、レギュラーの温かいうどんは「カレーうどん」や「肉うどん」、「きつねうどん」、「かやくうどん」くらいしかない。“ぶっかけ”は麺と汁が別々に供されるが、麺や汁が温かい「温」と麺や汁が冷たい「冷」の2種類がある。温かいうどんはすぐにコシがなくなってしまうため、コシがあってモチモチとした冷たい麺の方が圧倒的にいい。
 “ぶっかけ”の汁は美味しいが、甘くて味にキレがない。なので、僕の唯一のお勧めは、レモンが付く「かしわ天ぶっかけ(冷)」である。レモンを搾り一味をかけて食べると、レモンの酸味で甘い汁が引き締まって美味しく感じられる。付いてくる汁の量は何故か少なめなので、もう少しかけたいと思う方は店員に追加を要求すればいい。また、この店の「かしわ天」は讃岐うどんの「かしわ天」とは異なり、鶏のモモを使った生姜醤油味の「かしわ天」で、北海道の「ザンギ」や大分の「とり天」に近い感じがする。食べログで人気の「カレーうどん」は、カレーライスのような横長のドンブリで出される。スパイシーさは全くなく、汁がサラッとしているため、麺にも絡まなくてお勧めできない。さらに、店主お勧めの「えびもちぶっかけ(冷)」は、エビ天と揚げた餅のアイデアこそ悪くないが、前述のように汁が甘いという理由でそれほどお勧めではない。
 ちなみに、店内は禁煙で、夏にはテラス席もあるらしい。もしも、札幌にあったら掲載するかどうか迷うところだが、道東エリアのうどん店としては至極真っ当であり、サロマ湖や能取湖などをドライブするときには立ち寄ってみても良い店である。(2014年3月追加)

紋別郡湧別町北兵村三区46  
電話番号:01586-2-3988
定休日:水曜(水曜が祝日の場合は翌日)
営業時間:11時〜15時
予算:かしわ天ぶっかけ800円
アクセス:238 号線(オホーツクライン)と242号線(置戸国道)の交差点
最寄りのランドマーク:ホーマック ニコット
お勧めポイント:道産小麦を使用した冷たいうどんがモチッとして美味しい