喰善 あべ

 みゆき通りの古いビルにある人気の日本料理店。店内に入ると、カウンター内の中央には竈門が見える。カウンター席は 11席のみで、太ももが触れるカウンター裏にはヒーターが付いていて、冬も暖かい。カウンター内では、店主が1人で調理し、奥にはもう一人若い見習いがいるようだが、奥様らしき女性がサービスと盛り付けをサポートしている。
  飲み物のメニューを見ると、瓶のガージェリー(東京のクラフトビール)もあったが、お酒のラインナップが全体的にイマイチだ。しかし、日本酒の大吟醸のセレクトだけは良く、「田酒」や「磯自慢」、「日高見」、「醴泉(れいせん)」などがあった。店主はワインに造詣が深いようで、「ラ・カーヴ・デ・ランパー ル(→ バーの頁を参照)」に通っているようである。また、店内には冷蔵庫タイプのワインセラーもあり、ボトルであればそれなりに良いものもあるようだ。
この店のコースは、18000円の1コースのみ。料理はどれも美味しく、器に映えて美しい。とくに、最後を締める土鍋ご飯はツヤツヤで、まさに銀シャリ状態。蒸す前の芯のあるご飯、蒸した後のご飯、お焦げと、3つの状態でいただくことが出来る。なるほど、食べログで人気が高いのもうなずける店である。
(2020年2月追加)
http://syokuzen-abe.jp

中央区銀座5丁目6-10 都ビル4階  
電話番号:03-3572-4855
定休日:日曜・祝日(不定休あり)
営業時間:18時半〜21時
予算:コース18000円
アクセス:東京メトロ銀座線、日比谷線・銀座駅A2出口を出て、「TASAKI」、「GU」を過ぎた交差点を右折した、1つ目の交差点の右角のビル。銀座駅から徒歩2分
最寄りのランドマーク:TASAKI銀座本店、GU
お勧めポイント:食べログで大人気の日本料理店

このビルの4階の・・・ ココです! 店内に入ると、カウンター内の中央には竈門が見える。カウンター席は 11席のみで、太ももが触れるカウンター裏にはヒーターが付いていて、冬も暖かい。カウンター内では、店主が1人で調理し、奥にはもう一人若い見習いがいるようだが、奥様らしき女性がサービスと盛り付けをサポートしている 最初は何と!「八寸」。1月なので、正月の名残りだと言う。「数の子の味噌漬け」は、蕪で巻かれている。「サワラの燻製」にはクルミが入っていて美味しい。「生のくちこを干して焼いたもの」は、柔らかくて最高のアテだ。「堀川ゴボウの天ぷら」は、塩味がちょうど良い。「炙ったサバの棒鮨」には辛子が載せてあるが、これが意外にも合う。「フキノトウの白和え」には素揚げしたクワイがのっている。フキノトウのエグミを豆腐が見事にマイルドにしていて最高。「黒豆」はツヤツヤで、蜜がとろける様に美味しいお碗は「オレンジ色の栃餅と海老芋の白味噌仕立て」。クルミのような香りの栃餅が美味しい。特筆すべきは、白味噌である。冬の京都で何度も白味噌碗をいただいたが、ここまで洗練された、甘味の抑えられたバランスのいい白味噌碗は初めて 「ヒラメとスミイカのお造り」は、辺塚だいだい(ヘツカダイダイ)と塩でいただくと最高 「百合根のオコワに熱々のトラフグの白子」には、カラスミと出汁の餡が掛かっている。全てが一体となった素晴らしい逸品だった お碗は「トラフグと聖護院蕪と椎茸」。吉兆系のように出汁の引き方が濃厚で、昆布の旨味を感じさせる素晴らしいお碗だ。加えて、焼き椎茸の香りも良かった 焼き物は「マナガツオ幽庵焼き」。つけ酢でいただくのだが、酢の香りが立っていたので、そのまま食べた方が良かった  炊き合わせは「丸大根とシャランガモ」。最後の一滴まで飲み干したくなるくらいの汁も、よく浸った大根とミディアムレアの鴨も美味しかった 「蒸らす前の土鍋ご飯」を一口。塩だけでいただく 芯は残っているが、表面がツヤツヤで甘みが強く感じられる 香の物と明太子、ウルメイワシの目刺しが添えられた「土鍋ご飯」。最後の締めとしては、物足りなさと寂しい感じがする。と思っていたら、常連客は生卵やちりめんじゃこなどをリクエストしていた。店主に聞くと、ご飯のお供は他にもいろいろあるので、遠慮なく尋ねて欲しいとのこと 「蒸らした後の土鍋ご飯」 「シジミの赤だし」 水菓子は「愛媛の富士柿」 「一口ぜんざい」と京番茶南天の葉をどけると、「一口ぜんざい」はこんな感じ