名古屋メシには何故か麺類が多く、スパゲッティ部門には「あんかけスパゲティ」と「鉄板スパゲティ」という2大スターがいる。「鉄板スパゲティ」は、ナポリタンを熱々の鉄製ステーキ皿にのせ、仕上げに溶き卵を流し込んだもので、味的にオリジナリティがあるわけではなく、むしろ、「あんかけスパゲティ」の方がインパクトがあってよろしい。どうしても“鉄板スパゲティ”を食べてみたい方は、モーニングの頁で取り上げた「甘味喫茶 おかげ庵 葵店」で食べてみて欲しい。
今や名古屋人のソウルフードと言われる「あんかけスパゲティ」は、ラードで油通しをした2.2ミリの極太麺に、コショウの効いた野菜ベースのピリ辛あんかけソースがかかったもの。眼科医である「吉田つねひこ(統彦)」前衆議院議員も、ホームページ( http://www.yoshitsune-kai.jp/legend/index.html )でコメントを公開するほどの“あんかけスパ愛好者”として知られている。名古屋の至る所に専門店が見られ、有名店ではレトルトソース を販売しているほど。「ヨコイ」の外には“あんかけスパのパイオニア”と書かれてあるが、あんかけスパのオリジナルは、「ヨコイ」の先代が親戚と共にやっていた「そ~れ」で出していたスパゲティ。「そ~れ」開店から2年後、「ヨコイ」の店主が独立して現在の店を開店し、パイオニアを名乗った。「そ~れ」と「ヨコイ」の根本的な違いは、ソースの元となるオーブン焼して煮込んだ野菜ペーストを裏ごししているかいないかの違いらしい。ちなみに、このネーミングの名付け親は、やはり「そ~れ」で働いていた「からめ亭・本店」の先代店主で、名古屋名物「あんかけうどん」からヒントを得て名付けたという。その後、1992年の「ズームイン朝」で取り上げられたことにより、一気に全国的に広まった。ほとんどの店は麺のボリュームが3段階あり、それぞれ値段も異なっている。