手打ちそば いしくら

 住宅街にある手打ちそば店。週末ともなると開店後すぐに満杯となってしまうほどの人気店である。平日でも行列ができることもあるため、開店時か昼のピーク時を避けて行くのが良いだろう。 
 外観は洋風の一軒家で、蕎麦店としてはかなりユニークな建物であるが、これは元は洋食店だった店をリフォームして使っているため。ガラス越しに蕎麦を打つところが見えるなど上手く改装されてはいるものの、テーブルや椅子などはそのまま使用しているのか、若干違和感を感じてしまう。 
 蕎麦はやや平打ちの細麺で喉越しが良い。この日の蕎麦は新蕎麦だったのでやや緑がかっていた。香りはそれほどでないものの、甘みが十分あって美味しい。また、セイロのつけ汁は、辛くも甘くもなく丁度良い。この店では海鮮ネタを使用した“天だね”の蕎麦がお勧めである。特に、蝦夷アワビを1.5個使った「アワビ天ざる」が実に函館らしくていい。“アワビ天”は塩で食べるよりも天つゆの方が味がさらに引き立つ。さらに、活穴子を使った「あなご天ざる」もいい。ちなみに、天ぷらは単品で注文することも可能なので、酒のつまみとして頂いても良い。この他、厚岸のあさりを使った温かい「深川そば」や蕎麦が冷たく汁が温かい牡蠣蕎麦「つけかきそば」、奥尻の岩のりを使った温かい「花巻そば」、冷たい「冷やし花巻」などもある。「つけかも」は“鴨せいろ”のことで、つけ汁がどうしても甘めで、こちらは山椒と一味をかけなければバランスが悪い。
 デザートにはオリジナルの「蕎麦のアイスクリーム」があり、さらに、ご飯物の「天むす」は「海老」の他、全部で3種類がある。しかし、名古屋のような通常の天むすとは異なり、上に天種をのせて海苔で巻かれた大きめの握り寿司のようなもので、これは特にお勧めではない。ちなみに、店内は今時の蕎麦屋らしく禁煙である。(2013年6月追加)

函館市柏木町15-30  
電話番号:0138-55-1133
営業時間:11時半〜15時 
定休日:水曜と木曜 
予算:あなご天ざる1200円、アワビ天ざる1600円 
アクセス:函館市電・深堀町電停で降り、線路に沿って五稜郭方面へ戻ると、「小田中歯科医院」、「美馬産婦人科」が見えるので、その手前の信号を右折して函工通を進む。200mほど進むと左側に見える。 
最寄りのランドマーク:小田中歯科医院、美馬産婦人科 
お勧めポイント:蝦夷アワビを1.5個使った「アワビ天ざる」が食べられる