新屋敷 幸福論

 谷原先生から店が移転したと聞き、今回は5年ぶりの訪問。新店舗は旧店舗から歩いて10分くらいの表通りにある。店は2階建ての白い一軒家で、ビルの1階にあったガラス張りの旧店舗に比べると、外から全く見えないようになった。移転の理由を大将に伺ったところ、家から店に通うのが大変になってきたため、店舗兼住宅にしたのだという。
 また、5年前に比べると、変わった点がいくつかある。まずは、昼の営業がなくなり、ディナータイムのみの営業となったこと。さらに、コースの値段が上がって店内の写真撮影が禁止となり、そして生ビールから瓶ビールとなったことなどである。生ビールに関しては、品質管理が大変だったからというのが、実際の理由らしい。
 店内に入ると、左側に個室があり、右側にオープンキッチンのカウンター席が8席ある。カウンター席側のインテリアに関しては、基本的に前店と変わりないが、有名寿司屋にありがちな氷冷庫があった。また、この日は2席毎に1席分の間隔が空けられ、ゆったりと座れた。
 写真撮影が禁止となってしまったので、今回いただいた12500円のコースについて説明すると、まずはトロトロの「焼き胡麻豆腐」からスタートし、「ワタリガニと春菊・もって菊のおひたし」、「秋刀魚の有馬山椒炊き」、「八寸 (本ししゃも焼き、水前寺菜のお浸し。柿の白和え、長イモと酒盗)」、「ハモと松茸の椀」、「戻りカツオの藁焼き、ブリ、アオリイカの刺身」、「甘鯛の油焼き(松皮焼き)」、「イクラの飯蒸し」、「酒肴(カラスミ大根、味噌漬け、あん肝のワサビ添え)」、「海老芋と鮑、下仁田ネギの煮物」、「シャラン産鴨焼き 黒酢・オレンジ・ブルーベリーソース」、「松茸の炊き込みご飯、赤出汁、香の物」、「お汁粉」で終了となった。イクラの醤油漬けが少し酒が効きすぎていたことと、鴨に火が通り過ぎていたこと、ハモが泥臭かった点を除けば、どれも美味しくて良かった。
 東京や京都、大阪の店として考えれば2つ星くらいだと思うが、地方にある日本料理店としては非常にクオリティーが高く、料理、雰囲気、コスパともに傑出していたため、3つ星とした。また、一部のネット上でサービスの不備などについての記載があったが、今回は全く問題なく、むしろサービスの評価としては良かった。ちなみに、調理は多くを大将一人で行っているので、コースを食べ終えるには多少時間がかかるが、その分味にブレがない。(2018年11月更新)

熊本市中央区新屋敷3丁目8−6
電話番号:096-366-6566
定休日:不定休
営業時間:18時半〜21時
予算:コース10000円と12500円(税別)の2コース
アクセス:中心部から車で5分くらい
最寄りのランドマーク:熊本新屋敷郵便局、熊本県民テレビ
お勧めポイント:料理と価格のバランスが優れたクオリティーの高い名店

この白い2階建ての建物が新しい店です 入口は・・・ 奥にあります店内の写真撮影は禁止になりましたので、禁止になる前の前店の写真も残しておきます

 

前店舗はビルの1階にありましたガラス張りなので、木の格子で目張りしています前店舗のテーブル席前店舗のカウンター席。現在もこんな感じです前店舗の時はランチがあったので、この日はランチコースで一番高かった5250円のコースです。参考にしてください