gooの「名古屋人以外が選ぶ名古屋めしランキング」によると、第1位は「味噌カツ」で、以下第2位「ひつまぶし」、第3位「きしめん」、第4位「手羽先」、第5位「天むす」、第6位「味噌煮込みうどん」、第7位「エビフライ」、第8位「ういろう」、第9位「味噌おでん」、第10位「どて煮」の順となっており、「カレーうどん」の地位がかなり低いことが分かる。味噌文化ゆえに、何と言っても味噌煮込みうどんの方がスターなのだ。しかし、全国的に見ると、グルメ業界における名古屋カレーうどんは、京都と並んで必ず取り上げられるフラッグシップ・フードであり、カレーうどんをファストフードにまで高めた名古屋の「若鯱家」は、今や関東や関西に進出するまでになったほど。 
名古屋カレーうどんの共通の具は、揚げ、刻みネギ、肉(豚、鶏、牛)の3つであるが、“カレーうどん”というフュージョン系フードの難しさは、“スパイシーさ”、“魚介系だしの旨み”、“麺の太さやコシ”の3つの要素が、いかにバランス良く組み合わさっているかによる。つまり、ルーが旨ければ良い「カレーライス」とは全くの別物で、この調和こそが重要なのである。愛知県一宮市に本拠地を置く「CoCo壱番屋」は、日本で最も成功しているカレーチェーン店であるが、この会社のカレー麺専門店でさえ上手く行かず、撤退したことを考えると、このジャンルの難しさが分かるというもの。実際、美味しい店がありそうで、これは!という店はなかなかない。以前「京都グルメバイブル」制作した時に京都の有名店5軒を食べ歩いたが、結局載せるに値しないと断念したことさえある。それを思うと、「名古屋カレーうどん」は名実共に日本一で、食べるに値するジャンルだ。