横浜中華街と最近のトレンド
横浜中華街は誰もが知る日本最大規模の中華街である。しかしながら、神戸の南京町などと比べると、よりテーマパーク的な性格が強く、ほとんどの客が地元客というよりは観光客のようだ。みなとみらい線「元町・中華街駅」ができ、それに東急東横線や東京メトロ副都心線、西武池袋線、東武東上線などが接続されるようになってアクセスが良くなって、さらに爆発的な人気が出てきた。
久しぶりに訪れてみると、いたるところに「正宗生煎包」、「焼き小籠包」の看板が目立つ。これらはいわゆる「焼き包子(ぱおず)」のことで、上海では「生煎饅頭」、台湾や香港では「生煎包」あるいは「水煎包」と呼ばれていて、小籠包を焼いた信州の“おやき”の様なもの。台湾のB級グルメの殿堂・台北の士林夜市の「大上海生煎包」などが有名である。日本では名古屋にある台湾風の 「台湾の焼き包子(→ 名古屋グルメバイブル・焼き包子の頁を参照)」 や東京町屋にある上海風の「小陽生煎饅頭屋」などがこのブームの火付け役と思われるが、最近では日本中至る所で見かけるようになった。横浜中華街では、すでに“杏仁”や“マンゴー”のデザートを越える人気となっており、このB級グルメである「焼き小籠包」を店の前で立ち食いするのが現在のトレンドである。中でも、横浜中華街大通り沿いにある「鵬天閣」と「王府井」の2店が最も人気がある。もちろん両店とも食べ比べてみたが、僅差ではあるが、「鵬天閣」の方が味に深みがあって美味しかった。ちなみに、「焼き小籠包」は中のスープが熱いため、一口では食べることは不可能である。また、ビビって噛むとスープが勢いよく飛び出し、自分や他人にかかって危険なので、先ずは箸で穴を開けて直接スープを飲んでから食べるのがコツ。(2013年8月追加)