カルバドール Calvador
この店を初めて訪れてまず戸惑うのは、店はどこにあるの?ということ。何故なら、ビルの入り口には看板などは一切無く、ビルには1階のスペイン料理店の看板しか出ていない。敢えてそうしないのは、毎日常連客で席がすぐに埋まってしまうためなのかも。事実、店主1人だけでやっているバーであるにもかかわらず、営業中もフリー客の来店や電話の問い合わせがひっきりなしにあって、その都度断るのも大変そうである。
古いビルのエレベーターで2階に降りると、ドアには店名の由来となっているリンゴのマークがあるだけで、やはり店名が書かれたものはない。ドアを開けると、緩やかなL型のカウンター席と多数の蒸留酒(主にカルバドス)が目に飛び込んでくる。カウンターの中の店主・高山さんは、お笑い芸人“ぐっさん(山口智充)”に似ており、しかも、顔だけでなく、声質や滑らかなトークも含めて似ているような気がする。実は、彼こそ日本ナンバーワンの「カルバドス(北フランスで作られるリンゴが原料の蒸留酒)」コレクターであり、世界的にも高山さんよりも持っている方はあまりいないほど。また、毎年フランスで行われるオークションにも参加し、古い良質なカルバドスを1年分購入してくるという。
そんな店主の作るカクテルは、繊細なバランス感覚が素晴らしい。甘さや香りが絶妙であることはもちろんのこと、いわゆる味にキレがあるのだ。それはスタンダードカクテルだけでなく、フルーツカクテルも同様である。特に、もしも行った日に生のザクロがあったなら、カルバドスベースのザクロのカクテルを是非注文してみてほしい。そして、締めはやはりオールドヴィンテージのカルバドスを頂こう。かなりのコレクションなので、バースデイヴィンテージのカルバドスもあるかもしれない。もしもブランデー好きな方なら、コニャックにも勝るとも劣らないその香りと深みにはまること請け合いで、「1968年MORISE」はお勧めである。また、少ないがワインも置いているようである。どんなカルバドスがあるのか見てみたいという方は、店のホームページからご覧になって頂きたい。
http://www.calvador.jp/new.html
店の雰囲気や店主の軽妙なトークも含めて、また行きたいと思わせる京都ナンバーワンのオーセンティックバーである。前述のように、店主1人でやっている僅か8席のカウンターバーなので、大人数は難しく、しかもかなり早めの予約が必要である。(2014年4月追加)
中京区妙満寺前町446 若林ビル2階
電話番号:075-211-4737
定休日:木曜
営業時間:19時〜翌1時(日曜は24時まで)
予算:メニューがないので不明だが、良心的な価格だった
アクセス:地下鉄東西線・京都市役所駅を出て京都市役所側へ出る。京都市役所を右に見ながら、京都市役所沿いの寺町通りを北へ400mほど進むと通りが広くなりファミリーマートが見えるので、その手前の並びにあるビル。京都市役所駅から徒歩5分。
最寄りのランドマーク:京都市役所北庁舎
お勧めポイント:素晴らしいカクテルと日本一のカルバドスが頂ける